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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2023年04月11日

海の生態系を守るための条約へ!

新しいあり方へ
温暖化
 

海の生態系が危機に瀕しています。農業や工業化が進むようになってから、沿岸の開発に加えて、農薬や廃水などの流入による汚染などが、海洋汚染の大きな原因でしたが、それに加えて、温暖化による水温上昇や酸性化、プラスチック汚染などの悪影響も大きくなりつつあります。

ひと言で「海」と言いますが、3つに大きく区分することができます。

1つは、「領海」と呼ばれる沿岸国の主権が及ぶ範囲の海域で、12海里(1海里=1,852m)を超えない範囲と定められています。

もう1つは「排他的経済水域」(EEZ)で、沿岸国が、その範囲内において、天然資源の探査・開発などを含めた経済的活動についての主権的権利と、海洋の科学的調査、海洋環境の保護・保全等についての管轄権を有する水域です。領海基線(海面が一番低い時に陸地と水面の境界となる線)から200海里(約370km)を越えない範囲内で設定することができるものとされています。

そして、どの国の「領海」にも「排他的経済水域」にも属していない海が「公海」です。

だれもが自由に行き来したり、魚をとったりできる海で、公海の割合は、世界の海の面積の半分ほど考えられています(世界の海の定義により、約4~6割と幅がありますが)。公海はいずれの国による支配下にもなく、すべての国による使用のために開放されているとする国際法上の原則を、「公海自由の原則」といいます。

だれでも自由に使える一方、公海を包括的に管理する組織やシステムがないため、乱獲や環境汚染が深刻化すること(していること)が心配されてきました。

資金や漁業権に関する各国の意見の違いから、何年も進まない状況でしたが、10年越しの協議を経て、先月2023年3月に、国連海洋法条約の政府間会合が、公海での生物多様性の保全と持続可能な利用に関する歴史的な「公海条約」案に合意しました!


公海での乱獲や環境汚染を防ぐため、2030 年までに海の 30% を保護区に設定し、海洋の自然を保護および回復することを目指すことなどが定められています。現時点の保護区は1.3%しかありません。世界の海の3分の1近くを保護区に指定することで、海の生態系を保全し、海の豊かさの減少に歯止めを掛けることが期待されています。

条約の正式な採択には、各国が再度会合を開く必要があるため、条約の発効はまだ先になりますが、一刻も早く発効し、この目標に向けての活動が始まることを願っています。


海つながりで・・・
昨年12月に開催されたブルーオーシャン・イニシアチブ NIKKEIブルーオーシャン・フォーラム 設立記念 プレイベントのアーカイブ視聴ができます。ご興味のある方、のぞいてみてください。
https://project.nikkeibp.co.jp/event/sdgs2022/12/blueocean_project/

私は、「ブルーカーボン・ブルーファイナンスセッション」と「プラスチック・資源リサイクルセッション」に登壇しています。

最後に、海は気候変動にとっても、非常に大きなカギを握っています。1970年から2015年の間に、温室効果ガスによってこもった熱の93%を、海が吸収しているそうです。海が吸収してくれていなかったら、気温上昇はずっと大きなものになっていたということです。どこまで吸収し続けてくれるのか......? 

また、気候変動をとめるためには、大気中のCO2を回収する必要がありますが、海中のCO2を回収することも有効です。海中のCO2濃度が下がれば、その分、大気中のCO2が海中に移動し、大気中のCO2濃度を下げることができますから。

熱海でも、そのためにブルーカーボン(藻場の再生を通じて、海の豊かさを取り戻し、CO2を回収する取り組み)プロジェクトを展開していますが、DAC(直接空気回収)のように、直接海中のCO2を回収できないか、という技術開発も進められています。

私もはじめて知った、この「海中からのCO2回収」の必要性と技術について、JAMSTECの研究者の方から直接お話を聞ける機会をつくることができました。最・最先端?の技術について、まず知って、本当に有効な技術なのかなど、考えてみたいと思います。ご興味のある方、貴重な機会と思いますので、ぜひご参加下さい。

~~~~~~~~~~~~~~ここからご案内文~~~~~~~~~~~~~~~~~

4月17日(月)ブルーカーボン・ネットワークセミナー@熱海&オンライン
「気候危機を止める処方箋!!ー海中からのCO2回収を考えようー」

気候変動を止めるためには必要なことが3つあります。
(1)これから出すCO2を実質ゼロまで減らす
(2)すでに大気中にあるCO2を回収する
(3)回収したCO2がふたたび大気中に戻っていかないように、固定化する

熱海の未来創造部が進めているブルーカーボンの取り組みは(2)で、炭化の取り組みは(3)にあたります。

(2)の「すでに大気中にあるCO2を回収する」方法は、ブルーカーボンのほか、グリーンカーボン(植林など)や、DAC(直接空気回収)という技術が知られていますが、もっと効率的にもっと大量にCO2を回収しようという、新しい技術の開発も進められています。

「海中からのCO2回収」です!

なぜ海中から? どのような技術なのでしょうか? 回収したCO2はどうするのでしょう? 世界での開発の動向は? コストは?

国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)でこの研究開発を進めておられる地球環境部門・北極環境変動総合研究センターの吉田弘さんから、この技術や世界的動向についてわかりやすくお話をうかがえる機会を設けることができました。

熱海でのリアル、または、オンラインで参加いただけます。
ぜひこの機会を活かして、新たな温暖化対策技術について話を聴き、直接質問・意見交換をしてください! ご参加をお待ちしています。

■開催日時:2023年4月17日(月)14時~15時30分

■参加方法:
(1) 会場参加:熱海・未来創造部 2階セミナールーム(定員20名)
住所:静岡県熱海市渚町7-5 エムズ熱海ビル
地図:https://goo.gl/maps/8cFXdp78GdPpXeF79

(2) オンライン参加:当日朝11時までにZoomのアドレスをご案内します

■参加費:
ブルーカーボン・ネットワーク賛助サポーター会員:無料(1社・団体 3名様まで)
ブルーカーボン・ネットワーク個人サポーター会員: 550円(税込)/名
ブルーカーボン・ネットワーク非会員の方(1回):1,100円(税込)/名

■ゲストスピーカー:
国立研究開発法人海洋研究開発機構 技術開発部 次長
(兼)地球環境部門 北極環境変動総合研究センター 北極観測技術開発グループ グループリーダー 吉田 弘さま

■進行:枝廣淳子(ブルーカーボン・ネットワーク理事長、株式会社未来創造部代表取締役社長)

■プログラム:
14:00:開始、ご挨拶
14:05:レクチャー 吉田氏「気候危機を止める処方箋!! ~海中からのCO2回収を考えよう~」
15:05:質疑応答・意見交換  
15:30:終了

■お申込み方法:以下のサイトからチケットをお求めください。
※賛助サポーター会員さまも無料チケットをお求めいただきますよう、お願いいたします。
https://bluecarbon-seminar5.peatix.com

※本サイトからのお手続きが難しい場合は、以下のお問い合わせ窓口までご連絡ください。

※参加費のお支払いを確認させていただいた方に、当日朝11時までにZoomのURLをメールでお送りさせていただきます。迷惑メール等に入らないようご注意ください。締切間際にお申込みされた方にも順番にご連絡いたしますので、お待ちいただきますようお願いいたします。

※お申込みいただいた方には、後日、期間限定で当日の動画をご覧いただけるよう準備させていただく予定です。もし当日ライブ配信をご覧いただけなかった方はそちらをご利用ください(終了後、別途事務局より視聴方法をご案内させていただきます)。

■お申込み受付期限:4月17日(月)午前10時

■キャンセルについて:お申し込み後のキャンセル、ご返金はお受けできかねますので、あらかじめご了承ください。

■主催:株式会社未来創造部、特定非営利活動法人ブルーカーボン・ネットワーク

■共催:有限会社イーズ

【お問い合わせ窓口】
ブルーカーボン・ネットワーク(事務局:株式会社未来創造部)
(営業時間:午前9時~午後5時)
メール:info(@)bluecarbon.jp
※(@)を@に変えてお送りください

 

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