エダヒロ・ライブラリー執筆・連載

2010年01月08日

翻訳の勉強に必要なのは、量? それとも質?

 

この冬、夏に続いて翻訳道場を開催します。翻訳者として独り立ちする日をめざして、トレーニングに励んでいる受講者のみなさんと、一文ずつ丁寧に細かいところまで押さえながら、真の力をつけるための学びの機会としていきます。翻訳を勉強している方々から、よく「翻訳の勉強に必要なのは、量でしょうか、質でしょうか?」と聞かれます。皆さんはどのように思われますか?私の答えはいつも「量も質も!」です。自分の経験からも、翻訳者の卵さんたちの様子を見ていても、実際、翻訳トレーニングの「効果=量×質」だと思います。翻訳の勉強をしている人はまじめな人が多く、細かく落とさずに丁寧に勉強を進めていることが多いように思います。でも、丁寧にやればやるほど、時間がかかり、進み具合はゆっくりになります。この場合、よほど意識していないと、トレーニングの「絶対量」が足りず、一生懸命やっているのになかなかブレークスルーできない、という状況に陥ります。

この1年、やる気のある受講者数十人と「誤訳バスターズ」という、メールでのやりとりで翻訳トレーニングを行うシステムを試してみました。開始にあたって、私がみなさんに言ったのは、「この1年間で10万ワードの翻訳をめざしましょう!」です。

私がこれまで訳してきたビジネス・自己啓発・環境問題関係の書籍の平均的なボリュームは、10万ワードぐらいです。1冊訳しあげるぐらいの分量をこなすことは、翻訳トレーニングのどこかの段階で必要になります。英文解釈の間違いがほぼなくなり、正確さを確保できるようになってきた頃ですね。

この1年間に私は5冊の翻訳書を出しました。1冊ごとに、翻訳のやり方をくふうし、変えてみました。そうしながら、年間50万ワードほどのトレーニングを積んだことになります。
といっても、いくらやっても、「もうこれでいい」という境地には決して達することができず、いつもいつまでも「翻訳修行中」です。一生続いていく道なのだから、めざす頂から目を離すことなく、同時に、道中を楽しみながら歩んでいきたいなと思っています。

翻訳のトレーニングには終わりがなく、ひとりで長い道のりを進んでいかなければなりませんが、時には一緒に楽しみながら進んでいきませんか?翻訳力アップ自己トレ「メール講座 Next Stage」では、「質」と「量」のトレーニングをどうやって進めていくかについてのヒントも提供しています。

講座の詳細・お申し込みはこちらから。

 

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