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メール講座 Next Stage:翻訳力アップ自己トレ(3)

第10回 質問(2)

 

<質問2>
第4パラグラフの最後の文章は「our interest」ではなく「their interest」となっているので、会話の一部というよりは地の文だと思います。会話の一部として訳さない方がいいと思うのですが、いかがでしょうか。

<回答>
「メール講座Next Stage2」では、「原文になくても効果的な場合は、会話体をうまく利用する」ということを学習ポイントのひとつとして取り上げましたね。今回もそのような場面がいくつかあると思います。ご質問の部分も、解説で取り上げていますが、会話体にすることによって若者達のブツブツ言う声が聞こえてくるような感じがしませんか? 特に、そのまえのAfter allで始まる一文が、明らかに会話文の形で書かれているので、Furthermoreでつながる次の部分も同じように会話文として訳すことは、自然な流れともいえるでしょう。

ただし、ここを「会話文として訳すべき」ということではありません。全体のトーンにもよりますし、だれの立場で語っているようにするかで変ってきますよね。ここでのエダヒロ訳は、若者達の感情の動きに沿って訳す、という形にしてみましたが、もちろんtheir をtheir として(つまり若者を外から見る立場として)訳す方法もあります(そのほうが多いでしょうね)。この翻訳トレーニングでは、「原文に忠実に訳す」ことが大原則ですが、この大原則をはずさずに原文をより効果的に伝えるテクニックとして、このような「冒険」もぜひ試してほしいというメッセージも込め、この訳文を選んでいます。



メール講座 Next Stage:翻訳力アップ自己トレ(3)
 

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