<質問>
今回の課題では、「読者層を意識した訳文作り」がテーマとしてあったと思います。さまざまな読者層を想定した文体が書けるようなくふうとして、どんなコツがありますか? 30代独身女性向け、シルバー向け、などの文体を書き分けるには、どうすれば良いでしょうか?
<回答>
さまざまな文体で書く力をつけるには、日頃から、そのことを意識してたくさんの日本文に触れること、そして自分でも文章を書いてみることが効果的です。
具体的には、新聞・雑誌・小説・エッセイなど、様々なジャンルの文章をたくさん読みましょう。また、30代女性向け、シルバー向けなど、想定される読者に対して実際に出版されている本や雑誌を読んでみて、どのような文体や表現が好まれているかチェックしましょう。「これ」と思う言葉や表現を見つけたら、ノートに書きとめておくことも忘れずに。
その一方で、日記をつける、エッセイを書く、読んだ本の読後感を書く、など、文章を書く習慣をつけましょう。今はやりのブログをやるのも文章を書く機会を自然に増やすことになりますね。どのような人を対象に書いているのか、はっきりとイメージしながら書くと良い練習になります。その時、ノートに書きとめてあった言葉や表現を使ってみましょう。これと思う文体をまねて書いてみるのもおもしろいですよ。
このように、インプットとアウトプットを繰り返していけば、自分の中の蓄えが増えますし、さらに「いざ」というときに使いこなせるよう、練習をすることができます。
また、自分が書いたり訳したりした文章は、できれば時々人に読んでもらって感想を聞かせてもらうといいでしょう。あるいは、声に出して読んだものを録音して聞いてみると、自分でもある程度客観的に評価することができます。
豊富な表現力を身につけるには、時間と努力が必要です。がんばってください!