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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2011年03月16日

デア・シュピーゲル誌サイト「福島原発の放射能雲の動き」シミュレーション画像(2011.03.16)

 

昨日、MLやツイッターで「こんな画像が出ている!」と、ドイツのニュース雑誌「デア・シュピーゲル」サイトの動画のことを知りました。

すぐに記事を見に行きましたが、ドイツ語のため「……」(涙)だったのですが、ときどきこのメールニュースにスイスから記事を寄せてくれる穂鷹さんに「この動画の説明を日本語で教えてくれませんか?」とお願いしたところ、快く記事の関連する部分を訳してくれました。

おかげで、みなさんにもお伝えすることができます。(少しでも日本に伝えたいと、私も含め、専門家ではない方々に急いでお手伝いいただいているので、用語その他ミスがありましたらご容赦下さい)

この動画は、オンライン雑誌、デア・シュピーゲルのサイトに昨日でた記事の動画の部分でした。この雑誌は「1947年創刊された、ドイツだけでなくヨーロッパでも発行部数が最大のニュース雑誌で、2010年97万部以上を発行する、世論を左右する有力なメディア。政治問題はもちろん、ドイツ自己の歴史を検証するナチの歴史研究についての記事も多く、進歩的な雑誌と評されることが多いようです」とのこと。

では以下、穂鷹さんからの情報提供です。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

3月15日 日本の天気予報

風が放射能雲を東京方向に向かわせるMarkus Becker

http://www.spiegel.de/wissenschaft/natur/0,1518,750988,00.html

日本の天候状況について、専門家の間で懸念が広がっている。

数時間前より、原発からでた放射能が風に吹かれて東京方向に動いている。気象学者たちは、風向がもうすぐ変わり、太平洋の方向へ吹くことを願っている。

強い地震と壊滅的な津波、原発の連続的な爆発、そしてさらに、よりによって、福島原発が破損した時に、例年のこの時期にはめずらしく、風が北東からの風にかわった。これにより、気流が原発からもれたものすべてをとりこんで、3千5百万人の人口を抱える東京に向かっている。

アメリカ気象庁NOAAによると、北東の海岸の風は、夜8時から、つまり日本時間の火曜早朝4時 から北東の風に吹く。12時間後に東風に変わり、原発から放出されたものはさらに内陸に入っていく。やっと正午か午後になって、風がまた西にかわると思われる、とドイツ気象局の気象学者は、本誌のインタービューで述べた。

ウィーン気象地球力学中央院ZAMGの最新モデル計算によると、原発の気流は原発の放射能をちょうど240キロ離れた東京に運んだと考えられる。放射線がそこでどのくらい強いものになるかは、原発からどれくらいの量が放出され、風がこの首都にどれだけの量を運んだかによって異なる。

やっとドイツ時間の火曜の夜になって(日本時間の午前3時)、ウィーン気象地球力学中央院によると、風は東京から、太平洋にぬけることになる。図を参照(太平洋側に放射能雲が流れていく一画像 穂鷹注)

図とクリックすると、動画がスタートします(これが話題になっている動画です。クリックしてみて下さい 枝廣注)。
http://www.spiegel.de/images/image-191816-galleryV9-nhjp.gif

放射能雲が東京方向に移動している。どれだけの放射線量であるかは、福島原発からどれだけ放出されたかによる。

風が時速10〜20キロという遅いものだと想定しても、福島原発からでた放射能が東京に届くのに十分な時間があった。火曜の測定で、それが証明されたかのようにみえる。東京から北100キロのところでは、放射線が通常より10倍まで高い数値を示した と、共同通信は、自治体の観測結果を引用して伝えている。

東京では、火曜のNHKによると、通常の22倍の高さであり、アメリカ軍によると、東京よりさらに南の横須賀でも少量の放射線が観測されたという。

過去数日間、最悪の事態をまぬがれるため、技術者が破損した原発のなかの放射能をふくむ蒸気を炉からにがすことを何度も試みたが、この間に原発をめぐる状況は劇的に深刻化した。(後略)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

穂鷹さん、ありがとうございました!

これまでも、引用や転載に関する問い合わせメールをいただいていますが、必要と思われる情報はそれぞれのご判断の上、引用・転載くださってけっこうです。ただ、どの情報も「その時点での情報」であって、のちに修正・追加等される可能性がある情報であることをご理解・ご明記いただければ幸いです。

「一面的な情報を断片的に出すことは慎むべき」などのご意見もいただいているのですが、1つのメールニュースや1つの情報だけを取り上げるのではなく、いろいろな情報の流れから、それぞれが必要・大事だと思うことを読み取り、判断していただければと思います。

水の流れと同じです〜。1滴1滴は「一面的で断片的」かもしれないけど、流れとして見て下さいー(それ以外、伝えようがないですので〜!)。私が伝える情報の読者の方々、そしてそれを中継してさらに伝えて下さる方々は、そのことをご理解の上、よろしくお願いいたします。

そして、世界からの情報を日本に伝えるために、英語以外で「私は○○語ができます!」という方がいらしたら、よかったらこのメールの返信でもお知らせいただけたらうれしいです。

 

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