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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2011年07月09日

「みんなのエネルギー・環境会議」設立のお知らせ (2011.07.09)

新しいあり方へ
 

自然エネルギーに関する「総理・有識者オープン懇談会」への参加については、メールニュースでもお知らせ・報告しました。
http://www.es-inc.jp/lib/archives/110616_111707.html
http://www.es-inc.jp/lib/archives/110619_082849.html

この懇談会の最後に、私はこのように発言しました。

> 今回は私たちが押し掛けてこの機会をつくってもらいましたが、国民が、国民の
> ために、国民として、こういった大事なことについて話をしていくことが必要で
> す。
>
> 特に自然エネルギーについてはとても大事だと思うので、そういった場を、私た
> ちのほうでもつくっていきたいなと思っています。そういった場に、皆さんに一
> 緒に参加していただけることを楽しみにしています。

「そういった場」について、この懇談会の前から、話し合いを進めていたのですが、準備が整い、昨日プレスリリースを出しました。

反/脱原発派も原発推進派も、自然エネルギー推進派も自然エネルギー懐疑派も、エネルギーについて詳しい人もそうでない人も、みなでオープンに日本や私たちにとって大事なエネルギーについて考え、話し、聞き、対話していこう、という場です。発起人の顔ぶれを見ていただいても、その感じが伝わってくるのではないかと思います。

プレスリリース文からご紹介します。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「みんなのエネルギー・環境会議」設立のお知らせ

                            平成23年7月 8日
                           幸せ経済社会研究所

■ 概要

この度、幸せ経済社会研究所(東京都世田谷区 所長:枝廣淳子)・一般社団法人APバンク(本社:東京都港区 代表理事:小林武史)・特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所(東京都中野区 所長:飯田哲也)・ピースボート(本部:東京都新宿区 共同代表:吉岡達也)は、日本のエネルギーの今後についてさまざまな立場や考え方の人々がオープンに語り、議論し、対話する場をつくることをめざし、設立発起人一同と共に「みんなのエネルギー・環境会議」を設立することとしました。

その最初のステップとして、2011年7月31日(日)諏訪東京理科大学(長野県茅野市)にて第1回「みんなのエネルギー・環境会議」を開催いたしますのでご案内申し上げます。

■ 設立発起人(50音順)

飯田哲也(特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所)
枝廣淳子(幸せ経済社会研究所)
岡田武史(日本サッカー協会)
橘川武郎(一橋大学大学院)
小林武史(一般社団法人APバンク)
澤昭裕(国際環境経済研究所)
澤田哲生(東京工業大学原子炉工学研究所)
茅野實(長野県環境保全協会)
吉岡達也(ピースボート)
吉岡斉(九州大学)

■「みんなのエネルギー・環境会議」設立趣旨

電力をはじめとするエネルギーは、あらゆる産業や企業の活動はもちろん、私たち一人ひとりの暮らしを支える「活力」です。

これまでは「電気代を払っていれば何の心配もなく好きなだけ電気を使っていい」と、“コンセントのあちら側”のことは気にしていなかった多くの人が、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、自分たちの使う電力の量やその作り方に対する意識と関心を持つようになってきました。「自分たちのエネルギーについて知りたい」「考えたい」「話したい」「変えていきたい」という思いが高まってきています。

日本のこれまでのエネルギー政策は、経済産業省を中心とする国が業界と調整をしながら作ってきました。その政策策定過程には、審議会やパブリックコメントなど、主に専門家を対象として部分的なヒヤリングの機会はあっても、広く私たち生活者の考えや意思に耳を傾け、政策に反映することはありませんでした。

生活者が自分たちでこの国のエネルギーについて考える際にまず知る必要のある「現状はどうなのか」「このままだとどうなるのか」「代替案をとるとどうなるのか」「それぞれのコストや負担額はどのような前提で計算されているのか」などの国民が素朴な疑問に対して、政策策定者や研究者たちがデータや予測、計算などの情報を開示し、質問に答え、議論を深めるオープンな場も、これまでありませんでした。

3.11後も、国の「エネルギー政策の作り方」は変わっていないように思われます。国と産業界が非公開のエネルギー・環境会議で、今後の日本のエネルギーのあり方についての方向性や政策を作ろうとしています。

その方向性や政策が、今を生きる私たち一人一人はもとより私たちの子ども・孫をはじめとする未来世代に大きな影響を与えるにもかかわらず、また、3.11を受けて国民の間にエネルギーに対する不安と関心が高まっているにもかかわらず、以前と同じく、国と産業界の調整だけで作ろうとしています。

私たちはこれから作られる日本のエネルギー政策が、我が国・日本の社会と将来を大きく左右するものになると認識しており、エネルギー政策を作るプロセスそのものを国民に開かれた場にしていきたいと思っています。

「みんなのエネルギー・環境会議」は、原発推進/反原発・脱原発、自然エネルギーの今後等について、「こうあるべき」という特定のスタンスを打ち出すためのものではありません。それぞれの観点についての賛成・反対を含め、さまざまな立場や考え方の人々がオープンに日本の産業や暮らしを支えるエネルギーの今後について、考え、語り、議論し、対話する場を作っていくことをめざします。

エネルギーについて考えることは、私たちがどのような豊かさを望むのか、未来の暮らし方をイメージするのか、を考えることでもあります。国民の参加と合意に基づく民主的なエネルギー政策をつくっていくとともに、エネルギーに関する議論それ自体が日本を真に幸せな民主主義国家にしていく一助になると信じています。

■ 今後の活動予定

7月 9日(土) 「みんなのエネルギー・環境会議」ウェブサイト開設       
       http://www.apbank.jp/meec

7月16日(土) apbank fes にて告知

7月22日(金) 記者会見、一般参加者募集開始

7月31日(日) 第1回「みんなのエネルギー・環境会議」開催

※以降「対話の場」として与野党国会議員、地方自治体首長・議員、産業界のリーダー、研究機関の研究者、NPOなど、幅広い人々の参加のもと、継続的に開催予定(Ustreamによる中継も予定しています)

※本会議の設立や活動については、持続可能性に関する日本の取り組みを英語で世界に発信しているNGO・ジャパン・フォー・サステナビリティの協力で世界に発信するとともに、世界からのフィードバックも国内に伝え、国際社会との連携も含めたグローバルな活動を展開していきます。

■ 記者会見のお知らせ つきましては、会議の設立趣旨、第1回会議のプログラムや登壇者等について、下記の通り記者会見を開催いたします。

1. 日時: 2011年7月22日(金)14:00〜15:00
2. 場所: kurkku(東京都渋谷区神宮前2-18-21)
3. 内容: 「みんなのエネルギー・環境会議」設立について

※参加者多数により、予定会場に収まらない場合は、会場を変更する可能性もありますので、記者会見に参加される方は、下記お問い合わせ先にEメールにて必ずご連絡をお願いいたします。

■ このプレスリリースに関するお問い合わせ
「みんなのエネルギー・環境会議」事務局
(環境エネルギー政策研究所 内)
担当 荻野
Email meec@isep.or.jp
URL http://www.apbank.jp/meec


※本リリースのPDFはこちらをご利用ください。
http://ishes.org/news/20110708mecc_release.pdf

【本リリースに関するお問い合わせ】

幸せ経済社会研究所(有限会社イーズ 内)
〒156-0055東京都世田谷区船橋1-11-12 産興ビル3F
電話:03-5426-1128 FAX:03-6413-3762
URL:http://www.ishes.org/
E-mail:inquiry@ishes.org

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

エネルギー政策を民主的に作っていくと同時に、エネルギーの議論を通じて日本の民主主義の質を高めていく「エネルギー・デモクラシー」の場ができたこと、本当にうれしく、わくわくしています。

ある人が説得・恫喝・泣き落とす・押し切るというスタイルではなく、立場や考え方の異なる人々がオープンな対話を進めていくというスタイル自体が、いろいろ大変なことは出てくるでしょうけど、いちばん大事なことではないかと思っています。

[No.1944] で、日経新聞論説委員の滝順一氏が「日経サイエンス」5月号の「砂漠の駝鳥」というコラムで幸せ経済社会研究所を取り上げてくださったことをご紹介しました。コラムの結びの言葉は、

>  答えがないのが現状だ。「答えがない、出そうもないと言って、問題から目を
> そむけていていいのか」。枝広氏は研究所設立の目的をそう位置づける。その通
> りだと思う。

エネルギーを考えるにしても、事故などのリスクや環境への影響、コスト、技術開発力、世界の地政学的状況その他、いろいろな要因が絡んできます。どの要因を重く考えるかは、人によって、または立場によって違うのですが、少なくとも、どういう要因があって、どこまでは共通認識で、どこが考えの違うところで、それぞれの考えの根拠や基準はどのようなものなのか、をひとつずつ、一緒に確かめていくことはできます。

そうする中で、できるだけ全体像を幅広く長い時間軸で考えたとき、日本のエネルギーについて、どういうビジョンが描けるのか、そのためのロードマップをどう引けるのか、そのためにいまそれぞれ(政府、自治体、企業・産業界、研究者、市民など)が何をすべきなのか、円卓会議式に話をしていけたら、と思っています。

プレスリリースにもあるように、7月31日(日)に第1回「みんなのエネルギー・環境会議」を開催します。一般の参加者の方に来ていただける枠も準備しており、こちらのウェブサイトにあるように、22日から募集を開始する予定です。
http://www.apbank.jp/meec

なお、会議の内容はすべて動画中継する予定ですので、日本・世界のどこにいらっしゃっても参加していただけます。ぜひご一緒に!

ある結論を最初から用意して、それを説得・押しつけるための会合ではなく、異なる意見の人たちと、落ち着いて冷静に自分を失わず、相手を失わせずに、話し合いをしていく場です。

「真の対話のための作法」という話を、最近の講演ではよく話すのですが、まさにそれが必要な、自分自身もそれを鍛えていく場に、と思っています。


※有限会社イーズは、2017年12月25日に移転いたしました。
この記事に関するお問い合わせ

 

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