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第10回 質問(6)

 

<質問6>
第6パラグラフの「community actors」という言葉も簡単なようで訳しにくい単語でした。「地域の当事者」という意味はわかるのですが、あまりしっくりきません。「地域社会の住民」としてしまっては弱いでしょうか。

<回答>
「actor」は英和辞典では、「俳優」のほかに「行為者」「関係者」などという訳語が紹介されていますね。この課題の原書は「システム思考」をベースにしていますが、この分野では、「actor」は「実行者」と訳されることが多いようです。おそらく「actor」の意味・訳語を調べた上で「住民」とする方が自然ではないかと思われたのでしょうが、そうすると意味が変ってしまうと思います。

ここでは、ランドルフでの一連の出来事を例に挙げて、その件に関わる人々を中心に話を展開しています。「all the community actors」とは、その直前の文章「The original action . . . individual action」が言及している当事者全員、つまりスケボー少年たち、中心街に買い物に来る年配者たち、中心街の商店主たち、自治体の役人たちなど、円を描いている動きに直接関与した人びとをさしており、この町の住民全員をさすわけではありません。

「この地域社会の住人はみな」とすると、住民全員がこの件に直接関わっていると受け取れます。

ちょっとした言葉の使い方で意味が異なってしまうことは、よくあることです。これからも、このように細かいところに引っかかるという心配りを大切にしていってください。



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