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つながりを読む

「半官半X」という公務員のあり方~海士町

2022年02月16日

「半農半X」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

これは、塩見直紀さんが1990年代半ば頃から提唱してきたライフスタイルで、自分や家族が食べる分の食料は小さな自給農でまかない、残りの時間は「X」、つまり自分のやりたいこと(ミッション)に費やすという生き方です。農のある暮らしをしながら、自分が大切だと思うこと、大好きな仕事をすることで、精神的に満たされるというこの半農半Xという暮らし方は、収入が減少しても心豊かな暮らしをしたいという人たちから共感を集めています。では、「半官半X」は?

半分の時間は公務員として働き、残りの半分はそれ以外の仕事を行う「半官半X」。塩見さんが「半農半X」を提唱され始めたころから、公務員の方々も「自分たちもできたらいいのにね」と言っていました。

2020年に、「半官半X推進における目的と定義を定める条例」を制定し、公務員が庁舎内業務に加えて地域の多様な仕事に挑戦できるようにした自治体があります!

島根県海士町です。

海士町では、「海士町半官半X推進における目的と定義を定める条例を制定(令和2年3月17日海士町条例第1号)しました。

役場職員が庁舎内で行うデスクワークの働き方に加え、 庁舎を飛び出し、現場に足を運び、町民とともに汗を流し、語り合う中で、 現場の課題を一緒に解決する力を身につけたり、 地域の担い手という自覚をより強めながら、 多様な仕事に挑戦できるよう働き方改革を推進する制度です。

そして、令和3年度の役場職員採用試験には「半官半X」枠が設けられ、11名が応募、4名を採用したそうです。「半官半X職員」の登場!ですね。海士町の皆さんとオンライン会議をしたときに、「海士町役場半官半X課の○○です」と自己紹介された方ともお会いしました。海士町では、「様々な業種や職種を横断的に移動することで地域の課題解決につなげる」ことをめざしています。

ちなみに、海士町のこれまでの取り組みやその成果、新たな課題、それを克服するための「半官半X」を含む、新たな取り組みなどは、こちらの資料からご覧いただけます。とてもわかりやすい資料です。

農林水産省 第8回新しい農村政策のあり方に関する検討会(資料)
https://www.maff.go.jp/j/study/nouson_kentokai/attach/pdf/farm-village_meetting-148.pdf

私が最初に海士町のまちづくりのお手伝いをさせていただいたのが2015年。現在も、一般社団法人海士町未来投資委員会に関わらせてもらっています。
https://ama-future.org/

次々と進化していく海士町は、どこに向かって何を進めようとしているのか? そして何よりも、次々と進化を生み出していくために、海士町はどのような"装置"を持っているのか?

現場のプレーヤーのおひとりからじっくりとお話をうかがうオンラインセミナーを開催することになりました! 

2月22日開催:≪オンライン≫
コロナにも人口減少にも負けない!90分で学ぶ「すんごい地域のスゴイ理由」
好循環のまちづくり(第2回)―海士町―

今回は、海士町で官民連携した地域づくりに関わってこられた株式会社「風と土と」代表取締役、阿部裕志さんにお話をお伺いします。

半官半Xのほか、AMAホールディングスや一般社団法人海士町未来投資委員会、海士町複業協同組合の設立、大人の島留学など、世の中の先端を行く取り組みがいっぱいあります。そして、そういう取り組みを生み出し続けることができているしくみ・秘訣とは?

質疑応答の時間もありますので、直接疑問点を聞いていただくこともできます。ぜひご参加下さい~!
https://www.es-inc.jp/seminar/2022/smn_id011261.html


■日時:2月22日(火)19:00~20:30(開場:18:45予定)

■会場:オンライン(Zoom)を使用します

※お申込みいただいた方に、それぞれ開催前日までに詳細をご案内いたします。迷惑メール等に入らないよう、ご注意ください。

■参加費:2,200円(税込)

■オンラインゲスト:島根県海士町 株式会社風と土と 代表取締役 阿部裕志氏

■進行&聞き手:枝廣淳子(大学院大学至善館教授、幸せ経済社会研究所所長)

■プログラム(予定)
・阿部氏による海士町の取り組みについて講演
・阿部氏と枝廣の対談
・全体での質疑応答

■主催:有限会社イーズ、共催:株式会社未来創造部 

■お申込みはこちらからお願いします
https://es-inc.stores.jp/


これまで海士町の取り組みについては何度も紹介してきました。記事へのリンクをまとめましたので、ご興味のあるものがあったらぜひお目通し下さい。

2012/6/21
「ないものはない」~海士町に学ぶ地域再生の取り組み
https://www.ishes.org/cases/2012/cas_id000640.html

2014/4/1
海士町における地域経済と幸せ
https://www.japanfs.org/ja/news/archives/news_id034868.html

2014/7/4
エダヒロの100人に聞く「経済成長についての7つの質問」阿部裕志さん
https://www.ishes.org/project/responsible_econ/enquete/enq011_abe.html

2016/2/23
(島根県海士町)『「挑戦する人」への覚悟が醸成された戦略策定』~季刊「しま」より~
https://www.es-inc.jp/library/writing/2016/libwri_id008230.html

2016/4/27
島根県海士町、「挑戦する人」への覚悟が醸成された戦略策定
https://www.es-inc.jp/insight/2016/ist_id008390.html

2016/5/26
「これからの地域に必要な"折れない力"とは」~海士町での講演録より
https://www.es-inc.jp/insight/2016/ist_id008433.html

2016/6/23
「挑戦し続ける島」海士町
https://www.es-inc.jp/library/writing/2016/libwri_id008484.html

2017
海士町の「わがトコ・わがコト調査」:約75%が「生活に満足」、全国調査と比べても高い結果
https://www.ishes.org/cases/2018/cas_id002443.html

2018/6/24
「ないものはない」~海士町が世界に送る「知足」の考え
https://www.es-inc.jp/insight/2018/ist_id009571.html

ないものはない
https://www.ishes.org/keywords/2018/kwd_id002489.html

2019/8/16
海士町からの動画「ストップ!漏れバケツ ~島の経済を見える化しよう~」
https://www.es-inc.jp/insight/2019/ist_id010051.html

2020/5/17
海士町の「ビジョンづくり」のプロセスから生まれたもの(1) 漁協・藤澤裕介さん
https://www.es-inc.jp/insight/2020/ist_id010372.html

2020/5/17
海士町の「ビジョンづくり」のプロセスから生まれたもの(2) マリンポートホテル海士・青山敦士さん
https://www.es-inc.jp/library/mailnews/2020/libnews_id010434.html

2020/7/19
海士町の「ビジョンづくり」のプロセスから生まれたもの(3) 社会福祉協議会・片桐一彦さん
https://www.es-inc.jp/insight/2020/ist_id010586.html

2021/4/19
自分たちの手で資金を調達し、投資しよう!「海士町未来投資基金」
https://www.es-inc.jp/insight/2021/ist_id010961.html

 

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