エダヒロ・ライブラリー執筆・連載

2026年01月06日

【南海トラフ地震対策への提言】 楽しみながら訓練 (2026年新春号特別寄稿)

 

南海トラフ地震は、最も危険性が高いとされる静岡県に住んでいる自分にとっては人ごとではない課題である。

東日本大震災後には石巻に泊まり込んで支援活動に携わり、能登の震災後には暖を取ってもらうための炭をトントラックに積んで支援拠点にお邪魔した。直接死を免れて「命を守る」ことができたら、その後どう「命をつなぐ」かが大きなカギであると考えている。

被災しても個人や家庭、企業や組織、地域などがしなやかに立ち直る力を「レジリエンス」という。『レジリエンスとは何か』という本では、災害へのレジリエンスについて世界の事例を紹介し、考察した。

南海トラフ地震の場合は、首都圏を含め広範な地域が被災し、国内の交通網や流通網が寸断される可能性がある。救援物資や救助隊がなかなか来てくれなくても「自分たちの命は自分たちでつなぐ」という意識と気概、そしてそれを支える物資やしくみを持っておかなくてはならない。

地元・熱海では仲間たちが「未来創造災害支援チーム」を立ち上げようとしている。市街地からやや離れた笹尻という場所に物資の備蓄し、簡単に炭が焼ける炭化装置を置く。ふだんから剪定枝や竹などで炭を作ってバーベキューで楽しむという練習をしておく。いざ被災したときには木材系の災害廃棄物をどんどん炭にして、暖をとったりお湯を沸かしたり調理に使う。水も電気も不要の装置なので、断水しても停電しても使える(もともとオフグリッドの場所である)。

それぞれがこうやって「自分たちの命は自分たちでつなぐ」ことを考え、地域の人々と(平時は楽しみながら)訓練しておくことが、いざというときに役に立つのではないかと思っている。

 

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