エダヒロ・ライブラリー執筆・連載

2021年02月24日

今年の注目テーマは? (2021年2月22日掲載)

 

毎年12月に私のメールニュースの読者などを対象に「この1年を振り返って~持続可能性に関わるアンケート」をお願いしています。今回も200人近くの回答が集まりました。環境問題や持続可能な開発目標(SDGs)などに関心の高い層は「2020年の持続可能性に関わる10大ニュース」として、どのようなものを挙げているのでしょうか。多い順に並べてみます。

①コロナ禍 ②日本政府の2050年脱炭素宣言 ③米国大統領の交代 ④地球温暖化の影響(森林火災、異常気象、豪雨災害など) ⑤プラスチック(レジ袋有料化、海洋プラゴミ問題など) ⑥SDGsの取り組み ⑦電気自動車(EV)シフト、脱ガソリン車 ⑧食(食品ロス、農業、海洋資源など) ⑨テレワーク、生活様式の変化 ⑩米国のパリ協定復帰、環境政策転換 ⑪中国の動向 ⑫3R(リデュース、リユース、リサイクル)、循環経済 ⑬再エネ関連 ⑭原発関連 ⑮生物多様性

菅義偉総理の2050年までの脱炭素宣言や、温暖化の影響、バイデン米大統領の誕生、パリ協定復帰など、気候変動関連がいくつも上がっています。2020年は日本にとっての(世界的には遅ればせながらの)「脱炭素競争」の号砲が鳴った年として記憶されそうです。

そして、「2021年、持続可能性に関わるどのような動向に注目しますか」という問いに対して、最も多くの人が挙げたのは「エネルギー関連」でした。再エネ、蓄電池、水素などのエネルギー技術のほか、エネルギー政策への注目が集まっています。それは、第2位の「脱炭素社会」の礎であるという認識が共有されていることの表れなのでしょう。2021年は、ガス業界やガス事業者への注目が以前にも増して集まる年になるということですね。

ガスは変動型再エネの調整電源としても重要ですが、石炭や石油ほどでないにしても二酸化炭素(CO2)を排出します。短中期的には脱炭素化に資するとしても、中長期的には使い続けることが難しくなってくるでしょう。EUや米国の一部などではすでにそのような方向への動きが出てきています。

それぞれの地元経済を支える役割を果たしつつ、地域と自社の持続可能性をどのように保ち、築き、高めていくことができるのか。今年こそしっかり考え、小さな試行錯誤を進める1年にしませんか。

 

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