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エダヒロの本棚

北極星を見つけよう!~あきらめずに歩き続けるための4週間プログラム~
翻訳書
 

アン・ブルース (著)、枝廣 淳子 (訳)
サンマーク出版

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あなたは自分自身を最大限活かしていますか?自分の心や才能、目標を広げ、自分のなりたい姿になるために、バランスをとりながら自分を一段引き上げる方法を教えてくれます。自分の北極星を見つけたい方、北極星に向かってどのように進んでいったらよいか悩んでいる方、4週間のメニューで一歩ずつ進んでいきましょう!

訳者あとがき

 それから、枝廣さんに別件でご相談があります。
 運命みたいに(!)枝廣さんにぴったりの本をフランクフルト・ブックフェアで見つけました。タイトルが'Discover true north' あなたの北極星を探す、というもの。
 ぜひ翻訳をお願いできないかと思っているのです。

 このようなメールが『朝2時起きで、なんでもできる!』シリーズや『人生に必要な荷物 いらない荷物』シリーズを担当してくれている編集者の青木由美子さんから届いたのは、ある冬の日でした。
「おっ! 北極星だって!? そう言われたらやるっきゃない!」
 テニスのボレーのようにすぐに「やらせてください!」と返事を出したのは、私も「北極星」について書いていたからです。

 ……「こうなりたい姿」=目標地点は、自分にとっての北極星のようなものです。道が遠ければ遠いほど、いつ振り仰いでも、明るくこうこうと光を放ち、導いてくれなくてはなりません。でないと、途中で不安になってしまいます。道に迷ってしまいます。どこへ行きたいのか、そもそもどこかへ行きたかったのかもわからなくなってしまいます。

……「目的=こうなりたい自分」が北極星のように力強くこうこうと輝いているとき、その目的は引力を持ち、その方向に引き寄せてくれます。それと同時に、「後ろから押してくれる」のが、マネジメントシステムです。最終的な目的地に向かって、道からそれないように、一瞬一瞬の取り組みをできるだけ目的地の方向へ向かわせること。リズムをつけて、小さな一歩一歩を祝いながら、進みつづける力を与えること。これがマネジメントシステムの「押す力」なのです。
              ――『朝2時起きで、なんでもできる!』より

 この一年、私が本書の翻訳を進めるのと並行して「自分のビジョンとマネジメントシステムをつくって、やりたかったことを進めよう、なりたい自分になろう」というコースを開催してきたことは、偶然の一致を超えた何かが働いているような気がします。コースでのインストラクターの経験が、翻訳に実感を添えてくれたと思いますし、本書から私自身が得たものも、とてもたくさんあります。
「歩き始める前に、どんな暗い道でも落ち込んだときでも、こうこうと引きつけてくれるよう、北極星をできるだけパワーアップさせるこがカギです」と『朝2時』に書いたのですが、本書はまさしく「自分の北極星を見つけ、現実のものにするためのパワーときっかけ、ノウハウ」を提供してくれます。
 最近、私が「北極星」について考えていることは、「北極星を感じられる心を、自分でどうはぐくんであげるか?」です。高い空か、はたまた深い心の中か、私たちひとりひとりそれぞれの北極星が手招きしているはずです。それは「世間」「会社」「政府」「テレビ」「まわりの人たち」などが与えようとする、「自分の外」にあるものではなく、「自分の内」からささやきかける声です。
 その声が聞こえている人もいるけど、聞こえない人もいる。私だって、その声が聞こえるときもあるけど、聞こえないときもあった……。たとえこうこうと北極星が輝いていても、その北極星を映し出す鏡のような心がないと、北極星を感じることができません。「北極星をパワーアップする」とは、とりもなおさず、「北極星を感じられるよう、自分の心をはぐくむこと。北極星を映し出せるよう、心の鏡を磨くこと」なのだと思います。
「心の鏡を磨く」といっても、たわしに洗剤をつけてゴシゴシ……ということではなくて、柔らかい布でそっとふいてあげる。ほこりやゴミやしわがついちゃっている疲れた心を、ゆっくりさせてあげる。リフレッシュできるよう、マッサージしてあげる。
 いろいろ試してみて、自分に合った「心のお手入れ」を見つけてください。そして、いつも北極星が映るよう、どんなときでも北極星が感じられるよう、柔らかくしなやかな心でいられるといいな、と思います。
 自分の経験を振り返っても、「会社」や「仕事」や「家事」や「PTA」や「その他やらなくてはいけないこと」という、高速で回るベルトコンベヤの上で、振り落とされないよう、つまずいて転ばないよう、ひたすら目の前を見つめて走りつづけているときには、とてもじゃないけど、「北極星を感じよう」なんて気分にはなれません。そんな余裕のない自分でいることにも気づかない(気づけない)ことすら多いのです。
 そんなときは、自分に「タイムアウト!」とタオルを投げてあげられるといいですね。ベルトコンベヤを止めてしまうことはできないけど、「ちょっと休憩」できる時間を持つこと。そのためには、「休憩時間」をあらかじめ決めておくのがコツです。ベルトコンベヤの上で必死で走っているときには、「休憩しよう」とはなかなか思えないからです。ベルトコンベヤに乗る前に、走り出す前に、「このときに休憩を取る」「こういう状態になったら、一度コンベヤから降りる」と、自分で決めておくことです。
 そして、その時間にほっと一息ついたら、本書などをガイド役に、「私って、本当は何がやりたいんだっけ?」「自分は何のために生まれてきたのだろう?」と考えてみる。自分の興味のあること、熱い思いを燃やせることを、自分の時間の大部分を使う仕事(有償でも無償でも)につなげていく。
 そんな小さな小さな時間の積み重ねが、「ああ、いい一生だったなあ」と言える人生最後の日につながるんじゃないかな、と思っているのです。
 だれもが、それぞれの北極星を見つけ、そのプロセスを楽しみつつ、進んでいけますように!

 温泉リゾートホテルでゆっくりと「一年の計を立てる」ワークショップに出かける日に

 二〇〇五年一月
枝廣淳子

 

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