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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2023年07月03日

レジリエンスについて考える

大切なこと
 

最初にちょっとお知らせを。

残席2となりました!
7月31日~8月1日【先着20名限定】国内トップのJブルークレジット(R)認証の町、洋野町で枝廣淳子と学ぶ2日間の旅

これからの自分の人生、ゆっくりと心の声に耳を傾けながらじっくり考えてみませんか。
7月29日(土)「ビジョンを描き、レジリエンスを高める」自分合宿 2023夏@熱海orオンライン受講

ChatGPTを活用しての翻訳作業もやってみます! じょうずに使いこなし、人間の翻訳者に求められる力を知りましょう。
9月10日(日) 翻訳道場

2023年5月末よりスタートした未利用魚便、ご好評をいただいています! ご利用の感想をいただきました。
https://mirai-sozo.work/topics/012688.html

初めて「社会と暮らしと音楽と」というサブタイトルがついたap bank fes '23。
https://fes23.apbank.jp

【対談】枝廣淳子×小林武史
5年ぶりのつま恋開催にあたって伝えたいことを、枝廣淳子さんと一緒に考える。
https://fes23.apbank.jp/magazine/00000001/

さて、本日は伊豆山の土石流から2年、熱海ではさきほど慰霊のための黙とうのサイレンが鳴りました。今回の大雨でも犠牲者が出ていますが、このままではそういう事態が増えると心配されています。

温暖化や戦争、新型コロナなど国内外の動乱、それらのさまざまな影響が押し寄せる中でも、倒壊することなく、自分たちや社会を保って生きていくために、どうしたらよいのでしょう? 

来週の幸せ研の読書会では、「レジリエントな社会」について学び、考えていきます。よかったらぜひご参加下さい。

7月13日(木)18:30~20:30
幸せ研読書会『レジリエントな社会』(著:マーカス・K・ブルネルマイヤー)

幸せ研のサイトには、2015 年にストックホルム・レジリエンス・センター(Stockholm Resilience Centre)が発行した"Applying resilience thinking - Seven principles for building resilience in social-ecological systems" を許可を得て日本語訳版にしたものをアップしています。

「レジリエンス思考を適用する――社会・生態システムにおけるレジリエンス構築のための7つの原則」
https://www.ishes.org/resilience/cases.html

同じページの下の方にある記事をご紹介しましょう。

~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~

レジリエンスを高める自然災害伝承碑の活用

日本は昔から、台風・津波や洪水、火山の噴火など、数多くの自然災害に見舞われてきました。災害の被害を減らすために、堤防や盛土の整備、ハザードマップの作成など、さまざまな取り組みが行われています。こうした取り組みの中で、近年注目を集めているのが、「自然災害伝承碑」の活用です。

自然災害伝承碑とは、 過去の津波、洪水、火山といった自然災害の被害状況などが記載されている石碑や像などのモニュメントのことです。古いものでは、千葉県の一宮町に1694年(元禄7年)に建立された「延宝の津波供養塔」があります。

自然災害伝承碑は、減災や防災にどういう形で役立つのでしょうか。例えば、広島県坂町では、2018年7月の西日本豪雨災害で死者行方不明者18名、全半壊家屋が1250棟を超える甚大な被害を受けました。実はこの土地には、1907年(明治40年)に起きた大水害の被災状況を伝える石碑があるのですが、 地域に暮らす人々にその伝承内容が十分に伝えられていませんでした。もし、過去に水害があったことを知っていれば、もっと早く避難できたかもしれません。

このような事例が各地にあることから、国土地理院では「災害への備え」を支援する取り組みとして、2019年度から自然災害伝承碑の情報を地図に掲載する試みをはじめています。

レジリエンスを高める災害対策

せっかく自然災害伝承碑があっても、その存在が地元住民に忘れられてしまう理由としては、建立してから長い時間が経っていることや、昔に比べると人口の移動が激しいといった理由が考えられます。あるいは堤防や盛土といった対策が進んだことによって、「もう災害は起こらないだろう」と安心してしまうことも一因でしょう。しかし、堤防が決壊してしまう事例や、盛土があるという安心感から避難せずに被害にあってしまったという事例も多数あります。堤防や盛土によって、通常の大雨の被害を防ぐことが出来たとしても、「100年に一度」といった規模の大きな災害を防げるとは限らないのです。

だからこそ、堤防や盛土といった技術を用いたハードな防災・減災対策とともに、ハザードマップの作成や自然災害伝承碑の活用、防災訓練などソフトな防災・減災対策を行うことが必要です。このように一つの手段に頼らず、複数の手段を備えておくことは、「冗長性を高める(※)」という意味でレジリエンスを高めることにつながります。

国土地理院のサイトには2020年11月現在約650の自然災害伝承碑のデータが掲載されています。お住まいの地域のそばに自然災害伝承碑がないか調べてみてはいかがでしょうか?

※冗長性とは
冗長性とは、同じ機能を果たす構成要素が複数あることを指します。英語の格言に、「don't put all your eggs in one basket(卵を全部一つのかごに入れるな)」というものがあります。同じかごにすべての卵を入れてしまうと、そのかごを落としてしまったら、卵はすべて割れてしまいます。防災でも、一つの手段に頼らずに複数の対策を行うことで、「保険」をかけることができます。

参考資料 国土交通省国土地理院「自然災害伝承碑」
https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/denshouhi.html

~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~

2015年に、レジリエンスについての書籍を出しました。
『レジリエンスとは何か~何があっても折れないこころ、暮らし、地域、社会をつくる』


このとき、レジリエンスがここまで求められる時代・社会になるとは思っていませんでした......。

「レジリエンス」とはシステムの特性の1つなので、どのようなシステムでも(人体から、チームや家族、組織、社会、生態系まで)レジリエンスを考えることができますし、レジリエンスを高めておくことが求められています。世界ではレジリエンスの研究も進んでいるので、是非そういった知見やヒントを身につけ、用いていきたいと思います。

その1つのきっかけになれば、と思います!
(大事なポイントは説明しますので、本を読めていなくても参加できます)

7月13日(木)18:30~20:30 幸せ研読書会『レジリエントな社会』
https://www.ishes.org/news/2023/inws_id003429.html

 

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