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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2006年01月31日

エネルギー革命の可能性:「ECaSS(イーキャス)」という蓄電装置(2005.02.14)

日本のありもの探し
 
土曜日のカフェスローでの「ドミンゴ」創刊記念パーティーは、50人ぐらい来てくれるかな?という主催者の予想を大きく上回り、120人ぐらい来て下さっていたそうです。http://www.gihyo.co.jp/magazines/domingo/ Yaeさんの素敵なライブと、3人のトークでした。ずらりと立ち見の方に取り囲まれるように、私もお話をさせていただきました。あと『非戦』のチームメートでもあり、よくこのメールニュースにも登場してくれる田中優さん。それから、スロービジネススクールをはじめ、もうじき第2期が始まるという中村隆市さん。http://www.windfarm.co.jp/sbs/ ちなみに、優さんも私もスロービジネススクールの講師に名を連ねています。(私はまだお役に立っていないのですが......) 優さんのトークで、力を入れて紹介してくれた「エネルギー革命」を引き起こす可能性があるという新しい技術をご紹介します。優さんが理事長をなさっている「未来バンク」のニュースレターに、優さんが書かれた原稿からです。(未来バンクはこちら:http://homepage3.nifty.com/miraibank/ ) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「ECaSS(イーキャス)」という名の蓄電装置 田中優 ぼくは未来バンクの理事仲間から、「ゆうさんは詐欺師だ」と言われたりします。「悪い意味ではなくて」と言われても、いい意味の「詐欺師」があるんでしょうか? でもあるとしたら、ぼくが新たな解決策を本気で考えて、本気で実現しようとする点なのかも知れません。今回紹介する蓄電装置、キャパシタ(コンデンサの一種です)も、ぼくの輝かしい「詐欺師歴」に、新たな1ページを加えるのかも知れません。 これはECaSS(イーキャス)という商品名の蓄電装置で、とんでもない可能性を持つものです。実際に会社を見学してきましたので、その特徴を紹介したいと思います。 ・バッテリーが4年で寿命になるのに、キャパシタは物理的な寿命まで使えること
・急に大きな電圧を出すことはバッテリーにはできないが、キャパシタには可能なこと
・充電時間はバッテリーでは数時間かかっていたが、数秒で足りること
・バッテリーの入力と出力の損失率は40%近いのに対して、キャパシタはわずか5%程度であること
・バッテリーは敷居があって小さな電気を少しずつ入れることができないのに対して、キャパシタには敷居がないのでわずかな量を少しずつでも入れられるので、自然エネルギーに向くこと
・バッテリーは寒いと使えないが、キャパシタはどんな過酷な場所でも使えること
・唯一の欠点であった、キャパシタは大きくなりすぎる点についても、新たなナノゲート方式では通常のバッテリーサイズにできたこと
・活性炭とアルミが主たる素材のため有害物質を含まず、量産化されれば安価になること これはエネルギーの革命です。これまで電気は貯められないから困っていたのです。なぜ莫大な発電所を造らなければならなかったかと言えば、電力消費のピークに電気が足りなくなると停電してしまうので、余分に造らざるを得なかったためです。実際の電力消費を平均してしまうと、発電所の42%は不要です。ところが電気が貯められないために、発電所を造らなければならなかったのです。 しかし、以上の特徴を備えたキャパシタができたらどうなるでしょう? 発電所の42%は不要になるのです。原子力発電所は事故があれば多くの人が死ぬけれど、それでも「必要悪」として認められてきたわけですが、このキャパシタが実現すれば、発電量に対する原発の比率は23%程度ですから、一基もなくても電気に困らないことになるのです。 「電気は貯められない」と言われても、バッテリーだってあるだろうと感じるかも知れません。しかしバッテリーは上に書いたように寿命が短く、しかも戻せる電気はわずかだったのです。揚水発電所という蓄電の仕組みもあります。しかしこれでも戻せる電気は7割だけで、3割はロスで消えてしまいます。86%を 戻せる「NAS電池」というのもありますが、それは爆発性の液体を使うのです。だから「電気は貯められない」と言われていたのです。 以前に省エネ製品の効果について、このニュースで紹介したことがあります。ものすごい省エネ製品が開発されたおかげで、家庭内の電力消費はこれまで通り暮らしたとしても半分まで減らせると。家庭内の電気の三分の二を消費する四天王(エアコン・冷蔵庫・照明・テレビ)を省エネ製品に換えると、少なくとも半分には減るのだと紹介しました。 これを太陽光発電パネルの広さに直すと、わずか8畳間一つ分の広さなのです。それだけの屋根の広さがあれば電気は自給可能で、戦争して石油を奪ったり、死ぬかもしれないけど原発を利用したり、地球温暖化に耐えながら火力発電をしたりする必要はなくなるのです。 しかしこの話には困難がありました。発電は日中にされるのですが、家庭が電気を使うのは朝晩で、特に夜に使うことになるのです。すると昼間発電した電気を電力会社に売り、夜は電力会社から買うしかありませんでした。昼間の電気は不足するので、電力会社も高く買ってくれていたのですが、今後は安い価格でしか買ってもらえなくなる状況になってきています。つまり電力会社の胸先三寸にかかってしまっていたのです。 しかしこのキャパシタが実現されたら、自宅に太陽光発電とキャパシタさえあれば、ほぼ一生自給できます。もはや電力会社に電線をつないでもらう必要すらありません。すると電気を買うための家計の負担はいらなくなります。すると働かなければならない理由は少し減りますね。しかしもっとイメージしてみてほしいのです。 今の新幹線はブレーキをかけるたびに発電して、送電線に電気を戻しています。ハイブリッド自動車より先に実現していました。この列車にキャパシタを積んだらどうなるでしう。電線そのものがいらなくなります。パンタグラフも不要です。なぜなら駅に停車するわずかな時間で充電可能ですから、電線が要らないのです。しかもブレーキで電気を取り戻していきますから、電気はなかなか減らないのです。 電線がいらなくて走るということは、自動車でも可能だということになります。ガソリンスタンドの代わりに電気スタンドがあれば走りますよね。パソコンだって充電池を取り替えなくてすむし、それぞれの電化製品に組み込めば、瞬時の充電さえできれば、どこでも使えることになるわけです。 そう考えると、電気スタンドを作る必要も出てきます。たとえば江戸川の市民立の太陽光発電を設置した家に、キャパシタを置いてスタンドにしたとしましょう。するとキャパシタを組み込んだ電化製品の充電が必要になったら、そこに寄ればいいわけです。瞬時に充電されますから大丈夫です。すると各自の家で余分に作った電気を売り買いできますね。ちょうどコンセントを借りるような感じです。 でもその時に、国の通貨で支払うのもなんだか奇妙です。ツケでもいいですし、互いの流通を考えたら地域通貨がいいですね。そうなんです。「地域通貨」があれば地域経済ができるんではないんです。地域経済ができれば地域通貨で十分になるんです。それで車も走りますし、地域の人が作った食べ物と交換することもできるでしょうし、もちろんリサイクルやメンテナンスを依頼する、なんてことにも使えますね。それだけで、生活のほとんどがまかなえてしまいます。それで十分ではないところにだけ、国の通貨が必要でしょう。しかしその通貨を得るために働くのは、もはやほんのわずかでよくなっているのです。 働くのは、自らするなら愉しいことです。私たちは「働かされる」からうんざりしてしまうだけで、好き好んでする時には疲れもしないのです。しかもエネルギーは太陽光発電が勝手に作ってくれます。われわれが働かなくても。最低限生活していくだけなら、それさえあれば足りてしまうことでしょう。 仕事は強制労働でなくなり、石油戦争も原発も地球温暖化も心配する必要がなくなる。ぼくはそんな社会を作りたいのです。その可能性を今、ぼくはこの「ECaSS(イーキャス)」という名のキャパシタに見出しているのです。 このキャパシタ、今年8月から量産されますが、価格は残念ながら不明です。生産個数によって価格が変わるからです。ぼくはこれに大きな市場を持たせたい。半永久に使えるのですから、長期のローンでもいいですよね。現在の電気料金と同じ額で融資したらどうなるでしょう。太陽光発電とキャパシタをセットにして。今と同じ負担で、そんな未来を実現できるのだとしたら、安い買い物だと思いませんか? うーん、ぼくはやっぱり「詐欺師」なんでしょうかね? 「ECaSS(イーキャス)」という名のキャパシタのHPです。ぜひ見て判断してください。http://www.okamura-lab.com/jpn/index.html 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 溜めた電気を失うことなく、しかも瞬時に充電ができる、そしてほぼ半永久的に使える蓄電装置があったら、本当に再生可能エネルギーだけでまかなえるようになりますね! 太陽光も風力もいまは「夜はだめ」「風任せ」のために、送電線につながざるをえないですが、発電しては溜めておくことができれば、送電線からはずれることができます。 小さいものもできるそうです。そうすると、ライターの火を貸し合うみたいに、さっと電気を貸し借りできるようになる。最近、私もUSBメモリ・スティックにファイルを入れて持ち歩き、必要なときに取り出して、その場のパソコンにファイルを移したり移してもらったりしていますが、同じように電気を持ち歩けるようになる? 足りないところには「電気の缶詰」を送って使ってもらうこともできる? うーん、どんな世界になるのかな?! 何だかわくわくします。 この魅力的なキャパシタ、量産がはじまるそうですが、最初に組み込む商品は何になるのでしょうか? 楽しみですね。いまの不便を解決する商品としたら、「充電に時間がかかって面倒」「電池が長持ちしない」製品かな。たとえば、ケータイとかノートパソコンとか? 家電メーカーの方、お見逃しなく! ECaSS(イーキャス)がどのように私たちの暮らしや社会を変えてくれることになるのか、エネルギー問題という観点はもちろん、「イノベーション普及」の観点からも熱く注目!しています。
 

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