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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2020年01月21日

グローバル・リスク~持続可能性アンケートの結果~2020年のエダヒロの注目テーマ(2020.01.21)

大切なこと
 

今日からスイス・ダボスで「世界経済フォーラム」(ダボス会議)が始まります。毎年この時期に開かれるダボス会議には世界中から主要な政治家やビジネスリーダー、学者、NGOなどが集まり、世界が直面する問題についての議論します。

今回は、世界各国から、3000人の政財界のリーダーの参加が見込まれているそうです(トランプ大統領も参加予定とのこと)。

毎年、この会議の前に、「世界は今どのような問題に直面しているのか」を伝える「グローバル・リスク報告書」が出されます。

今年の「グローバル・リスク報告書2020」も発表されています。
http://www3.weforum.org/docs/WEF_Global_Risk_Report_2020.pdf

まだ日本語版が出ていないので、英語ですが、2ページ目を見てみてください。このグローバル・リスクは、「どれぐらいの確率で起きそうか」と「どれほど大きなインパクトがあるか」の2つの軸で評価されています。2ページ目には、それぞれの軸ごとに、2007年から2020年までのリスク評価の結果が出ています。

青色が「経済に関わるリスク」、緑色が「環境に関わるリスク」、オレンジ色が「地政学的リスク」、赤色が「社会に関わるリスク」、紫色が「テクノロジーに関わるリスク」です。

色だけでも見ていただくと、以前は経済に関わるリスクが多かったが、近年環境に関わるリスクが増え、2020年は「生じる確率」では5大リスクすべてが環境に関わるものとなっていることがわかります。上から、「極端な気象現象による被害」「気候変動の緩和と適応の失敗」「大規模な自然災害」「生物多様性の損失と生態系の崩壊」「人為的な環境被害」と、気候変動に関わるものが多くなっています。昨今の世界各地の被害を見るとむべなるかな......ですね。

3ページ目は、「起こる可能性」と「被害の大きさ」の2軸でプロットしたものです。右上にいくほど、「起こる可能性が大きく、起こったときの被害が大きい」ものとなります。緑色が圧倒的に大きなリスクとして認識されていることがわかります。

こういったリスク認識を背景に、ダボス会議ではどのような議論が展開されるのでしょうか。グレタさんも参加されるとのこと、トランプ大統領は何を語るのでしょうか。

さて、ダボス会議の「グローバル・リスク報告書」は、世界中の専門家や意思決定者へのアンケートをもとにしていますが、日本の関心ある人々の認識はどうでしょうか?

毎年12月にメールニュースの読者に「持続可能性に関わるアンケート」をお願いしています。その結果をお伝えしたいと思います。169件の回答をいただきました。
男性:66%、女性:34%
20代:2%、30代:11%、40代:20%、50代:32%、60代:18%、70代:14%、80代:2%

ご協力くださったみなさま、ありがとうございました!

以下に結果をお伝えします。2016年にアンケートを開始してからの推移はウェブからグラフをご覧ください。


~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~


(1)2019年を振り返って、以下のそれぞれについて、どのように感じていますか?それぞれ選び、そう思った理由をいくつでも挙げてください。

a.地球環境

ist_20200121_02.jpg

良くなった:0%
少し良くなった:0%
変わらない:2%
少し悪化した:15%
悪化した:83%

○「悪化した・少し悪化した」と思う理由
台風など自然災害や異常気象の増加(129人)
プラスチックゴミ問題(10人)
COP25などでの主要国の消極的な姿勢(7人)
生物多様性の喪失(6人)


b.世界の持続可能性への取り組み

ist_20200121_03.jpg良くなった:2%
少し良くなった:36%
変わらない:23%
少し悪化した:17%
悪化した:22%

○「悪化した・少し悪化した」と思う理由
COP25の結果(11人)
米国のパリ協定離脱(9人)
自国第一主義の台頭(9人)
不十分な気候変動対策(5人)

○「少し良くなった・良くなった」と思う理由
グレタさんの活動、気候ストライキなど(15人)
SDGsの盛り上がり(14人)
民間・一般の意識の高まり、よい取り組み(10人)
COP25、気候行動サミット(8人)


c.日本の持続可能性への取り組み

ist_20200121_04.jpg良くなった:0%
少し良くなった:14%
変わらない:35%
少し悪化した:15%
悪化した:36%

○「悪化した・少し悪化した」と思う理由
安倍政権の姿勢(24人)
石炭火力発電の推進(22人)
原発依存、再稼働(8人)
化石賞受賞(7人)
小泉環境大臣の姿勢(6人)
経済優先の考え方(6人)

○「少し良くなった・良くなった」と思う理由
SDGsの浸透(9人)
民間・一般の意識の高まり、よい取り組み(8人)


(2)2019年の「持続可能性に関わる10大ニュース」を選ぶとしたら、どのようなものが挙げられるでしょうか?(※挙げられた順位に関わりなくカウントしています)

地球温暖化の影響(台風、森林火災、熱波など)(164人)
グレタさんの活動、気候ストライキなど(98人)
プラスチック問題(海洋汚染、レジ袋有料化など)(63人)
COP25、気候行動サミット(47人)
日本の石炭火力推進、化石賞受賞(34人)
気候非常事態宣言、CO2ゼロ宣言都市(22人)
SDGsの取り組み(22人)
小泉環境大臣就任、動向(21人)
米国パリ協定離脱(21人)
食(食品ロス、農業、海洋資源など)(21人)
アマゾン火災、ブラジルの反環境政策(18人)
ゴア氏来日、東京でのトレーニング開催(13人)
RE100など再エネ普及の動向(12人)
ESG、TCFD、ダイベストメント(12人)


(3)2020年、持続可能性に関わるどのような動向に注目しますか?

エネルギー(再エネ、蓄電池、エネルギー政策など)(79人)
温暖化への取り組み(緩和策、適応策など)(45人)
気候変動、自然災害(43人)
プラスチック問題(海洋汚染、レジ袋有料化など)(40人)
食(食品ロス、農業、海洋資源など)(27人)
COP26、パリ協定始動など(27人)
SDGsの取り組み(24人)
原子力発電(再稼働、廃炉、政策、汚染水など)(23人)
東京五輪と持続可能性の関わり(21人)
グレタさんや若い世代の活動(21人)
米国大統領選挙など(19人)
地域の取り組み、地域循環,など(19人)
気候非常事態宣言、CO2ゼロ宣言都市(18人)
循環型社会、3Rなど(17人)
石炭火力発電の動向(13人)
企業の取り組み(13人)


~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~


私が注目しているのも、「気候変動」、それにも関連しますが、「石炭火力発電」「原発」の動向を含む「エネルギー」、「SDGsへの取り組み」、「プラスチック問題」などです。

加えて、「地域の持続可能性」(経済面、社会面、環境面、人口面)も自分の関心と活動の中心となります。

もう1つ、システム思考では「昨日の解決策が今日の問題を創り出す」と言います。気候変動への対応として、FIT制度などを導入して、急速に再エネを拡大してきたことは、温暖化対策としてはうれしい展開です。

しかし、同時に、副作用や予期せぬ結果を考えないまま導入してきたことから、新たな問題が生じつつあります。たとえば、大規模ソーラーの開発のために、山を切り拓いている場所がたくさんあります。

先日も、大規模な土地改変が地域の生態系や水循環に悪影響を及ぼしている状況を案内してもらって見てきました。近年、台風による倒木などの被害が拡大している一因になっているという見方もあります。いったん、土中の水の流れを壊してしまったら、あとでソーラーパネルを撤去したとしても、元には戻らないでしょう。ソーラーパネルの設置を考えるとき、地面から上だけを見て計算していますが、同時に、地面の下への影響も見なくてはなりません。

温暖化対策は急務です。同時に、それができるだけ新たな問題を生まないよう、考えながら進めなくてはなりません。この手綱の取り方が今後のリスクの動向を左右すると考えています。

 

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