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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2015年08月01日

米国シューマッハ・センターのニュースレター「地域経済の担い手たち」より (2015.08.01)

新しいあり方へ
 

あっという間に、今年も7ヶ月が過ぎてしまいました。いつもに増して暑い夏、お元気にお過ごしでしょうか。

少しまえに米国のシューマッハ・センターから届いた楽しそうなニュースレター、実践翻訳チームが訳してくれましたので、抜粋してお届けします。

~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~

地域経済の担い手たち

先週末(※訳注:5月初旬)世界中の150以上の都市で、市民同士が連れだって近隣地域を歩いてまわるウォークイベントが開催されました。一緒に歩きながら、町の歴史を語り合い、現在の状況を見学し、将来の町の姿を考えようという試みです。

ニューヨーク市では、ミュニシパル・アート・ソサエティ・オブ・ニューヨーク(都市計画のサポートを行うNPO団体)が把握しているだけでも、5区全体で200以上のウォークイベントが行われました。
http://www.mas.org/janeswalk/

この催しは作家ジェーン・ジェイコブスにちなんで「ジェーンズ・ウォーク」と名付けられています。ジェーン・ジェイコブスは、徒歩で暮らせる町、つまり住宅地や製造業、小売業、オフィス、学校そして公園が歩いて行ける範囲内にまとまっている町を提唱しました。これら多様な社会集団が近隣関係にあることで、歩道での立ち話といったような機会が生まれ、それが町の経済の活気を支え新たな企業の発展の機会をつくりだすというのです。

タイズ・カナダ・イニシアティブズ・ソサエティ(カナダの環境団体)が管理するジェーンズ・ウォークのウェブサイト(http://janeswalk.org/)は、「このウォーキングは誰が主催してもかまいません。誰もが、自分が住んで、働いて、活動している場所に関してはエキスパートなのですから」と謳っています。

この自分たちで組織するという精神にのっとって、今回のウォーキングも、必ずしもすべての主催者が本部に届け出たわけではありません。ニューヨーク州の小さな田舎町コペイクでは、35人の住宅所有者たちが、そのほとんどは別荘の住民ですが、町役場の担当者に町歩きに加わってほしいと頼み込みました。自分たちを迎え入れてくれたこの地域の将来にどうしたら寄与できるか、ヒントを得たいというのが動機でした。
https://gallery.mailchimp.com/69d509d113032e3126c4543ce/images/cea33c8b-a36a-4e16-890a-0bcae391e20d.jpg

シューマッハ・センターのアリス・マッジョとレイチェル・モリアーティは、同センターの地元であるマサチューセッツ州グレート・バリントンでジェーンズ・ウォークを開催しました。

参加者は、市役所を出発して、ピッツフィールド・コープ銀行に立ち寄り、ドルを地域通貨のバークシェアに両替えした後、ニューイングランド・ログ・ホームの製造工場跡地の再開発計画状況を見学。フーサトニック川沿いの遊歩道を、この遊歩道の創設に携わったレイチェル・フレッチャーと一緒に歩きました。

遊歩道を歩きながらレイチェル・フレッチャーは、この町が生んだ偉人、W・E・B・デュボイスについて、彼には社会活動家だけでなくフーサトニック川を愛する環境保護者の顔もあったことを話してくれました。

参加者たちはコーヒーショップのフューエルで、バークシェア通貨で支払ってコーヒーとチョコレートクロワッサンを楽しんだ後、スナップ・ショップ写真店を訪れて、店主のスティーブ・カルロッタからレールロード・ストリートの景観が歴史的に発展してきた様子を教えてもらい、ついでローレン・クラーク・ファインアート・ギャラリーで地元の芸術家たちの作品を鑑賞しました。

そしてウォーキングの締めくくりに、プレーリー・ホエールでグリーングリッツ(青菜入り粗挽きトウモロコシ料理)とハムのブランチスペシャルを堪能してバークシェア通貨を使い切りました。

バークシェア通貨を取り扱っている店や企業は400にのぼりますが(http://www.berkshares.org/business/search)、アリスとレイチェルは歩きながら、そういったお店を幾つか指し示して皆に教えました。

二人は、それらの小規模企業オーナーたちこそが、支援に積極的な市民と協調してバークシャー地方で新しい経済を築きつつあることをよく理解しているのです。

アリスはウェブに連載している「今月のバークシェア通貨ビジネス」(http://www.berkshares.org/business_of_month)の中で、これらの店や企業を毎月一つ取り上げて紹介しています。彼女のインタビューを読むと、こういった事業者たちを一致団結させているこの取り組みの深い価値がよくわかります。

一つの地域社会、その景観、そこに住む人々に対してこうして皆で関わりあうこと、それこそが公正で持続可能な将来の経済を築くものなのです。

だからこそ、自らの地元で地域経済を担ってがんばっているすべての人々--これには運動を支える市民や責任ある生産者も入ります--に、敬意を表したいと思うのです。一人一人の取り組みは目立たなくても、彼らの実績の積み重ねが地域経済を活性化させていることを、私たちは皆知っています。

~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~

地域通貨を使って、町の人たちと一緒に町を歩いて、町のことを知り、楽しみながら、地域経済にも貢献する--素敵ですね~!

> ジェーン・ジェイコブスは、徒歩で暮らせる町、つまり住
> 宅地や製造業、小売業、オフィス、学校そして公園が歩いて行ける範囲内にまと
> まっている町を提唱しました。

とあった、まさにこのジェーン・ジェイコブスの書いた、まちづくり・地域創生のバイブルともいえる書籍『発展する地域 衰退する地域~地域が自立するための経済学』を次回の読書会で取り上げます。

まちづくりや地域の活性化にご興味のある方、ぜひ一緒に勉強しましょう。本を読んでいなくても(持っていなくても、、、^^;)参加できます。
http://ishes.org/news/2015/inws_id001572.html

 

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