ホーム > 環境メールニュース > メンタルモデルと東洋思想

エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2024年03月16日

メンタルモデルと東洋思想

システム思考を学ぶ
大切なこと
 

表面的な出来事だけを見て反応するのではなく、出来事は「氷山の一角」なので、その下にある構造を見ていこう、という考え方が「システム思考」です。

「これは問題だ!」と思っても、よく見ると、それは「問題の症状」に過ぎず、本当の問題はもっと深いところで複雑なつながりがつくり出す構造そのものにあることもよくあります。

それに気づかず、「これは問題だ! 手を打て!」とやってしまうと、いわゆる「対症療法」に終わってしまい、問題は解決しない、または別の問題が起きたりします。

システム思考は、大学院大学・至善館で教えているメインの科目で、企業研修などでもよくご依頼をいただいています。

ご興味のある方、よろしければこちらの入門書をどうぞ!
『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか? ―小さな力で大きく動かす! システム思考の上手な使い方』

また、【エダヒロのわかりやすいオンデマンド講座】にもありますので、ご自宅で基本的なツールなどを学んでいただけます。
システム思考 基礎編(全3回)
https://www.es-inc.jp/seminar/2023/smn_id012865.html

システム思考の「氷山モデル」は、見えているのは氷山の一角である「出来事」で、その下に、「時系列パターン」があり、その下に、そのパターンを生み出している「構造」がある、と進んでいきます。この氷山のいちばん根底にあるのは何でしょう?

それは「メンタルモデル」です。私たちの意識・無意識の思い込みや前提です。一人ひとりが独自のメンタルモデルを持っていますし、企業やグループなどメンバー間で共有されているメンタルモデルもあります。社会で共有されているものは「社会通念」と呼ばれ、社会を超えて共有されているものは「パラダイム」と呼ばれます。

「今年の夏も史上最高気温だった」というのは、氷山モデルでいえば、いちばん上の「出来事」です。「地球の平均気温はどう推移してきたの?」というのが「時系列パターン」、「どうして地球の平均気温は変動しながらもどんどん上昇しているの? どういう要素のどういうつながりがその温度上昇を作りだしているの?」というのが「構造」です。

「構造」を考えていくと、私たちは経済成長をし続けなくてはならないから、地球から取り出す原材料も地球に戻すCO2をはじめとする廃棄物も増え続けている、という構造が浮かび上がってきます。

ここでは、「私たちは経済成長をし続けなくてはならない」というところが、氷山モデルの根底にある「メンタルモデル」と考えられます。気候変動をはじめとする環境問題の根底にあるメンタルモデルはこれだけではありませんが、メンタルモデルが変わらない限り、構造は変わらず(効率化や再エネによるグリーン成長も、結局のところ、経済成長を目的としています)、構造が変わらない限り、時系列パターンも変わらず、毎年のように「今年も史上最高気温だ!」という出来事が生じる、ということになります。

条約や法律、情報開示なども大事ですが、やはり根本にあるメンタルモデルをどう変えていけるのか?――そのアプローチの1つとして、私は東洋思想を勉強し、教え、伝える活動をしています。

部分部分を分析し、理性的に理解しようとする近代西洋思想に対し、東洋思想は見えないものも含め、全体をとらえようとします。

『産めよ、増えよ、地に満ち地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて治めよ』 (旧約聖書 創世記1章1節)と、人間を神から自然の管理を委託された存在として位置付ける西洋型の考え方に対して、東洋思想では、「生かされている」というように、ひとりひとりを万物のつながりの中に存在する命として、人間を自然や他の生物から切り離して位置付けることはしません。

ここに現在の閉塞や問題の根本を打ち破る鍵があるのではないか、と思うのです。

私が教えている大学院大学・至善館は、22世紀に向けて、西洋の合理性とアジアの精神土壌の橋渡しと融合を図ることを大きなミッションの1つとしています。
https://shizenkan.ac.jp/

~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~

大学院大学至善館は、人間性と社会性を兼ね備え、イノベーションと変革を牽引する経営リーダーを輩出する、独自の全人格経営リーダーシップ教育機関です。その目指すところは、20世紀を象徴する経営リーダーシップ教育のパラダイムであった西洋発のビジネススクール教育を出発点としながらも、21世紀を生きる私たちを取り巻く環境からの要請に真摯に向き合い、22世紀に向けて、日本そしてアジアから、世界のリーダーシップ教育のパラダイムシフトを実現することです。

~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~

私は至善館で、「システム思考と持続可能性への挑戦」という科目と共に、「東洋思想」の授業を担当しています。

来週、この授業を無料で体験していただける機会がありますので、ご興味がある方、よろしければ50分間、東洋思想の世界へ!いかがですか?

VUCAの時代にぶれない軸をつくる「東洋思想にみるリーダーシップ入門」
講師:枝廣 淳子(大学院大学至善館 教授)
2024年3月18日 (月) 19:00〜20:30 
https://shizenkan.ac.jp/event/toyo_oc2024/

そして、その翌日、3月19日夜には、そういった問題意識や東洋思想の特徴について、英語で海外の専門家と意見交換をする機会があります。こちらも無料で受講できますので、ご興味がある方、ぜひどうぞ。

「Sustainability Leadership from Asian Perspective」というフォーラムで、日本橋の至善館キャンパス&オンラインにて開催されます。

至善館を含むアジア各国のビジネススクールが協働して、新たに立ち上げた、Asian Business School Networkのキックオフ・イベントとして、サステイナビリティに焦点を当て、日本、マレーシア、インド、タイから、豊富な見識を持つ専門家をスピーカーに招き、開催されるものです。

欧米中心で進んできた20世紀の経済発展がグローバル規模で行き詰まりをみせるなか、私たちは、アジアから未来をどう展望できるのでしょうか。アジアと欧米は何が違い、何が共通しているのでしょうか。よりサステナブルで包摂的な未来を構築するにあたって、アジアと欧米はどう相互補完しうるのでしょうか。

日時: 2024年3月19日(火) 19時~20時30分(日本標準時)
会場: 至善館キャンパス&オンラインでの配信
言語: 英語(同時通訳はありません。ご了承ください)
申込フォーム:https://shorturl.at/IOPUX

東洋思想は一人ひとりの人生や企業などの組織経営にも役に立ちます。勉強しつづけ、日本の方々にも伝えつつ、世界にも発信をしていきたいと思います!

 

このページの先頭へ

このページの先頭へ