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あなたも翻訳家になれる! エダヒロ式[英語→日本語]力の磨き方
 

翻訳ってどんな作業なの? どうしたら翻訳家として独り立ちできる力をつけることができる? どんなトレーニングをしたらよい? 翻訳を仕事にするためには?--翻訳に興味のある方へ、翻訳家をめざしている方へ、私自身の経験と多くの翻訳家の卵さんを指導して得たノウハウから、翻訳トレーニング方法や日本語の磨き方、編集者が依頼したくなる翻訳家の姿まで、コツやヒントを満載してお届けします。さあ、あなたもめくるめく翻訳の世界へ!

まえがき

 翻訳の仕事って、ほんとに楽しい! 面白い! やりがいがある!と思います。
「好き」×「得意」×「大事」=「天職」(エダヒロの天職公式)から考えても、私にとって、翻訳の仕事はまさにぴったり。昔から本を読むのが「好き」で、コミュニケーションが「得意」といわれ、自分が「大事」だと思っていることを伝えるために翻訳という仕事ができる――これ以上、幸せなことがあるでしょうか?
 朝から晩まで翻訳をしていても、飽きることもつらいこともありません(肩凝り以外は……)。腑に落ちる訳が出てこなくて考え続け、電車の中でふっと浮かんだ言葉にあわててメモ用紙を探すこともしょっちゅう。アルキメデスは、お風呂に入って「アルキメデスの原理」を発見したそうですが、私もよくお風呂で、「あ、こう訳せばいい!」と思いつきます。
 これまで自分が「伝えたい」と思う海外の書籍を出版社に提案したり、編集者から、「これはエダヒロさんにぴったりだと思って」とありがたいオファーをいただいたりしながら、自分の翻訳分野を広げつつ、いつの間にか20冊以上の書籍を翻訳してきました。
 でも、最初から出版翻訳できる翻訳力があったわけではありません。翻訳の勉強を始めた頃、翻訳コンテストに応募したことがあります。けれど、結果は見事落選!でした。でも今思えば、「落選!」が「スタート!」だったのですね。翻訳の勉強だけではなく、勉強法そのものも意識するようになりました。私が自分の力をグン!とあげることができたのは、「学び方を学ぶ」「鍛え方を鍛える」、いわゆる「メタ学習」を意識するようになってからです。
 本書を手にとっていらっしゃるあなたはきっと、翻訳が「好き」なのでしょう。でも、どうやって「得意」にしたらよいかがわからないのかもしれません。または、どうやって「大事」にしていったらよいか、つまり自分なりの分野を探すことに迷っているのかもしれません。本書が一人ひとりの「好き×得意×大事」のためにお役に立てればと思います。
 18年前に、翻訳通信講座を受講したものの教材や教え方に疑問を感じ、自分で自分のトレーニングを始めて以来、自分なりに工夫しながら翻訳力アップを図ってきました。2000年からは「もっと多くの人たちに伝える役割を担ってほしい」と翻訳家の育成にも力を入れています。さまざまな講座を通じて700人以上の「翻訳家の卵さん」たちにかかわり、自分の名前で翻訳書を出す人も何人も出ています。
 何であっても大事なことは、漫然とやるのではなく、どうすれば自分の力を伸ばせるかを意識しながら、工夫をし続けることです。どのように意識し、工夫したらよいのか? そもそも翻訳とはどのような作業なのか? アマチュアとプロは何が違うのか? 読みやすい訳文づくりにはどのようなトレーニングが必要なのか? 実際の仕事につなげるには?―― 自分自身と翻訳家の卵さんたちを鍛えてきた長年の経験から、大事なポイントを集約してお伝えしたいと本書を書きました。翻訳仲間・翻訳講座の卒業生の中小路佳代子さん、五頭美知さん、ヘレンハルメ美穂さん、小林紀子さん、スラニー京子さん、粘り強くサポートしてくれた小島和子さん、佐藤千鶴子さん、編集者の立場でアドバイス下さった青木由美子さん、そして本書の担当編集者である石田哲哉さん、ありがとうございました!

 何であっても、苦労し、努力してこそ、実りが得られます。同じ時間、同じ苦労、同じ努力をするのなら、それをより大きな効果や仕事につなげていくことです。
 めくるめく、楽しく、面白く、やりがいのある翻訳の世界へ、ぜひあなたも!

2009年4月 枝廣淳子


<目次>

第1章  エダヒロはこうして翻訳家になりました

・翻訳家へのチャンスはどこにある?
・「実績がないからだめ」を乗り越える
・一つの仕事を、どうやって次の仕事につなげるか
・活躍の場を自分で広げるヒケツとは
・翻訳家から「マルチキャリア」へ
・「伝えたい」という思いがあれば、できることはたくさん!
・翻訳仲間を増やしたい―勉強会を立ち上げる
・「読みやすく魅力的な翻訳ができる力」を鍛える翻訳道場開設
・通信講座のメンバーが出版翻訳を実現した!
・プロとアマチュアの決定的な違いとは

第2章  あなたがまず知らなければならないこと

・翻訳出版のプロセス―いくつかの入り口
・チャンス1 編集者は翻訳に値する原書を探している
・チャンス2 翻訳出版の企画を会議にかけてもらうには
・チャンス3 翻訳者はどうやって選ばれるのか
・チャンス4 下訳者を経て独り立ちする道も
・扉を開けるには「戦略」を持とう
・「この人に頼みたい」と思われる人
・一度きりの翻訳者、続けて仕事がくる翻訳家
・編集者のホンネ「こんな人は嫌」
・何度もお願いされる翻訳家がやっていること
・『不都合な真実』は、なぜ私のところへ?
・がんばった分だけ活動の場は広がる

第3章  めざせ!「使ってもらえる翻訳家」

・「買ってもらえる翻訳」ができる人になろう
・あなたの訳文は、いまどのステージ?
・訳文のトーンの変え方―正解は一つじゃない
・著者が差し出すものを、大事に読み手に渡すこと
・翻訳者に求められる二つの視点
・仕事の「スタンス」を正しくつかもう
・どのプロセスがもっとも重要か
・実際の翻訳道場はこんな感じ
・自分の訳文を練り上げる作業がカギ
・「エダヒロ式読み上げ翻訳法」で時間短縮!
・最後まであきらめずにやり抜くには?
・「何か引っかかる」をそのままにしない
・いい翻訳家は締め切り直前まで考える

第4章  仕事が舞い込む翻訳力を身につける

・自分に合った方法は、どう見つける?
・原書のメセージをきちんと受け取る「英語読解力」
・量をこなせるようになる多読トレーニング
・受験用参考書で一つの文章にじっくり取り組む
・誤訳を防ぐための三つの大事なポイント
・文章を大づかみするパラグラフトレーニング
・読み取る力、伝える力を同時に鍛える方法
・魅力的な訳文をつくる「日本語表現力」
・訳文を練り直すプロセスとやり方
・今日から「意識して」日本語に触れてみて!
・人と「比べること」でセンスアップ
・「この言葉いいなあ」と思ったら、即ストック
・その表現を「知っている」と「使える」は違います
・私が表現力を鍛えた実践的トレーニング
・「である」でいくか「ですます」でいくか

第5章  エダヒロの翻訳実践塾―超レベルアップ20のコツ

・実践01 「翻訳する」から「伝える」へ意識転換
・実践02 編集者の考えや好みに応じる
・実践-03 「離見の見」―訳者になり、読者になる
・実践04 訳文の欠点を見つける―声を出してチェック
・実践05 躍動感を生み出すコツを盗もう
・実践06 過去の話も現在形でイキイキさせる
・実践07 省く主語、生かす主語
・実践08 漢字・ひらがな・カタカナ、それぞれの効果
・実践09 安易なカタカナ表記に要注意
・実践10 臨場感を生む擬音語の使い方
・実践11 ヒロインの性格も訳語一つで決まる
・実践12 会話体を取り入れてバリエーションをつける
・実践13 ネガティブな表現の落とし穴
・実践14 難しい専門用語の調べ方と訳し方
・実践15 Goolgeで検索力に磨きをかけよう
・実践16 「ワープロソフト+辞書」は不滅ツール
・実践17 文化間のギャップを埋める気配りを
・実践18 辞書を超える―翻訳家の腕の見せどころ
・実践19 原書にない言葉をどこまで入れるか
・実践20 感動した本こそ理性的に翻訳する

第6章

・二つの必須事項―ビジョンと自分マネジメント
・ビジョン―自分がなりたい翻訳家のイメージを描く
・どんなビジョンでも黙っていれば恥ずかしくない!
・バックキャスティングでビジョンを描こう
・理想のイメージを描くとそれに近づく
・ビジョンは5分で考える
・自分マネジメント―ビジョンを実現するしくみ
・私を成功に導いたPDCAサイクル
・実行につながる「計画づくり」のコツ
・案外知らない「振り返り」の大切さ
・自分の力を120パーセント引き出す時間の使い方
・自分を成長させてくれる「課題設定力」を持とう


 

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