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レスター・ブラウン氏のアースポリシー研究所では、さまざまなファクトシートをまとめて発表しています。
この春に出された「漁業と養殖に関するファクトシート」を、実践翻訳チームが訳してくれましたので、お届けします。
「2014年には養殖魚消費量が天然魚消費量を超える可能性が高く、歴史的転換点となる」とのこと。その理由、その影響を考えてみていただければと思います。
~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~
漁業と養殖に関するファクトシート
http://www.earth-policy.org/press_room/C68/fisheries_and_aquaculture_fact_sheet
世界の漁獲量は、地球の表面の7割を占める海洋生態系の生産性と健康状態を測るものである。魚種資源の縮減、漁獲量の減少、漁場の崩壊を見れば、海産物に対する世界の需要量がどれほど持続可能な漁業生産量を上回っているかがわかる。
海産物は世界の食料安全保障で大変重要な役割を担っている。およそ30億の人が、摂取する動物性タンパク質の約2割を水産物から得ている。
世界の漁獲量はこの20年間、9,000万トン程度でほとんど変わっていない。
一人当たりの天然魚漁獲量は、ピークだった1988年の17キログラムから2012年には13キログラムにまで激減し、37年間で最低値となった。
世界の漁場の4/5以上が、これ以上漁獲量を増やすと支障が出るというところまで開発され尽くしている状態か、すでに乱獲しすぎて漁場を再生しなければならない状態のいずれかにある。
モルディブ、フィリピン、ガーナなど36カ国では、食用魚供給量の半分以上を小型の餌用魚が占めている。
2012年には、現代史において初めて、世界の養殖魚生産量が牛肉生産量を抜いた。
世界の養殖魚生産量の6割は中国が占めている。
天然魚は、食肉、牛乳、卵、養殖魚の生産で大きな役割を果たしている。毎年、約600万トンの魚粉と100万トンの魚油が生産されている。魚粉のほぼすべてが養殖魚、養豚、養鶏の飼料となっており、魚油の74%が養殖場に送られている。
養殖業者の中には規模を縮小し始めているものもいる。エビ用飼料に含まれる魚粉の量は1995年から2007年の間に28%から18%に減少した。サケ用飼料では45%から24%と、さらに減少が顕著であった。
2014年には養殖魚消費量が天然魚消費量を超える可能性が高く、歴史的転換点となる。世界中の海で魚が限界量まで獲られている中、魚の消費量が少しでも増えれば、その分は養殖魚でまかなわれることになるだろう。養殖生産量は2021年までに33%増えると予測されている。
管理が行き届いた海洋保護区は、禁漁となっており、生物多様性の保全と魚種資源の回復に役立つ。海洋保護区の境界線の外では、漁獲量と観光収入が増える場合が多い。
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データやその他の情報については http://www.earth-policy.org/ にあります。
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(翻訳:丹下、チェッカー:五頭)