ホーム > 環境メールニュース > 一度は消滅した藻場が復活! 藻場再生の取り組みがJブルークレジットを取得

エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2023年03月10日

一度は消滅した藻場が復活! 藻場再生の取り組みがJブルークレジットを取得

新しいあり方へ
温暖化
 

私は「気候変動を止めるために必要な3つのこと」を次のように整理しています。

(1) これから出すCO2を実質ゼロまで減らす
「ゼロカーボン」、「カーボンニュートラル」、「脱炭素」などと呼ばれているもの
主な方法:省エネ+再エネ

(2) すでに大気中にあるCO2を回収・除去する
CDR(Carbon Dioxide Removal)炭素除去 と呼ばれる

主な方法
・技術的に直接空気から回収(Direct Air Capture)
・グリーンカーボン:植林など陸上生態系
・ブルーカーボン:藻場・マングローブなど海洋生態系

(3) いったん回収・除去したCO2がふたたび大気中に戻っていかないように、固定化する

主な方法:炭化(バイオ炭)など

-------

気候危機に対しては、これら3つのすべてを総動員していく必要があります。

(1) については、まちづくりや企業・自治体への取り組み支援を通して、(2) と(3) については、熱海の未来創造部で、取り組んでいます。

(2) の「ブルーカーボン」、内外での取り組みが広がっています。NPO法人「ブルーカーボンネットワーク」のサイトから最近アップした取り組み事例などを紹介しましょう。


高品質なブルーカーボンプロジェクトに向けて、「ブルーカーボンの原則とガイダンス高品質化」発表
https://bluecarbon.jp/initiatives/001630.html


世界経済フォーラム(WEF):インドネシア政府とブルーカーボンへの取り組みに関する新たなパートナーシップ
https://bluecarbon.jp/initiatives/001667.html

オーストラリア政府とオーストラリア連邦科学産業研究機構:COP27でGoogleらと機械学習を使った新たなブルーカーボンプロジェクトを発表
https://bluecarbon.jp/initiatives/001672.html


「一度は消滅した藻場が復活!」、この記事はぜひ読んでいただきたいので、転載します。

~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~


静岡県榛南地域:一度は消滅した藻場が復活! 藻場再生の取り組みがJブルークレジットを取得
https://bluecarbon.jp/initiatives/001643.html

静岡県の榛南(はいなん)海域では、かつて広がっていた藻場が消滅してしまったそうです。それから、25年以上にわたり、漁業者や自治体による藻場再生プロジェクトが行われてきました。この取り組みは確実に実を結び、2022年度、Jブルークレジットを取得しました。

榛南海域で磯焼けが目立つようになったのは、1990年頃のことでした。かつては約8,000haあったといわれる豊かなカジメとサガラメの藻場は2000年までには、ほぼ消滅してしまいました。それに伴い、貝類やアオリイカ等も減少し、アワビ漁も20年ほど前から途絶えています。

こうした状況を受け、1996年に南駿河湾漁業協同組合と近隣の関連自治体(市町)による「榛南地域磯焼け対策推進協議会」が組織されました。1999年には静岡県がコンクリートブロックにカジメを自然着生させ、ブロックごと榛南海域に移植する実験を実施するなど、県も藻場再生に向けた取り組みを行っています。さらに2009年に、漁業者と南駿河湾漁業協同組合による「榛南磯焼け対策活動協議会」が組織され、2つの協議会と静岡県が連携しながら、母藻の設置や種苗投入、藻場回復状況のモニタリング、藻食魚であるアイゴ・ニザダイなどの除去活動を行っています。

こうした取り組みの結果、現在では約870haのカジメ藻場が回復しました。従来の8,000haの10分の1以上が回復している計算です。減少していた貝類やアオリイカ等の回復もみられるようになりました。藻場の回復は、地球温暖化の抑制だけではなく、生物多様性の向上にも貢献しているのです。今回取得したJブルークレジットは、2021年4月1日から2022年3月31日までの藻場再生プロジェクトによる49.1[t-CO2]が対象になっています。

今後は、取得したクレジットを活用して、さらなるカジメ藻場の回復と、サガラメの復活に向けた活動を行うとのこと。そして20年ほど前に途絶えたアワビ漁などの再開による水産振興も目指すそうです。

令和4年度(2022年度)Jブルークレジット認証・発行について「榛南地域における藻場再生プロジェクト」
https://www.blueeconomy.jp/archives/2022-jbc-register/#03

静岡県「藻場回復への取組」
https://www.pref.shizuoka.jp/sangyoshigoto/suisan/suisanshigen/1047554/1028114.html


~~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~~


ほかにもわくわくする取り組み事例があちこちにあって、うれしくなります。少しずつでもご紹介していきたいと思っていますので、どうぞお楽しみに!

ブルーカーボンネットワークの説明と、活動を支えていただけるサポーターの募集について、こちらをご覧下さい。NPO法人として、みなさんからのご支援で活動を行っています。ぜひ支えていただけたらうれしいです!
https://bluecarbon.jp/network.html

 

このページの先頭へ

このページの先頭へ