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第50回 持続可能な先進地域 北海道下川町から学び、SDGsで企業やセクターを超えた共創を考える(2018年7月20日(金)開催)

2018月05月25日 更新
開催終了レポート
 
開催日 2018年7月20日(金)
対象

イーズ未来共創フォーラム 企業・団体パートナーさま

ゲスト

北海道下川町 環境未来都市推進課 SDGs推進戦略室
(SDGs・地方創生・環境未来都市担当) 
室長 蓑島 豪 様

ファシリテーター

枝廣 淳子

参加人数

31社43名(満員御礼)

開催レポート

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私は昨年度、北海道下川町の「SDGsに基づく2030年の町のビジョン策定」のアドバイザーとしてお手伝いさせていただき、現在もまちづくりに関わらせていただいています。

その下川町でSDGs・地方創生・環境未来都市政策を推進されている蓑島さんを今回の異業種勉強会のゲストスピーカーとしてお迎えし、『持続可能な先進地域 北海道下川町から学び、SDGsで企業やセクターを超えた共創を考える』をテーマにお話をいただきました。

下川町が「持続可能な地域社会」を目指して町民とともにどう進めてきたのか、歴史を振り返りつつ、これまでの取り組みやSDGsを活用していくプロセスなど、たっぷりと伺えたのではないでしょうか。 

また、私からも下川町をはじめ、いろいろな地域でお手伝いをしてきた経験や立場から見えてきた「不安定で不確実、政府に頼れない時代にどうやって幸せな未来をつくっていくのか?」についてお話をさせていただきました。

 今回の学びを「共創の時代」の必須作法である、地域や社会との連携を進める一助としていただけたら幸いです。


1. 問題意識や課題の共有

本日のテーマである、「SDGsで企業やセクターを超えた共創」について個人ワークやグループディスカッションを行いました。企業が地域や社会の課題にどのように関われるのか、また関わっているか振り返ります。

Q-1:自社でのSDGsの取り組みについての振り返り

Q-2 :出し合ったものを分類し、そのなかで地域や自治体と直接的なコラボはどれくらいあるか(自社内完結型か、別のパートナーや地域とパートナーシップを組んで活動しているのかなど)

Q-3:本日の簑島さんのお話について、何を期待してきたか(個人ワーク)

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2.講演「持続可能な地域社会の実現に向けて SDG未来都市しもかわ」

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北海道下川町 環境未来都市推進課
SDGs推進戦略室(SDGs・地方創生・環境未来都市担当)室長 蓑島 豪 様

これまで下川町のSDGsの考え方を取り入れたまちづくり、地方創生、経済政策に関わる仕事に携わってきました。今年6月に「SDGs未来都市」に選定されたこともあり、どのようなまちづくりをしているのか紹介します。ここ2年ほど、SDGsをまちづくりに取り入れるべく活動を進めていますが、SDGsが共通言語となり、いろいろな人をつないでいくものであることを実感しています。

1.北海道下川町の概要と歴史

人口:3,383人 高齢者:1,440人 面積:644.2km2 (東京23区と同じくらいの面積) 森林:569.8km2 (総面積の88%。「森林資源を余すことなく使う」ことがキーワード)気候:夏+30℃以上、冬△30℃以下の厳しい歴史。

<危機や困難に挑戦し続ける"しもかわイズム">

 1901年:木材・鉱物資源で発展
 1960年:人口1万5000人突破 木材の自由化、環境規制で林業・工業衰退
 1960年~80年代:人口減(危機感→今の取り組みのある意味出発点)
 1980年半ば~ 急激な人口減少による困難に直面、危機意識の高まり→知恵・工夫・行動

  •  観光資源づくり 
    1.開拓時の大量の石発見→「万里の長城」づくりに挑戦(2,000年に2,000m目標に)
    2.
     「寒さ」が売り→アイスキャンドルミュージアム(お祭り)

 2001年:1998年に住民有志からなる「下川町産業クラスター研究会」が発足。

自主・自律に向けた足腰の強い産業構造を創り、地域を活性化する研究がなされ、研究成果物(2001年)に「経済・社会・環境の調和による持続可能な地域づくり」がコンセプトとして打ち出され、以降、この実現に向けた取組みが進められている。

 2007年:下川町自治基本条例(いわゆる「まちの憲法」)に「持続可能な地域社会の実現を目指す」ことを明確に位置づけ
 2008年:環境モデル都市に選定(内閣府)
 2011年:環境未来都市に選定(内閣府)

2. 経済:森林資源を余すことなく使う森林総合産業の構築

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  • 森林づくり(循環型森林経営)
  • 森林資源活用(森の恵みを余すことなく)

3. 環境:森林バイオマスを活用した地域のエネルギー自給と低炭素化

4. 社会:集落再生など超高齢化に対応する社会システムの構築

限界集落(65歳以上が人口の50%超)の再生。超高齢化社会への対応を考える。
集落再生など超高齢化に対応する社会システムの構築(一の橋バイオビレッジ)

→コンセプト:超高齢化問題(社会)・低炭素化(環境)・新産業創造(経済)を同時解決持続可能な集落へ

2010年~ 地域おこし協力隊の導入(平均5名程度在住)
2016年 木工作家が移住
2017年 元地域おこし協力隊員がオーガニック化粧品会社を起業
2018年 エゾシカ加工起業希望者が移住

→結果:人口はほぼ変わらないが、生産年齢が若くなり、高齢化率が下がった。

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5. 持続可能な地域社会の実現へ SDGs未来都市

  • 環境未来都市(~2016年)

近年は、人口減少が緩和し、人口転入超過が散見されるや地域熱自給率が49%に到達、住民税が増加傾向にあるなど持続可能な地域社会の「芽」が発現、小さいながらも好傾向が見受けられる。これまでの取組みと成果が評価され、2017年に政府が創設した「第1回ジャパンSDGsアワード」において内閣総理大臣賞(最高賞)を受賞した。現在発現している好傾向はさらに拡大し、想定される将来課題に今から手を打っていくために、SDGsをまちづくり取り入れてレベルアップを目指した。

  • SDGs未来都市選定(2018年6月15日)

SDGsの枠組みを活用し下川町のビジョンや取組みを発信、プレゼンスやブランドを高め、地域と企業などとの連携、パートナーシップをつないでいく。

<しもかわSDGsインディケーター ※開発中>

達成度を測定するための尺度となる指標を開発し設定(2018年度)しもかわの健康状態を見える化し、処方箋を打っていく。

 <パートナーシップ>

  • 地域ステークホルダー:下川町総合計画審議会に「SDGs未来都市部会新設」(2017年9月~2018年4月)

・多様なバックボーンを持つメンバーが参加
・民間委員:10人(経営者・NPO法人代表、農業者、主婦、教員など)
・行政中堅職員:10人(30-40代)ファシリテータ:枝廣淳子 レポーティング・指標設計:IGES

→SDGsを取り入れた下川町のありたい姿を描く:1~17目標のどれがひとつでも持続していなかったらだめ

  • 地域内:2030年の下川町を考える時にSDGsの目標を取り入れて考える。住民自らありたい姿の実現を考える。
  • 国際関係:JICA,IGESと連携、ICLEI(持続可能性をめざす自治体協議会)に加盟
  • 自治体:単独では難しい課題や重なる課題に対し、自治体同士がつながり、解決に向けて共に考える連携体制
  • 企業・団体:三井不動産、港エステート 目的:終わらない森づくり(適正な森林管理と活用)を基軸とする持続可能な地域社会の実現、吉本興業 目的:持続可能な地域社会の実現と世界のSDGs達成への貢献

3.全体共有:簑島さまのお話をお聞きして、感想・伝えたいこと・さらに聞きたいこと

お話聞いての感想・コメントをグループで共有し、さらに聞きたいことを纏める

<感想・コメント共有>(一例)

  • 森林資源の活用にこれだけの多様性があるのかと驚いた。
  • 3400人の住人で国内だけ無く、海外とのパートナーシップができるのはすばらしい。
  • 万里の長城などを成功させるようとする人々が多い、という地域性が印象的でした。
  • ぜひ行ってみたい。自分の目で見てみたい。
  • パートナーシップを通じて新しい社会、ネットワーク構造、質への変化があったことがわかった。

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<簑島さまにさらに聞きたいこと>(一例)

Q:連携ということがテーマだが、パートナーシップを結ぶための営業は何かしているのか?
Q:パートナーシップ、コラボを選ぶ基準はあるのか?
Q:人口増への展望は
Q:企業から自治体を巻き込むには
Q:好循環が回っているが、それまでの苦労は?どこの地域でもこうした動きがあったらいいなと思うが、一歩前へでるにはどうすればよいのか。
Q:現実には単年度制をとっているところがほとんどであるなか、首長が変わったら方針も変わってしまうのでは?
Q:若者が下川町に来るようになったか
Q:森林の産業・経済性について

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4.『不安定で不確実、政府に頼れない時代に どうやって 幸せな未来をつくっていくか?』枝廣淳子

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現在、海士町、下川町、南小国町のまちづくりに関わっており、ビジョン策定プロセスは基本同じように進めている。人口減少、少子高齢化など、どの地域にとってもこれから大変な時代となるなかで、これからはレジリエンス(何があってもしなやかに立ち直る力)が大事であり、そのときに必要なものは2つあると考える。

1)「ぶれない芯」=地域の未来についての共有ビジョン

2)外部に頼らずに持続できる地域経済

5. パートナー企業さまから情報提供:

  •  三原市市議 安藤さま:西日本豪雨災害の状況について

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233人死亡(2018年7月20日現在)

水の破壊力を感じた災害だった。

広島県は2014年の広島土砂災害(77名死亡)があったときに1,800団地に豪雨被害を受けたため、砂防堰堤点検を行い、規格も満たしていたにも関わらず、自分だけは大丈夫だろうという(正常性バイアス)意識から、8名が逃げ遅れて亡くなってしまった。

 困りごと:

災害後、水・電気などのインフラが止まってしまい、非常に困った。備蓄も十分でなかった。人手不足。

防災グッズについては、防災の日に買い換えると忘れてしまうことが多いので、自分の誕生日に来る割引クーポンを利用して防災グッズの買い換えをすると買い忘れがない。

・企業・個人が一番お手伝いできることは?

これが足りない、と行ってしまうとそのものだけがどっさりきてしまうという課題がある。企業からお申し出をいただいた時に個別でお願いするようにしている。県、社会福祉協議会、NPOで支援を募るHPを立ち上げたのでので、そこに問い合わせください。

 <<西日本豪雨災害情報>>

◆広島県全体の災害支援の情報発信サイト https://hiroshima.shienp.net/

 もし、三原市へ直接ご支援いただけるようでしたら、

◆ふるさと納税を通じたご寄附 https://www.furusato-tax.jp/saigai/detail/439

 ◆ボランティア活動へのご参加 https://www.facebook.com/miharavc/

6.会場提供企業さまより、ご活動紹介:

  矢崎エナジーシステム株式会社 髙橋 健二さま

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社是「世界とともにある企業」「社会から必要とされる企業」工場:全国、静岡中心

地域にハーネスの向上を創ってきた。檮原と森林再生・地域循環を10年以上進めてきている。矢崎グループはワイヤーハーネスを中心に2兆円弱の売上がある。矢崎エナジーシステムの事業:電線、ガス、環境、計装 などあらゆるエネルギーの総合プロデュース企業電線は建設・電気設備を中心。電気自動車の充電器など。ガスはガスメータ、警報機、発電システムなど。

環境システム事業:空調機器(吸収式冷凍機中心)

1974年 太陽熱利用冷暖房給湯システム「矢崎実験ソーラーハウス」(世界初のソーラー冷房運転に成功)

熱源があれば冷やすことができる。中心はガス炊きの木質バイオマス吸収式冷凍機、廃熱を利用した温水炊き吸収式冷凍機、排ガスを利用した吸収式冷凍機など販売している。


 <イーズよりお知らせ>

環境負荷、幸福度、地域経済、ソーシャル・インパクト等主なサポート領域と実績をご紹介しております。ウェブサイトからご確認ください。

 <事務局よりお知らせ>

次回は9月28日(金)を予定しています。ぜひ、奮ってのご参加、お待ちしております!

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 フォーラム終了後、みなさんと

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懇親会のようす

参加された方の声から

☆実際参加されて、いかがでしたでしょうか。よかった点、よくなかった点を含め、何でもご自由にコメントください。☆

共通言語になること、多様な人どうしを結びつけるキーになること、ディスカッションの枠組み、チェックリストになることがわかった。

SDGsをチェックリストとして使うという視点に気づかされました。

SDGsは切り口やチェックのリストだという表現が腑に落ちました。

グループの討議、ポストイットの活動はすばらしい、身になる勉強会だった。

下川町のチャレンジ精神に感銘を受けました。また下川町の明るい雰囲気を感じました。

「まずやってみる」ということが大切で、スモールスタートの重要性を理解した。

〇:具体的な課題、問題点が聞けた。ぶれない芯、愚直な行動が実を結ぶ。×:時間が少ない。

下川町のお話は感心することばかりでした。「できる」という希望をたくさんいただけました。ビジョンのホップ、ステップ、ジャンプのお話がとてもわかりやすく「なるほど!」と思いました。

①SDGsによって自分の地域だけの視点にとどまらない、広くて長期の視点を得られることがわかってよかった。②SDGsのパートナーシップの可能性を現実にうつしかえていくことで、社会のネットワークの構造や質がTransformする可能性を感じた。③自分のネットワークは友だちネットワークが主体だが、これは結構強いのかもと思った。

悲観的になるのではなく、できるはずと前向きに活動する健全な危機感が大切だとあらためて感じました。

SDGsをどのように利用?活用?しているのか知ることができてよかったです。ビジョンを考えるときにチェックリストとして、自分が課題としてとらえていないものを考えるきっかけになることで視野を広げることができると思いました。

危機的状況からの打開の原動力は危機感であり、それが継続できるからこそ、成果が出るのだと思いました。木質バイオマスを活用した事業は、ビジネスパートナーとなりうることだと思います。

「やりつづける」すべての安心(居住)はここにあると思います。

SDGsを生かし、伝えている方のお話が聞けたのは貴重な時間でした。

新しいメンバーも多く、これからも楽しみです。

事例で理解が進みました。

満足しています。今度は現地を見て再確認してみたいと思えた。

さまざまな業界の方と意見交換できる場があり、知見を広めることができてよかったです。

下川町のことがよくわかり参考になったが、枝廣先生の取り組みや考えやプロセスも知れて学びになった。もう少し事業会社にかける行動の仕方が知れるとよかった。

「ぶれない芯」「連携による継続」「システム思考」「見える化」の重要性がよくわかった。

[よかった点]中身が濃かった。現場の話は楽しい。

非常に参考になるプレゼンテーションとQ&Aであった。

バイオマスのトピックは少なかったですが、林業の担い手の話など幅広く聞くことができて有意義でした。

☆今日学んだことを、どのように活用したいと考えていますか。また、さらに学びたいことなどもありましたらご記入ください。

当社のCSR活動、方針を決めるために活用したい。

システムシンキング、ループをもとに打ち手を考えること、ゴール、評価指標をもってやることを自分の地域活性ビジネス提案に採り入れたい。

関係があるほかの地域の人たちに伝えていきたいと思います。そこからまた新しい「つながり」ができるといいな!

企業が(できたら儲かる)やり方、プロジェクトはあるか→まだすっきりしないので、もっと考えていく必要を感じた。

自治体の方々とのパートナーシップ構築に向けて取り組んでいきたいと思います。

もっと勉強し、実践し、シェア。

地域の危機感を再認識し、SDGsの理解を深める。

SDGsという考え方を業務に採り入れていきたいと思います。地域社会との連携には地域の財産をどう域内で回すのかを考えていきたいです。

ループ図は社内でもチャレンジしたいと思いました。

自分の仕事でも「ぶれない芯」をもって進めていきたい。

実プロジェクトで行政や地元と対話するときに活用したい。

「こういう場でチャンスが生まれる」ということなので、もっと積極的にこのようなイベントに参加してチャンスをつかんでいきたい。

自治体の方とのお話で、頑張っている下川町の話を例に出して、やる気を出してもらう。

今後の業務に生かしたい。下川町にはぜひ、ほかの同じ課題を抱える市町村を引っ張っていただきたい。

まずは現地(下川町)にぜひ伺いたいと思います。

SDGsを網羅的に取り込むのではなく、企業活動を整理する、ひとつのツールとして使う手もある。


次回のイベント・フォーラムの予定

 

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