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第32回 環境・CSR報告書、読者とのズレはなにか? ~「緑のgoo」解説:14年間の環境報告書読者リサーチ分析と最新動向から~(2014年11月12日(水)開催))

2014月10月08日 更新
開催終了レポート
 
開催日 2014年11月12日(水)
対象

イーズ未来共創フォーラム企業・団体パートナーさま、オブザーバーでのご参加希望のみなさま

ゲスト

エヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社 メディア事業部
コンテンツ企画プロデューサー 里見 明彦 氏
「緑のgoo」プロデューサー東 良一 氏

ファシリテーター

枝廣 淳子

参加人数

23名

開催レポート

title20141112.jpg DSC_0008a.jpg  

ポータルサイトgooを運営するNTTレゾナント「緑のgoo」プロデューサー東さまとコンテンツ企画提案チームの里見さまをゲストにお招きし、「環境・CSR報告書」の読者調査の動向・分析、またその内容や伝え方(コンテンツマーケティング)について、お話いただきました。

膨大な調査データから見えてきたもの、これからのレポートに求められるもの、どのように発信したら相手に届くのでしょうか。解説をふまえ、現状の課題と向き合いました。その上で、あらたに仮説を立てて考えるワークをおこなうなど、枠を拡げて考えるトレーニングもおこないました。

★2014年12月12日開催 <環境・社会報告書シンポジウム2014「気候変動への適応 ~異常気象に企業はどう備えるか?~」> にもエダヒロがパネリストととして登壇させていただきます★

 

<グループディスカッション> 自社の環境・CSR報告書についての共有

まず、自己紹介を兼ねて、自社の社外に自社取り組みを伝えることに関する悩み・壁を共有しました。

 <講演>

「環境・CSR報告書、読者とのズレはなにか? ~「緑のgoo」解説:環境報告書読者リサーチ分析から見る傾向~」

株式会社NTTレゾナント メディア事業部 「緑のgoo」プロデューサー 東良一氏

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今回の発表は、NTTレゾナントで14年間にわたり調査している、「環境・社会報告書読者アンケート」に基づいたもの。

 <環境・社会報告書読者アンケートについて:概要>

企業が発行する「環境・社会報告書」や「CSRレポート」が生活者にどの程度認知・理解され、何を期待されているのかを明らかにするため、約30,000人もの方々に行う読者調査。エコプロダクツ展の期間中に開催される、環境・社会コミュニケーションの今後の進め方を探る「環境・社会報告書シンポジウム」の一環として実施しています。

○後援 : 環境省、経済産業省、NSC  ○主催 : NTTグループ

 [国内調査]

  • 調査時期: 2013 年10 月
  • 調査対象: 環境goo 会員及び一般goo リサーチモニター
  • 調査手法: インターネット調査

[海外調査]

  • 調査時期: 2013 年10 月
  • 調査対象: イギリス、ドイツ、中国、マレーシアの一般モニター
  • 調査手法: インターネット調査
  • 調査機関
    協力:環境監査研究会、  IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
    集計・分析: 株式会社 リサーチ・アンド・ディベロプメント
    実施協力: 廣告社株式会社
    調査実施: gooリサーチ

<環境CSR報告書に対する日本での関心度>

環境goo会員、gooリサーチ会員とも環境問題への関心度は年々右肩下がり。属性や職種に寄らない全体的な傾向。なかでも会社経営者は、2009年は関心がないと答えたのは13.6%だったものの、2013年では、35.4%と大幅に増えている。また、報告書について「名前は知っているが目にしたことはない」という回答が増えている(2009年26.8%→2013年33%:gooリサーチユーザー(一般ユーザー))。

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(出典:NTTグループ・緑のgoo)

 

<読んだ報告書の形態>

ホームページに掲載されているPDF版報告書の読者は、HTML版や紙で印刷されたものよりも読む人が年々増加している。

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(出典:NTTグループ・緑のgoo)

<報告書の閲読目的>

全体的に、「環境やSRI・ESG投資に関する企業の姿勢や活動を知るため」「その企業に関心がある」など、特定企業への関心が報告を読む主な動機になっている。また、 SRI・ESG投資への関心については、「すでに株や債券を買っている、SRI・ESG投資に切り替えている」や「興味はあるがまだ投資をおこなっていない」と高い関心がうかがえる。

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(出典:NTTグループ・緑のgoo)

 <報告書の問題点>

「数値データで示されても評価できない」「専門用語が多すぎてわかりにくい」については多少の上下はあれど、一定数問題点があると感じている人が多い。
その他の「各社の内容や書式が異なり企業間の比較ができない」「良いことばかりが書かれていて客観的でない」についての数値は減ってきているため、企業努力が徐々に伝わってきているとおもわれる。

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(出典:NTTグループ・緑のgoo)

 

<信頼性のある報告書の条件>

「客観的なデータで示しているもの」、「良い面ばかりでなく、ネガティブ情報も記載しているもの」。また、「適切なタイミングで報告しているもの」との回答が増えている。

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(出典:NTTグループ・緑のgoo)

 

<より信頼できるために効果的な要素>

「第三者検証」への期待や「より具体的な資料や数値情報」が依然高い。一方、環境関連職従事者では有効な信頼向上策への迷いも感じられる。

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(出典:NTTグループ・緑のgoo)

 

<環境・CSRについて知るために効果的な活動>

効果的な活動として、唯一の項目で前年比を超えたのは、「環境・社会報告書などの冊子発行」。冊子の注目度は回復の兆しである。また、20代以下の若者層は「ソーシャルメディアによる情報発信」の支持率が顕著に高い(26.4%(2012年は選択肢なし))。

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(出典:NTTグループ・緑のgoo)

 

<企業の社会的責任として重要な課題>

「雇用」を重要視しているのはどの年齢層でも前年比より高くなった(2012年56.9%。2013年61.5%)特に若者層では切実な課題(66.5%)。逆にコミュニティ課題の取り組みと考えるのはどの層でも低い(2012年、2013年とも変わらず低い:12.4%)。
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(出典:NTTグループ・緑のgoo)

 

<優先度の高い情報項目>

環境関連従事者で優先項目の考え方が大きく変動している。
(人権に関する危機的状況、苦情解決、デューデリジェンスが前年より順位が上がり、雇用および雇用関係が下がっている)


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(出典:NTTグループ・緑のgoo)

 

<企業が公開する情報としての重要度 発行企業担当者と読者の比較>

「汚染の予防」については発行企業担当者と読者意識は変わらないが、それ以外の項目は乖離が見られる。この中で、「非常に重要」と考える項目は発行企業側では「人権」に関するものが多いが、読者は「消費者に関連する(身近な)項目」が多い。

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(出典:NTTグループ・緑のgoo)

 

<関心の高い環境問題>

PM2.5の影響もあり、「大気汚染」への関心度が急拡大。「温暖化」への関心もやや回復してきている。

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(出典:NTTグループ・緑のgoo)

 

<国際比較:関心の高い環境問題>

中国・マレーシアは「大気汚染」がホットな課題・中国では、「産業廃棄物」や「エコライフ」への関心も高まっている。

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(出典:NTTグループ・緑のgoo)

 

<国際比較:信頼性のある報告書の条件>

「客観的データ」と「ネガティブ情報の記載」は、ヨーロッパを含め、各国に共通した意見である。
中国、マレーシアでは「情報開示の基準」の透明性を重視する傾向も高い。

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(出典:NTTグループ・緑のgoo)

 

<国際比較:より信頼できる報告書の要素>

「第三者検証」の支持率は各国で高い。中国、マレーシアはNPO・NGOの役割への期待も。

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(出典:NTTグループ・緑のgoo)

 

<国際比較:取り組むべき社会的責任課題>

中国は「環境」と「組織統治」の課題意識が強く、「人権」はドイツ、「雇用」は日本が突出している。

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(出典:NTTグループ・緑のgoo)

 

<企業が公開すべきCSR情報>

中国では、「汚職防止」「プライバシー保護」の重視度も高い。
ヨーロッパでは人権関連課題、アジアは「意思決定プロセス」が上位、日本は「雇用及び雇用関係」が最優先情報となっている。

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(出典:NTTグループ・緑のgoo)

 

 <講演>

「結局、コンテンツが大事」戦略的なコンテンツ配信のススメ」
NTTレゾナント メディア事業部 コンテンツ企画プロデューサー 里見明彦氏

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環境・CSR活動を伝える手法として、Webコンテンツのあり方も見直すのもひとつの手。今回は、ユーザーと企業の関係作りのひとつ、コンテンツに着目し、どのように伝えていくのがよいのか、里見氏から解説いただきました。

1.問題提起

どうやって多くの人に読んでもらうか?

2.現状

読み手や、デバイス、媒体ごとに見せ方を変えていくのが望ましいが、現状詳しい人がいない、収益が見えないなどもあり、あまりお金がかけられない現状がある。

3.現状

その中で、普通なら、手軽に始められるところで、多くの人に読んでもらえるように、アドネットワークやリスティング広告などの"広告"を使うことが多い。

4.注目のうごき

最近、米国でも注目されているのは、"マグネティックコンテンツ"という発想。"マグネティックコンテンツ"とは、自社の商品を単にPRする"広告"というよりは、商品に関連する周辺情報を提供することで、多くの人に興味をもってもらい、魅力のあるコンテンツにする、という発想。

5.活用事例

例えば、土屋鞄製作所のように、皮の手入れ方法など、革製品を使う人、好きな人が必要な情報をコンシェルジュ的にコンテンツとしてWEBで発信し、結果、自社の鞄も見てもらえる機会を増やして成功している。

  • 事例

土屋鞄製造所

GEグローバルサイト

デルタ航空の機内アプリケーションサービス

<グループディスカッション>

  • 自社がCSR環境報告書を発行する目的は? (誰の、何を、どうしたいのか)
  • パターン1)自社の目的 
  • パターン2)こういう目的もありうる

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<グループディスカッション>

  • 決めた対象にもっとも効果的に伝えるとしたら?
  • 対象向け最強コミュニケーション/レポートを考える
    (投資家・株主/一般/社員/ユーザー)

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<グループディスカッション>

  • CSR/環境報告書は、どんな場面で読まれるか?
  • 誰が読んでいるのか?
  • その人の目的や期待は何か?

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<共創フォーラムメンバー 活動発表タイム>

<大和ハウス工業株式会社 置田さまより>

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~「環境報告書2014」のポイントと環境コミュニケーション~

大和ハウスグループでは、2000年に「環境報告書」を発行したのを契機に社会性報告の充実を図り、2005年から「CSRレポート」を発行。2012年からは環境の取り組みに特化した「環境報告書」と、パフォーマンスデータやサイトレポートを掲載した「環境データブック」を発行している。また、活動をよりわかりやすく伝えるツールとして、2014年9月より動画の配信もはじめた。

「環境報告書2014」は全46ページで、1,000部を7月に発行するとともに、Webサイトにも公開。

<主なポイント>
1)第三者意見に加えて、「有識者コメント」を掲載。信頼性・客観性の向上を図る。

2)CO2先導事例など先進的な取り組みを紹介した特集ページは、Webサイトや動画でも紹介。

『ア(安全安心)・ス(スピードストック)・フ(福祉)・カ(環境)・ケ(健康)・ツ(通信)・ノ(農業)』をキーワードに、次世代の商品やサービスを開発・提供している。カ(環境」では、暮らしの基本となる戸建住宅を中心に、街のあらゆる場所でエネルギー"ゼロ"の取り組みを推進。

  • 【住宅】生活の質を向上させながら、2020年までにCO2排出量と光熱費が「0(ゼロ)」となるエネルギー自給住宅の実現を目指す。
  • 【建築】「先進技術でエネルギーをカシコク使う」をコンセプトに、多様な用途の建物で環境配慮技術をパッケージ化した「D's SMART シリーズ」を開発、普及を推進している。
  • 【街づくり】「ネット・ゼロ・エネルギー・タウン」を実現し、地域ごとに特色あるスマートシティを全国で展開中。
  • 【メガソーラー】 自社遊休地などを活用したメガソーラーを展開している。

 ◆  大和ハウス「環境への取り組み

<HSBCグループ 大畑さまより>

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(内容についてはご希望により、割愛させていただきます。)


 <日本板硝子環境アメニティさま(会場ご提供)より、企業活動のご紹介>

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<新規パートナーさま:株式会社ビジネスコンサルタントさま>
株式会社ビジネスコンサルタントさまが2014年11月から新しくお仲間になってくださいました。


<事務局よりお知らせ>

次回フォーラムは、来年1月を予定しています。日程、内容が決まりましたらお知らせさせていただきます。

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(懇親会のようす)

参加された方の声から

☆本日参加して、よかった点、よくなかった点を含め、何でもご自由にコメントください☆

新しい視点でのCSR活動を知ることが出来た

環境gooの取り組みをふまえた説明で分かりやすかった

参加企業の発表は、それぞれ皆さんの取組が理解できてとてもよい機会となった

コンテンツマーケティングが少し難しかったです

考えたことも無いことを考える時間になりました

他業種の色々な立場からの意見を知り得た

役に立つ情報であったが、もっとCSR報告書の制作に絞ったセミナーにしていただいても良かったかもしれません

Groupでのディスカッションは有意義だった

時間の割にコンテンツが多かったので、もう少し絞っていただいた方が良い

3回席替えがあり、多くの人と接点が持てた

ターゲットが誰かという点についてワークショップで他社の取り組みをうかがえてよかった

環境にたずさわる方々と意見交換でき、今後の業務の参考になりました。弊社の報告書には第三者評価が無く、その必要性が社内に理解されにくかったのですが、今日の資料やセミナー内容を参考にすすめていきます

コンテンツの事例はあまり現実味をおびない話でした

討議workの時間がよかった。頭の整理になった

分析に加え、事例を交えた今はやりのあまりお金をかけなくて良いステークホルダーとの接点増加について聞けて、参考になった


☆今日学んだことを、どのように活用したいと考えていますか。また、さらに学びたいことなどもありましたらご記入ください☆

15年度のCSR活動に活用したい

他企業の皆さんとの情報交換や交流を通して互いの発展につながるような取組に繋げていきたい

統合報告の動向についてや、他社の環境コミュニケーション事例について

親会社ではなく弊社のCSRの切り口

他社様から色々なアイデアをいただいたので、社に持ち帰り検討したいと思います

ちょうど今、時期レポートを検討中なので、誰の為に、何の為にか参考にしたい

枝廣さまのファシリテーター技術を更に学びたいと思います

CSRと財務の総合報告について

コンテンツのアピール力強化につなげたいです

CSRのwebを見直しているので、本日のデータを参考にしたい


次回のイベント・フォーラムの予定

次回フォーラムは、来年1月を予定しています。日程、内容が決まりましたらお知らせさせていただきます。

 

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