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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2009年02月10日

WWF ジャパン気候変動プログラム小西雅子さん:CANJ ポズナニ報告会「次期枠組み交渉について」(2009.02.10)

温暖化
 

昨年12月1日から12月12日まで、ポーランド・ポズナニで、国連気候変動枠組条約第14回締約国会議(COP14)及び京都議定書第4回締約国会合(COP/MOP4)が開催されました。

会合の様子は少しは報道で伝えられましたが(こういった国際会議に通訳者として参加していた経験からも)、マスコミを通して伝わるのはほんの一部で、表面的なところが多いため、実際に参加されたWWFジャパン気候変動プログラムの小西雅子さんからのレポートを読ませていただき、とても勉強になりました。

小西さんのご快諾を得て、お届けします。途上国が自ら出してきた削減目標、ぜひごらん下さい。国際交渉の進め方や、日本がどのように動いたのかもわかります。。。(※メールでの読みやすさのため、原文にない改行を入れています)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

CANJ ポズナニ報告会「次期枠組み交渉について」
WWF ジャパン気候変動プログラム
小西雅子

2009 年1 月9 日

ポズナニ会議における「次期枠組み交渉」について

 2008 年12 月13 日、2 週間の会期を終えたポズナニ会議は閉幕しました。

 ポズナニ会議では、本来、先進国が次期枠組みにおいて削減するべき範囲について合意することになっていました。しかし結果から言うと、京都議定書AWG において、日本、カナダ、オーストラリアなど先進国側が強く抵抗し、この話し合いは、2009 年3 月に開催される予定の臨時会合に持ち越されました。

そして、条約AWG では、途上国の次期枠組みにおける削減行動や、途上国の悪影響に対する資金サポート、技術を移転するサポート、森林減少を防止する仕組みなどの話し合いが行われました。日本などの先進国は、「主要な途上国は次期枠組みにおいて削減行動を国際的に約束するべきである」との発言を繰り返しましたが、途上国側からは、「まず先進国が自らの削減目標を発表するべきであり、途上国の削減行動は、先進国からのサポートの方法を先に話し合ってからであるべきである」と、議論は平行線をたどりました。

結論としては、各国政府が2008 年に提案してきた内容を、一つの文書にまとめて、それをもとに、2009 年に議論の一致点を見出しながら、6 月には、交渉の元となるテキストにしていくということになりました。この文書は、会議後にはなんと120 ページの分厚さになりました。

 ポズナニ会議は、あまりにも遅々としたスピードでもどかしい限りでしたが、それでも2009 年末に次期枠組みの合意に達することができうる最低限の2009 年度の作業計画にはなんとか合意することができました。時間はありません。京都議定書の約束期間が終わるときに次期枠組みがスタートするためには、だらだら意見を言い続けた2008 年の議論モードから、一気に真剣な交渉モードに持っていかなければなりません。

条約AWG(AWGLCA)報告

 条約AWGは、京都議定書に加盟していないアメリカや、議定書の元で、削減約束を持たない中国、インドなどの主要途上国を巻き込んで、次期枠組みを議論する場です。2007 年末のバリ行動計画において、アメリカを含めて先進国の削減約束を議論する項目と、途上国の削減行動を議論する項目が規定されたものです。

 ポズナニ会合の条約AWG前には、これまで2008 年中に3 回開催された会議で議論されてきたことをすべてまとめた議長のアセンブリー(編さん)ペーパーが用意され、そのペーパーにさらに各国提案を加えていく形で、議事が進行しました。次期枠組みの骨組みを作る作業ですから、81 ページもある膨大なペーパーです。

世界で共有するべきビジョンの描き方

 一週目には、条約AWGにおいて、「世界が共有すべきビジョン」についてのワークショップが開かれ、長期目標をはじめとして、次期枠組みにおいて共通の原則となるべきことについて話し合われました。

ワークショップの意見交換を受けて、そのあとにコンタクトグループが開かれ、議論が行われることになっていましたが、結果として、途上国側の強い反対で、コンタクトグループの時間を短くされ、90 分だけ開催されるにとどまりました。

この中で、日本政府は、G8の成果として、「2050 年世界で半減目標の共有」を国連の場で正式に議題にしようと、強調していました。しかし途上国政府は、次期枠組の共有ビジョンとしては、途上国が低炭素型の開発ができるような技術移転や資金援助の仕組みを描くことが一番の目的であると主張、議論は平行線をたどりました。

EUは、「主要な途上国では国内においてすでに多くの排出抑制目標などの対策法をとっている、それを国際的に議論していこうではないか」とソフトなアプローチで、途上国の行動を促したのに対し、日本政府は、「途上国にも法的拘束力のある効率目標や全体目標を持つべき」と主張し、途上国政府の反発を強く招いていました。

途上国からの積極的な提案

 2 週目が始まって、条約AWGの下に設置された4 つのうちの、3 つのコンタクトグループ(緩和、適応、技術移転)が開催されました。その一つ緩和(排出削減)のコンタクトグループでは、途上国の削減行動に議論が集中しました。

 途上国側の削減行動は、バリ行動計画で、「その国の状況に応じた適切な削減行動」をとる(nationally appropriate mitigation action(省略してNAMAs と呼ばれている) と規定されています。

 このポズナニ会議の開催に先立ち、各国はそれぞれ提案を出していましたが、あまりにも膨大な量になるので、共通点を見出しては、意見の集約を図っていく必要があります。期せずして、南アフリカと韓国は、似た仕組みを提案してきました。

それは「途上国が自主的に削減行動を登録する場を、気候変動枠組み条約の元に設置する。その削減行動に対して、先進国が資金的、技術的サポートを行うことによって、途上国の削減行動を実現する」というものです。違いは、韓国提案が、先進国が途上国の削減プロジェクトからの削減クレジットを購入するという拡大CDM の形であるのに対し、南アフリカ提案は、途上国の持続可能な政策による削減効果を資金援助の形でサポートするという点です。

 議長は、南アフリカと韓国に対して、「仕組みを統合して共同で提案を作ってはどうか」と誘い水を向け、この登録制度にやや似た仕組みを提案しているアルゼンチンに対しても参加を呼びかけ、その他に興味のある国も参加するよう奨励しました。

 途上国の削減行動をいかに次期枠組みに入れ込むかは、大きな柱の一つです。2009 年末のコペンハーゲン会議に向け、議論をなんとか集約し、方向性を見出し、加速していきたいという議長の意気込みが感じられるセッションでした。

出来上がった下文書と2009 年度の作業計画

 結果としては、今回の条約AWG で議論された共有ビジョン、緩和、適応、技術移転に関する新たな提案を、議長が当初用意したアセンブリーペーパーに加え、新アセンブリーペーパー(121 ページになった)を作成することで終わりました。これを元に、議長が、各国の意見の一致するところをまとめ、異なる点を併記した下文書を、2009 年3 月の次期会合までに用意する予定です。その下文書をさらに次期会合でたたいて、コペンハーゲンで採択すべき交渉テキスト作成へと向かう予定です。

 また、今回のポズナニ会合において、最大の課題と目されていた今後の作業計画も、条約AWGでは比較的スムーズに決定されました。おおまかな流れは以下の通りです。
① 2009 年1 月25 日までに各国からのさらなる提案を受け付ける
② 2009 年3 月にドイツのボンで開催される次の会合までに、議長が新アセンブリーペーパーをもとに、各国の意見の一致するところをまとめ、異なる点を併記した下文書にすること
③ その文書を元に、3 月会合でさらに議論を重ねる
④ 2009 年4 月24 日までのさらなる意見の提出をもとに、6 月の会合で、いよいよ交渉ドラフトテキストの形で提案できるよう議長が準備する。

 今回の121 ページの新アセンブリーペーパーは、コペンハーゲンで採択すべき交渉テキストの土台作りとなるわけです。

 国際交渉は、通常以下のステップで行われます。
① アイデアを出す段階
② アイデアを元に議論する
③ 各国の意見の違いを調整しながら交渉用のドラフト(下書き)テキストの形に落とす
④ ドラフトテキストを元に本格的に交渉する
⑤ 最終テキストに合意し、採択する

 その意味では、条約AWG の2008 年は、1 年間かけて上記①から②のアイデアを出しあい、議論を続けてきたという初期段階で、ポズナニ会合で、やっと文書に落とし込むことができたということです。2009 年には、議論モードから早く本格的な交渉に入らなければなりません。

新アセンブリーペーパーは、③の交渉用のドラフトテキスト作りの土台となるもので、今回決まった作業計画では、その後の交渉用のドラフトテキストの作成、そして、それをもとに実際の交渉を行なうという2009年の道筋はなんとか確保されたといえます。

京都議定書AWG(AWGKP)報告

 議定書AWGは、附属書1 国(京都議定書に加盟している先進国)の次期目標を決める場で、条約AWGよりも2 年早く設立されたため、議論がより具体的に進んでいます。この議定書AWGでは、まず次期目標を達成するための手段(CDM などの京都メカニズムや、吸収源など)について話し合ったあと、先進国全体の目標の範囲について合意することになっています。

 しかし、これまでの会議では、手段について、議論すべき膨大なリストが作成されただけで、具体的な項目についての実質的な議論はほとんど進んできませんでした。今回のポズナニ会議では、本来は、手段の洗い出しを受けて、先進国全体の削減範囲に合意することになっていました。

附属書1 国の次期目標の範囲に合意すべきだったが???

 もともと、先進国が次期目標とすべき範囲というのは、2007 年に発表されたIPCCの第4 次評価報告書で気温上昇を危険な閾値2 度未満に抑えるために必要な範囲(先進国全体で2020 年に1990年比で25%から40%削減)ということがすでに示されています。また、バリにおける議定書AWGの合意文書の中にも、「この範囲が必要であることを認識する」ということがすでに入っているので、ポズナニにおいては、この範囲についてさらに共通認識を強固にしていく必要がありました。

 一週目に開かれた緩和のコンタクトグループでは、案の定、日本をはじめとするオーストラリア、カナダなどのアンブレラグループは、具体的な目標数値の範囲を入れることに大反対です。日本はさらに基準年を現行の議定書の1990 年から、各国政府が複数年の中から自由に選べる形を提案、削減率で目標を持つのではなく、実質削減量で持つべきなどの主張を展開して、議論を混迷させました。

EUは、すでに2020 年に単独では20%削減、他の先進国が追従する場合には30%という目標を持っていますが、その数値が国内削減だけではない点について、疑問が呈されていました。途上国政府は、次々と発言して、歴史的責任や途上国の開発優先の権利を主張して、先進国側がまず削減範囲を明らかにして、先進国がリードする姿勢を示せと、強く迫っています。特に日本の場合は、自らの中期の削減目標を明らかにしない中で、途上国に行動を迫っている点が、交渉を難航させていました。

消極的な先進国の姿勢

 京都議定書AWGは、2 週目に入ると、ほとんどの交渉がインフォーマル会合に移され、NGOメンバーも傍聴できない中で、進められていきました。

 一週目の最後に出された議長テキストには、バリ合意の「IPCCが示した先進国の削減幅25 から40%という情報を認識する」という表現よりも「IPCCが示した先進国の削減幅25%から40%という情報を踏まえるべきである」という強い表現が入っていました。

 しかし、月曜日に示されたテキストには、この数値を入れた段落すべてが削除される可能性が出てきた挙句、最終的には「認識する」に戻っていました。

 結局、各国代表により、水面下で何度か激しくインフォーマル会合が行われた結果、バリ行動計画の表現をそのまま使ったものになり、バリ会議のときから進展がなく、かろうじて後退を免れたということです。

 結果として、ポズナニ会合では、先進国全体としての次期目標の範囲に合意することは出来なかったわけですから、「ではいつ、①全体としての範囲に合意し、もっと先の②各国別の次期目標の提示、交渉に入れるか」という2009 年の作業計画に焦点が移りました。

2009 年に向けた作業計画

 今回のポズナニ会合で、実質的に最も成果をあげなければならなかったのは、2009 年の作業計画の決定についてです。世界がアメリカのオバマ政権の参加を待って交渉を停滞させている中、2009年末までに合意に至るために必要な、しっかりとした日程と内容のつまった作業計画を成立させることは、今回のポズナニ会合における議定書AWG の最大の課題でした。

 しかし、自国の次期目標の発表の準備ができていない日本をはじめとする先進国グループ(アンブレラグループ)の反対で、交渉は難航。結局、中期目標を発表する時期について、言葉を曖昧にすることで決着しました。最初に議長が出した作業計画のドラフトでは、「2009 年2 月15 日までに各国から、附属書1 国(加盟している先進国)全体の削減幅、森林吸収源、法的解釈などについて提案を募り、3 月のボン会合において、先進国全体の削減幅と、各国別の削減目標を提出する」ことになっていました。

しかし、日本を始めとするアンブレラグループの強い反対によって、その表現は「次期目標に関する情報を提出することを招く」と弱められてしまったのです。これは、日本など、まだ次期目標を発表したくない国に、検討状況を報告するだけでよいという逃げ道を作ったことになります。

 また、2009 年3 月の次期会合では、「附属書1 国全体の温室効果ガス排出削減幅と、各国別の削減量について」のワークショップが開催されることになりました。

 大まかに言うと、2009 年の作業計画は
① 3 月臨時会合(第7 回AWGKP)までに、附属書1 国全体の削減幅と、各国別の数値目標に関する情報を、出来る国は提出することを招く
② 3 月臨時会合までに、議長は削減幅や手段などについて、文書(note)を用意する
③ 3 月臨時会合の前後のどちらかに、削減幅に関するワークショップ開催し、3
月会合で、附属書一国全体の削減幅に合意する
④ 6 月定例会合(第8 回AWGKP)
⑤ 8 月臨時会合(第9 回AWGKP)
⑥ もう一回臨時会合?(第10 回AWGKP?)
⑦ 12 月コペンハーゲン会議

 結局、6 月の会合までにテキストの形(骨組みだけでも)ができあがり、コペンハーゲンで合意に達するために必要とされる最低限の作業計画はできあがったことが唯一の成果といえるでしょう。

 こうして、CDMや適応基金などの議題が閣僚級会合に一部残されたものの、肝心な2 つのAWGは、閣僚級会合が始まる前に終幕という異例の幕切れとなりました。それは裏返せば、実のある交渉がなかったということで、いつ交渉するかの作業計画を決めるだけが精一杯だったということです。

閣僚級会合報告

 12 月11 日、12 日には、各国の大臣級が参加するハイレベル会合(閣僚級会合)が始まりました。この会合では、各国大臣のスピーチが行なわれる本会議場とは別に、午後4 時からは、「共有ビジョン」に関するラウンドテーブルも開催されました。

途上国が掲げた国内削減目標

 本会議場でのスピーチは、各国大臣の順番も決まって、スピーチもあらかじめ準備されたものですが、ラウンドテーブルでは、あらかじめ、緩和、適応、資金にわけて6つの質問が用意され、各国大臣が自由に発言する形式で行なわれ、注目を集めました。

 世界の100 カ国あまりが発言した中、目立ったのは、主要な途上国が「国内削減目標を持つ」ことを発表したことです。メキシコは2050 年までに50%減、南アフリカはすでに発表していた通り2020年から2025 年までに排出を減少に転じさせ、2050 年に50%減、 パプアニューギニアは、2020 年までに50%減し、2050 年にはカーボンニュートラルという野心的な目標を発表しました。

 それに比べ、EUと他のヨーロッパ諸国を除いた他の先進国各国は、今回の会議で「次期枠組における先進国全体の削減目標の範囲に合意する」はずになっていたにもかかわらず、消極的な姿勢に徹し、いずれも中期目標を発表しませんでした。 日本は、「2009 年のしかるべき時期に発表する」といったのみ。カナダ、オーストラリアとともにアンブレラグループと呼ばれるこれらの国々は、会議の最後まで交渉に後ろ向きで、世界400 団体のNGOの集合体、CANから「交渉を妨げる国々」に贈られる「化石賞」を、会議期間中、何度も受賞することになりました。

 このような展開に対し、ベネズエラや南アフリカといった国々は、途上国側を代表し、「途上国はすでに大変な温暖化の被害に苦しんでいる。今起きている温暖化に責任のある先進国が、40 年以上も先の2050 年の削減目標だけに熱心で、現実的な2020 年の目標をないがしろにしているのは許せない」と、抗議する発言を行ないました。

 その他に特筆すべき発言は、スウェーデンが「適応(温暖化の影響への対策)のため、5 億ドル拠出する」と発表したことです。

ポズナニ会議全体評価

 今回のポズナニ会合は、前進と呼べる内容はなく、条約AWGと議定書AWGで、2009 年末のコペンハーゲン会議へ向けた作業計画だけが確保される形で終わりました。世界は、結局、アメリカ次期政権を待っているので、ポズナニ会合においては、アメリカが国際交渉に復帰したときに、コペンハーゲンにおける次期枠組みの合意が可能である道だけは残すが、今は何も約束しないという先進国側の態度が招いた結果といえます。

 ただ、今回決まった作業計画は、議論に終始した2008 年から、本格的な交渉に入る形が整ったことに意味があります。というのは、二つのAWG ともに、議長に交渉テキストを作成する指令を明確に与えていることは、腰の重い国も、いやおうなく交渉に突入していかなければならないからです。

 そもそも、議定書AWG における進展は、次期枠組み交渉の中で、先進国が積極的に削減へ向けてのリードをとるという大きな象徴的な意味があるので、本来はまずここで科学に基づいた合意が示されることが、交渉を進める鍵です。

しかし、特に日本、カナダ、オーストラリアは、交渉の足をひっぱり、自国の中期目標を明らかにしないばかりか、全体幅の合意にも強く反対し、先進国の消極性を印象付ける結果となってしまいました。その上、日本やオーストラリアは条約AWG において、途上国の削減の必要性ばかりを声高に主張し、反発を招きました。

また、今まで温暖化の国際交渉を引っ張ってきたEU が、金融危機に足を引っ張られて域内の不協和音が大きくなり、ちょうどポズナニ会期中に行われた域内のエネルギー政策パッケージの発表に手をとられて、ほとんどその存在感がなかったことも大きく影響しました。

 会議の最後まで残った適応基金のための『収益の一部』徴収制度を、CDM以外の他の京都メカニズムに拡大する議論でも、途上国が切実に必要としている適応への支援にも先進国側が消極的であることが強調される結果となり、途上国側の強い不満が噴出しました。温暖化の被害をすでに受け、早急に資金を必要とする途上国側と、各国別の削減目標をアメリカの政権と主要途上国の動向次第とし、なおかつ途上国への資金提供に極めて消極的な先進国側との対立。これを解きほぐすのは、まず先進国側からの提供しかありません。

 日本は、アメリカの後ろに隠れるのではなく、2009 年の早いうちに自らの野心的な中期削減目標を発表して、まず自らが行動することを宣言するべきです。そして、次期枠組みにおける資金や技術移転などの仕組みを提案してから、途上国の削減行動を促していくべきです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今年は12月のコペンハーゲンでのCOP15に向けて、いろいろな会合が開催されながら、形を作っていく1年となります。世界の動きに目が離せないと同時に、日本がその中で置いていかれないよう、中期目標の設定にしても排出量取引制度にしても、しっかりやっていかなくては!ですね。

 

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