<質問>
翻訳通信講座を受けてみて、翻訳力とは日本語表現力であると痛感しました。そこでお聞きしたいのですが、特にこの人の文章が好きだと思われる(日本人の)作家の方はありますか。又、日々日本語力を磨く練習として、お手本にされているような文章、意識してこれだけはやっているということはありますか。
<回答>
おっしゃるように、日本語の表現力は翻訳を支える大きな力ですね。
特にこの人の文章が好き、という作家さんがいるわけではないのですが、本はいろいろな分野のものをよく読みますし、読みながら感じるもの(表現が硬いな、ちょっとピンと来ないな、これはわかりやすいな、など)をつねに自分のどこかで確認しながら読んでいるみたいです。
日本語を磨く練習は、「口に出す」ことです。耳で確認する、というのかな。いくつか練習法をアドバイスしましょう。
お手本にしたいと思うような日本文にたくさん触れることで、何が良い日本文なのかを感じ取る「感覚」が自分の中に形成されると思います。
日常生活の中でも、日本語の本や新聞を読んで、これと思う言葉や表現、文章のつなぎ方などをノートに書き留めていくといいと思います。そうして「蓄え」を増やす一方、それを使う練習もします。例えば、
・定期的に日記やエッセイを書いて日本語の表現力を磨く
・ある英文を2〜3タイプの和文に訳し分ける練習をする
などの方法が効果的です。このように、日頃からインプットとアウトプットを繰り返すことにより、ボキャブラリーは確実に増えていくと思います。
また、実際に訳すときには、一度作った訳文の「意味」を取り出して、「この意味を別の言葉で言うとしたら、どういう言葉を使うかな?」 と考えてみるとよいと思います。言葉磨きは、地道な努力を続けることが必要です。いろいろと試してみてください。