エダヒロ・ライブラリー執筆・連載

2020年06月24日

キャンドルナイトはいかが?(2020年6月22日掲載)

 

「100万人のキャンドルナイト」という活動をご存じですか。

「夏至と冬至の夜に2時間だけ電気やテレビを消して、ろうそくを灯し、自分自身や、家族、友達といつもとは違うゆっくりした時間を過ごそう」と呼びかけて2003年から行った活動です。5人の呼びかけ人代表が始めたもので、大地を守る会の藤田和芳会長、文化人類学者の竹村真一さんと辻信一さん、コピーライターのマエキタミヤコさんとともに、私も呼びかけ人代表でした。

その前年に、カナダ・米国で当時のブッシュ政権のエネルギー政策に反対して「電気のプラグを抜いてろうそくを灯そう」という運動が始まっていました。私たちは「何かに反対する運動だけではなかなか広がらない。それより、大事なものに自分で気づいたり、大事な人と気持ち良い時間を過ごすことから見えてくるものがあるのではないか」と話し合い、「ただ電気を消して、ろうそくを灯そう」というシンプルな呼びかけにしたのでした。

当時の呼びかけ文にはこのように書いてあります。

「ロウソクのひかりで子どもに絵本を読んであげるのもいいでしょう。静かに恋人と食事をするのもいいでしょう。ある人は省エネを、ある人は平和を、ある人は世界のいろいろな場所で生きる人びとのことを思いながら。プラグを抜くことは新たな世界の窓を開くことです。一人ひとりがそれぞれの考えを胸に、ただ2時間、電気を消すことで、ゆるやかにつながって『くらやみのウェーブ』を地球上に広げていきませんか」。

開始から10年後、キャンドルナイトは各地で自発的な活動として展開されるようになり、事務局は幕を下ろしたのでした。

しかし今回、コロナ状況下の今だからこそキャンドルナイトの意義があるはず、と話し合い、「コロナの向こうを照らす明かり」をテーマに再びキャンドルナイトを呼びかけることにしました。夏至当日、私は地元・熱海で仲間と一緒に、地元の福祉作業所のみなさんが集めて準備してくれる空き瓶・グラスを使って、海岸にキャンドルアートを描き、福祉作業所と途上国で医療活動をしている団体に寄付するキャンドルナイトを企画中です。

ところで、キャンドル風のガスランタンもありますよね。ガス会社も「ガスのキャンドルを灯して、大事なことに思いを馳せませんか」と呼びかけてはいかがでしょう。

 

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