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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2022年05月21日

ブルーカーボンの取り組みが進んでいます!

温暖化
生物多様性
 

本拠地・熱海で、藻場の再生を通じて、海の豊かさを取り戻しながら、海洋生態系によるCO2吸収量(=ブルーカーボン)を増やして温暖化対策にもつなげよう!というブルーカーボンの取り組みを進めています。

ブルーカーボン・ネットワーク

未来創造部のブルーカーボンプロジェクト

具体的にこんな活動をしています、という動画をつくってもらいました。よかったらご覧下さい。(昨年6月に撮影したものです

日本語:「ゼロよりマシ」- 藻場の再生に向けて - 枝廣淳子さんの挑戦 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=qRzMwF1dmKk

英語:"Better than doing nothing." - Edahiro's challenge to revive the sea -
https://www.youtube.com/watch?v=9cbyAyoOJxU


昨日もお客様をお迎えしたのですが、こちらのプログラムに参加される方、お問い合わせも増えています。

「ブルーカーボン」未来創造部レクチャー&体験プログラム

これは、ブルーカーボンや藻場の再生について知って、体感していただくプログラムです。ブルーカーボンとは?というレクチャーを受けていただいた後、作業艇で海上に出て、藻場の再生現場を船から見たり、水中ドローン(ROV)など使用している機器類を操作・体験いただくことができます。

少人数制のため、お持ちの課題や疑問をその場でお尋ねいただくこともできます。ブルーカーボンの取り組み現場が見たい、企業や組織として何かできないかと考えてくださっている皆さん、ぜひおいでください!

このように、熱海の海での活動も増えてきたため、昨年夏には、自分でも「2級小型船舶操縦免許」を取得しました! 実際の操船練習も進めています(いつかは私の操縦する船で熱海の海へ!^^;)

さて、ブルーカーボン・ネットワークがクラウドファンディングに挑戦した昨年11月からの半年間で、ブルーカーボンを取り巻く内外の状況が大きく展開しつつあります。世界でも海藻の潜在力への関心が高まり、取り組みが始まっています。ブルーカーボンクレジットの動向からも目が離せません!

そこで、6月8日開催する第2回のブルーカーボン・ネットワークのセミナーでは、あらためてブルーカーボンの最新動向を皆さんにお伝えしたいと思い、私が講師役となって、ブルーカーボンの基礎からカーボンクレジットも含む最新動向について解説します。また、国内外のブルーカーボンの取り組み事例や熱海での活動についてもご紹介する予定です。ご興味のあるすべての方々のご参加をお待ちしています!

賛助サポーター会員の皆さまは無料、個人サポーター会員の皆さまは割引価格でご参加いただけます。この機会に、ご関心のある企業・団体・個人の皆さまは、サポーター会員への参加をご検討いただければ幸いです。

▼会員制度についてはこちらをご確認ください
https://bluecarbon.jp/network.html

なお、今回は有限会社イーズの未来共創フォーラムと共催で行います。新たな出会いや学び、つながりをつくる場として、ぜひご活用ください。みなさまのご参加をお待ちしております。

■開催日時:2022年6月8日(水)13時~15時(開場:12時45分予定)

■会場:熱海会場(先着20名様)とWeb会議システム(Zoom)を使ったオンラインセミナーとの同時開催になります

※熱海会場とは
株式会社未来創造部 2階セミナールーム
住所:静岡県熱海市渚町7-5 エムズ熱海ビル
地図:https://goo.gl/maps/8cFXdp78GdPpXeF79

※お申込みいただいた方に前日までにオンライン(Zoom)の参加情報をお伝えします

■参加費:
ブルーカーボン・ネットワーク賛助サポーター会員:無料(1社・団体 3名様まで)
ブルーカーボン・ネットワーク個人サポーター会員:2,200円(税込)/名
ブルーカーボン・ネットワーク非会員の方(1回):4,400円(税込)/名

※参加費はブルーカーボンの活動費として使わせていただきます

■講師:枝廣淳子(ブルーカーボン・ネットワーク代表、株式会社未来創造部代表取締役)

■プログラム:枝廣による講演「ブルーカーボンとは? 最新の動向とは?」
       未来創造部メンバーによる熱海プロジェクトの紹介
       質疑応答

■主催:ブルーカーボン・ネットワーク(事務局:株式会社未来創造部)

■共催:有限会社イーズ

■お申込み
※ブルーカーボンネットワークの賛助サポーター会員の皆さま、個人サポーター会員の皆さまは、参加費やお申し込み方法が異なりますので、こちらをご覧下さい。
https://bluecarbon.jp/news/001324.html

【会員以外の皆さま】
以下のURLからチケットをご購入ください

▼熱海会場での参加を希望
https://mirainotane.stores.jp/items/62823a072772b9613b416737

▼オンラインでの参加を希望
https://mirainotane.stores.jp/items/62823a57c5f87604a696fef7

※上記(STORES)のサイトからのお手続きが難しい場合は、以下のお問い合わせ窓口までご連絡ください。

※参加費のお支払いを確認させていただいた方に、前日までにZoomのURLをメールでお送りさせていただきます。迷惑メール等に入らないようご注意ください。締切間際にお申込みされた方にも順番にご連絡いたしますので、お待ちいただきますようお願いいたします。

※チケットをご購入いただいた方には、後日、期間限定で当日の動画をご覧いただけるよう準備させていただく予定です。もし当日ライブ配信をご覧いただけなかった方はそちらをご利用ください(終了後、別途事務局より視聴方法をご案内させていただきます)。

■お申込み受付期限:6月7日(火)17時

■キャンセルについて
お申し込み後のキャンセル、ご返金はお受けできかねますので、あらかじめご了承ください。

【お問い合わせ窓口】
ブルーカーボン・ネットワーク(事務局:株式会社未来創造部)
(営業時間:午前9時~午後5時)
メール:info*bluecarbon.jp
(*を@に変更してお送りください)


さて、ブルーカーボン・ネットワークで取材・ご紹介している「日本・世界の取り組み」から、新しい事例をご紹介しましょう。写真等はこちらのURLからご覧下さい。
https://bluecarbon.jp/initiatives/


~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~


IGES:IPCC共催のワークショップ、海域の生態系やブルーカーボンの重要性を確認

2020年12月、IPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム)とIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による、生物多様性と気候変動についての合同ワークショップが開催されました。

このワークショップでは、気候変動と生物多様性の対策をそれぞれ別個に論じることはもはやできないという問題認識を背景に、生物多様性と気候変動の緩和・適応の間の相乗効果とトレードオフについて議論されました。

その結果をまとめた『生物多様性と気候変動 IPBES-IPCC合同ワークショップ報告書』では、6つの大項目と41の小項目でワークショップの内容を整理しています。海域が生物多様性にとっても気候変動対策にとっても非常に重要であることが随所で述べられており、小項目の一つでは「ブルーカーボン」についても紹介されています。その主な内容は以下のとおりです。

・陸域・海域の生態系の損失と劣化を回避し反転させることは、生物多様性保護と気候変動緩和の両立、および気候変動適応のコベネフィットを生むために重要である

・重要な生態系には、陸上生態系の他に、マングローブ、塩性湿地、コンブの森、藻場、比較的深い海域や極域の浅海域などの沿岸生態系(水域の炭素吸収源:ブルーカーボン)などがある

・生態系の中には、マングローブのように面積当たりの炭素吸収量が森林よりも大きいものもある

・生態系の破壊と劣化は、海洋生態系の生物多様性の損失の2番目に大きな要因である(陸域・淡水域生態系では最も大きな要因)

・自然生態系の破壊と劣化を反転させることで、生物多様性との間にコベネフィットを実現できる。また、沿岸の湿地帯やサンゴ礁は高波や海面上昇から沿岸を守る役割を果たし、湿地は洪水の低減に役立つなど人間の適応上のコベネフィットももたらす

なお、このワークショップの結果は、IPCC第6次評価報告書と総合報告書にも反映されることになっています。

IGES 『生物多様性と気候変動 IPBES-IPCC 合同ワークショップ報告書?IGES による翻訳と解説』
https://www.iges.or.jp/jp/publication_documents/pub/policyreport/jp/11634/IPBES_IPCC_ws_J_final.pdf?"

●東京ガスグループ:アマモ場再生活動
https://bluecarbon.jp/initiatives/001200.html

日本でも、企業によるブルーカーボンの取組みが広がってきています。東京ガスは、国土交通省が主宰する「東京湾UMIプロジェクト」に参画し、アマモ場再生に取り組んでいます。「UMI」は「海(Umi)をみんな(Min-na)で愛(I)する」の頭文字を取ったもので、横浜港金沢地区白帆にある人工浅場等を活用して、企業、NPO、市民等の協働でアマモ場育成活動を促進するプロジェクトです。東京ガス・サステナビリティ推進部の新井さんにお話を伺いました。

○取り組みのきっかけ ~森里海つなぐプロジェクト
東京ガスグループでは、私たちの暮らしを豊かにしてくれている「森」「里」「海」とのつながりに心からの"ありがとう"を言える社会を目指して、環境・社会貢献活動「森里海つなぐプロジェクト」を実施しています。お客さま、自治体、NPOなどとのつながりの輪を大きく育てていくことで、地球温暖化防止や生物多様性の保全、地域の活性化など、様々な効果を生む取り組みになることを目指すものです。

2017年から「東京湾UMIプロジェクト」に参画し、アマモ場再生への取り組みを始めました。「海」の活動としてアマモ場の再生に取り組んでいる理由の一つは、「森里海つなぐプロジェクト」が大切にしたい4つの価値観に重なっていたからです。
・長期的な視野を大切に、成果がすぐに見えにくい曖昧なことにも粘り強く取り組みます
・ワクワクと遊び心を大切に、面白がることに一生懸命になります
・ひと手間を大切に、アナログで身体感覚を発揮する方法を選択します
・地域の価値や資源を大切に、地域の様々な循環を生み出します

○つながりが支えるアマモ場再生活動
アマモ場再生の取り組みは地道な作業の積み重ねです。毎年同じサイクルを繰り返し、少しずつアマモを増やしていきます。具体的には、6月に海に入ってアマモの種がついた枝「花枝(はなえだ)」を採取します。採取した花枝は場所を選定して育て、種子が放出されるまで数か月熟成し、11月に種を海中に蒔きます。

この作業を毎年繰り返し行うことで、アマモ場の再生につなげようとしています。金沢八景-東京湾アマモ場再生会議やNPO法人海辺つくり研究会などの協力を得ることで、このサイクルをきっちりと回すことができています。

海底のアマモ観察には、水中ドローンを使います。浅瀬に植えたものは、直接確認することができます。また、国土交通省とも連携し、生息状況などをモニタリングしてもらっています。

取り組みを進める上で欠かせないのが、グループ従業員とその家族の参加です。これまで延べ約770名が活動に参加してきました。参加者にとっては、活動そのものを楽しむ場でもあり、"海と暮らしのつながり"を考える環境教育の場にもなっています。

2019年10月には、第3回東京湾海の環境再生賞で、みなと総合研究財団理事長賞を受賞。活動を続けてきたことへの自信につながっています。

○課題を乗り越えて
これまで約35万粒の種を蒔きましたが、すべてが順調に育っているわけではありません。台風や海水温上昇などの影響を受けると、アマモ場が突然なくなってしまうこともあります。そんなときは、海辺つくり研究会が主体となって、木更津など別のエリアで種を採取して横浜に移植するなど、東京湾内で地域間連携をしながら育ててもらっています。

また、影響を受けにくいアマモを育てるために、国土交通省と海辺つくり研究会が連携して、海水温上昇に強い種などの調査・研究も進めています。

コロナ禍による影響も小さくありません。人を集めての活動が限られているため、参加者の募集ができていないのです。しかし一方で、コロナ禍はチャンスを与えてくれているようにも思います。人の価値観が大きく変わり、リアルな体験の大事さにあらためて気づいたという声や、人々の社会貢献への意識が高まっていることも感じています。こうした良い面を生かしていけるよう、アフターコロナも見据えながら活動を続けていきます。

○アマモ場の再生活動をお客さまとともに
2021年、「ジャパンブルーエコノミー技術研究組合」が発行するブルーカーボンを対象とする「Jブルークレジット」としてアマモ場再生活動が認証されました。まずは自社でクレジットを購入し、横浜ショールームにおけるガス消費に伴うCO?排出を一部オフセットしました。

「Jブルークレジット」をきっかけに、アマモ場再生活動と本業のエネルギー事業がつながり、サステナビリティ推進部に当社法人営業部門からの問い合わせが増えてきました。法人のお客さまである企業とともに環境価値を共創する取り組みが益々増えていくことを実感しています。

「今後は、お客さまのみならず、より様々なステークホルダーと共に活動するためのお声掛けを続け、さらに炭素吸収量の計測など、取り組み効果の見える化も検討したいと思っています」と、新井さんは話してくれました。

暮らしや社会を支えるエネルギー事業を本業としている東京ガスでは、気候変動対策としてだけではなく、海の生態系保全や持続可能な食の確保といった自然資本を大切にするという観点からも、ブルーカーボンの可能性に注目しています。取り組みをどのように発展させていくのか、今後が楽しみです。

東京湾UMIプロジェクト
https://www.pa.ktr.mlit.go.jp/kyoku/59engan/umipro/umipro.htm

東京ガス:森里海つなぐプロジェクト
https://www.tokyo-gas.co.jp/env/tsunagu/index.html"


●世界:国際ブルーカーボンイニシアチブ
https://bluecarbon.jp/initiatives/001238.html

国際ブルーカーボンイニシアチブとは、沿岸および海洋の生態系の保護と復元をすることで気候変動の緩和を進めることに焦点をあてた統合的なグローバルプログラムです。このイニシアチブには世界中の政府や研究機関、非政府組織、コミュニティが参加し、コンサベーション・インターナショナル(CI)、国際自然保護連合(IUCN)、ユネスコ政府間海洋学委員会(IOC-UNESCO)が取りまとめています。

イニシアチブは沿岸の生態系を保護し、再生することを働きかけることで、地球の気候変動へのインパクトを軽減する役割を担っています。生態系の保護や再生に関わる活動を支援するために、科学や政策に関する国際的なワーキンググループをコーディネートしていて、必要な研究、プロジェクトの実施、政策の優先事項に関するガイダンスを提供しています。

また沿岸の生態系を保護、復元することでブルーカーボンの価値を守るプロジェクトをインドネシアやオーストラリア、コスタリカ、ラテンアメリカ、米国など世界各地で展開したり、ブルーカーボンシステムによる炭素隔離や貯槽、損失に関連する研究が進行中です。

加えて国際ブルーカーボンイニシアチブで34名の専門家チームを作り、沿岸ブルーカーボンの炭素ストックや排出係数を測定するための新しいマニュアルを作成しました。このマニュアルで科学者や沿岸の管理者が根拠のあるデータを入手することができます。イニシアチブはこのデータが沿岸の生態系や多様な生態系機能が保護されるような行動につながることを期待しています。

ブルーカーボンイニシアチブ(ウェブサイト)
https://www.thebluecarboninitiative.org/
https://www.thebluecarboninitiative.org/manual"


●商船三井グループ:マングローブの再生・保全でネイチャー・ポジティブ企業を目指す
https://bluecarbon.jp/initiatives/001258.html

2022年4月に生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)が開かれます。ここでは2030年までに生物多様性を回復軌道に乗せることを意味する「ネイチャー・ポジティブ」をミッションとした、生物多様性に関する世界目標が採択される見込みです。
 
企業には気候変動対策と同時に、生物多様性保全についての情報開示や目標設定が厳しく求められていくなか、いち早く「ネイチャー・ポジティブ」を目指そうと動き始めている企業があります。商船三井グループ(以下、商船三井)は、インドネシアでマングローブの再生、保全に取り組んでいます。
 
○マングローブが結ぶつながり
商船三井は、同社がチャーターしていたWAKASHIO号が2020年のモーリシャス沖で起こした油濁事故を契機に、現地の自然保護・回復プロジェクトを進めています。プロジェクトを通じて、特定非営利活動法人国際マングローブ生態系協会(以下、ISME)からマングローブの効果や重要性を学んだことが、ネイチャー・ポジティブを目指すようになったきっかけです。2022年1月7日、ISMEが技術指導を行っているワイエルフォレスト社(福岡市)と共同で、ブルーカーボン・プロジェクトに参画することを発表しました。
 
▼株式会社商船三井 プレスリリース
インドネシアにおけるマングローブの再生・保全事業に参画
~海の豊かさを守る ネイチャー・ポジティブ企業を目指して~
https://www.mol.co.jp/pr/2022/22002.html
 
今回の共同プロジェクトでは、活動期間を30年と定め、ワイエルフォレスト社が2013年からインドネシア南スマトラ州で取り組んでいる約14,000haのマングローブの保全活動に加え、新たなマングローブの植林活動を行います。
 
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書によれば、世界の温室効果ガス排出量の11%は森林破壊や森林劣化、山火事などの影響と言われています。放っておくと進んでしまう森林劣化を防ぐため、既存の14,000haのマングローブに対して適切な保全活動を実施することで約500万トンのCO2排出を抑制します。
 
新たな植林については、およそ9,500haの裸地を活用し、約600万トン のCO2を吸収・固定します。加えて、国際的なカーボンクレジット基準管理団体Verraによる認証を受けられるよう、手続きを進めています。
 
○マングローブで目指す人と自然の共生
亜熱帯の陸と海の境界に生息するマングローブは、陸域の森林と比べても単位面積あたりのCO2吸収量が多いだけではなく、「命のゆりかご」と呼ばれ多くの生態系を育んでいると言われています。
 
また、高波や津波を減衰させることから、沿岸に暮らす人々を守る役割もあり、気候変動への適応の観点からも注目されています。
 
本プロジェクトでは、マングローブそのものの再生・保全活動に加え、「シルボフィッシャリー」によるエビや魚の養殖にも取り組みます。「シルボフィッシャリー」は「Silviculture(造林)」と「Fishery(漁業)」を組み合わせた造語で、養殖池にマングローブを植林し、自然に近い状態でエビや魚を育てる手法です。植林したマングローブが水面に落とす葉に餌となるプランクトンが集まることで、飼料や投薬が不要となり、費用があまりかからないため、地域住民の暮らしの向上につながります。
 
このように、マングローブが持つさまざまな特性を生かし、人と自然が共生する社会の実現を目指していきます。

商船三井グループは、「海洋・地球環境の保全」「地域社会の発展と人材育成」などのサステナビリティ課題を特定し、2021年6月に環境ビジョンを改訂し、海運企業の中でもいち早く2050年までのネットゼロ目標を掲げました。マングローブを活用した取り組みをどのようにビジョン実現につなげていくのか、今後の展開が楽しみです。

(ご参考)商船三井グループ 環境ビジョン2.1
https://mol.disclosure.site/ja/themes/132"


●三重県鳥羽市:鳥羽市水産研究所の「鳥羽工法」によるアラメ再生
https://bluecarbon.jp/initiatives/001281.html

鳥羽市には1964年に設立された鳥羽市水産研究所という市立の研究所があります。設立当時は、黒のりやわかめ等の種苗センターとしての位置付けでしたが、現在では藻場再生や教育活動を行ったり、内閣府の地域再生計画の認定を受けた「鳥羽海藻文化革命」で中心的な役割を担ったりするなど、幅広い活動を行っています。
 
この研究所で、10年ほど前に開発されたのが「鳥羽工法」と呼ばれる自然石を用いたアラメの再生方法です。鳥羽工法について、鳥羽市水産研究所の研究員をしている岩尾豊紀さんにお話を伺いました。
 
鳥羽工法によるアラメ再生は以下の流れで行われます。
(1)成熟したアラメを海で採取します
(2)アラメの胞子をクレモナ糸という糸につけて、胞子を育成します
(3)発芽したアラメを糸ごと木片に取り付けて育成します
(4)3、4ヶ月で20cm程度までアラメが育ったところで、木片を自然石に取り付けます
(5)その自然石を水深2~3メートルの海底に配置し、1年間自然の中で育てます
(6)最終的に、再生したい藻場に自然石を移設します。

アラメを採取してから藻場に移設するまで、1年半程度のプロセスです。

鳥羽工法で自然石を使うのはなぜでしょうか? 海底で藻を育てるための台座を沈める場合は、港湾管理者や漁港管理者などの許可を取る必要があります。その際、自然石は構造物ではないため、許可を取ることが比較的容易であるという利点があります。また、手で抱えて運べる程度の大きさの自然石を使うため、大規模な藻場再生プロジェクトに比べて、小さい範囲からはじめられ、試行錯誤がしやすいといったメリットもあります。

現在は、水深2~3メートルの海底でアラメを1年間育てる(5)の段階まで、技術が確立しています。ただし、(6)の段階で藻場に自然石を移設した後、波や魚などによる食害の影響で枯れてしまう状況が続いているそうです。そこで今後は、アラメの移設場所にホンダワラ類も植えることで、食害生物の影響を分散させながら、ホンダワラとアラメの両方が茂る豊かな藻場を増やすことを計画しているとのことです。

まだまだ発展を続ける鳥羽工法の試み、参考になります!
 
鳥羽市水産研究所
https://www.city.toba.mie.jp/suisan/suikenn.html

鳥羽市水産研究所のフェイスブックページでは活動のようすがご覧いただけますhttps://www.facebook.com/tobacitysuisankenkyujoneo

ーーーーーーー

これからも内外のブルーカーボンの取り組みをご紹介しながら、熱海のリアルの現場でも取り組みを進めていきます!


最後に、いくつかご案内を。お役に立ちそうなものがありましたら幸いです。

●7月13日(水)開催:オンライン
チェンジ・エージェント社 変革リーダーズセミナー「東洋思想からの学び:リーダーとしての自分を磨く(「孫子」編)」

●エダヒロが直接指導します 
2022年9月3日 翻訳道場@熱海&オンライン

●メール講座「英語を話すための30本ノック」アップデート版をご利用いただけます!

「英語を話したいのに話せない」「英語を話さなくてはならないのに、なかなかうまく話すことができない」--環境や社会に関連した出題メールを1本ずつ英語に変えつつ、英語発信力を高めるトレーニングです。

2022年3月に講座の一部をアップデートして、新しい出題を加えました。初めて受講する方はもちろん、過去に受講した方も復習を兼ねて、ぜひこの講座で「英語を話す筋肉」を鍛えてみませんか。

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やろうと思っていてもなかなか進んでいないことはありませんか?
「やらなくては」と頭のどこかで気になりつつ、忙しい毎日の中で優先順位が低くなりがちなことがありませんか?

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●未来創造ユースチーム あしながサポーター募集中
https://mirai-sozo.work/topics/011321.html

 

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