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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2015年05月06日

パリ市の住民参加型の予算制度~奈良市「子どもにやさしいまちづくり」条例(2015.05.06)

世界のわくわくNews
 

幸せ経済社会研究所のウェブサイトに、パリ市のすてきな取り組みがアップされました。住民が予算の使い方のアイディアを出し、住民投票で選ばれたものに、実際に予算が付くのだそうです。ステキですね!

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パリ市の参加型予算:「住民による住民のための」市の予算の使い方

パリ市では「参加型予算」という制度を2014年から2020年にかけて実施中です。パリ市の参加型予算は、住民から「こんなことに市の予算を使って欲しい!」というアイデアを募り、その中から、実際に予算を使うプロジェクトを住民投票で選ぶ制度です。

住民参加型予算には様々な方法がありますが、フランスのパリ市の他にも、米国のニューヨーク市やボストン市、ブラジルのポルト・アレグレ市など、世界中で1,500以上の都市や組織が参加型予算を実施してきました(*1)。

パリ市の年間予算は80億ユーロ(約1兆円*2)ですが、このうちの18%が建物や道路・公園といった公共の場の建設と改修に使われています。参加型予算には、この建設や改修に使われる予算のうちの5%が割り当てられていて、住民は区のため、あるいは市のためのプロジェクトを提案することができます。

2014年から2020年までの間の予算は5億ユーロ(約660億円)で、2015年はパリ市のためのプロジェクトに3,700万ユーロ(約49億円)、区のためのプロジェクトに3,800万ユーロ(約50億円)が割り当てられています。

それではどのようなプロジェクトが参加型予算によって実施されているのでしょうか。2014年の事例の1つとして投票で約13,000票を集めた「道路を子どもに返そう」というプロジェクトをご紹介します。これは、昔は子どもの遊び場だった道路を「午後の3時間」と時間を区切って歩行者天国のような形で遊び場として子どもたちに開放するプロジェクトです。

その道路には石蹴りや迷路遊びなどのための枠がペイントされる予定です。可能であれば1つの区に1つずつ、つまりパリ市のすべての区(パリには20の区があります)に作られることになっています。このプロジェクトには、約150万ユーロ(約2億円)かかります。

2014年の投票で実施が決まったその他のプロジェクトには、幼稚園と小学校に畑をつくるプロジェクト、窓のない建物の外壁などを緑化するプロジェクト、学生とビジネスマンが一緒に働く共有スペースをつくるプロジェクトなどがあります。

参加型予算のプロジェクトは、次のようなスケジュールで決められます。

1月から3月中旬にかけて:この期間に住民はプロジェクトをインターネットで登録します。パリの住民であれば、年齢と国籍を問わず全ての人が、自分のアイデアを登録することができます。

5月末まで:市の担当部局によってプロジェクトの妥当性が検討されます。

6月:住民投票にかけるプロジェクトが発表されます。

9月:住民投票によって実施されるプロジェクトが決められます。投票期間は11日間で、投票はインターネットおよび紙の投票用紙で行なわれます。

2015年のプロジェクトの登録は、3月15日に締め切られましたが、18,954人のパリの住民が5,115のアイデアを登録したとのことです。

*1 http://www.participatorybudgeting.org
*2 レートは2015年5月現在のもの(その他も同様)

参考リンクパリ市の参加型予算について、詳しくはこちら(フランス語)
https://budgetparticipatif.paris.fr/bp/le-budget-participatif-.html

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日本でもこういう「住民参加型の予算づくり・執行」の取り組みがあったらいいですね! 何か情報があったらぜひ教えてください~。

さて、上記のパリの取り組みでも「子どもたちに道路を返そう」というものがありましたが、日本では奈良市が「子どもにやさしいまちづくり」条例を制定しました。子どもたちも一緒に作った、というステキな取り組みです。今度はJFSのウェブサイトからご紹介します。

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「子どもにやさしいまちづくり」、奈良市が条例を制定

2014年12月18日、奈良市では「子どもにやさしいまちづくり条例」が成立しました。「子どもにやさしいまち」(Child Friendly Cities=CFC)は、1996年にユニセフが提唱した概念です。古都平城京がおかれ、数々の文化財が世界遺産にも登録されている奈良市は、子どもにとってどのようなまちを目指し、取り組みを進めて来たのでしょうか。

今回制定された条例は「奈良市の子どもたちが今を幸せに生きることができ、将来に夢と希望をもって成長していけるようにし、及び子ども参加によって大人とともにまちづくりを進めること」を目的に掲げています。基本となる理念は日本国憲法と、国際連合が1989年に定めた児童の権利に関する条約です。

奈良市は2012年に条例の検討委員会を設置し、17回にわたり協議を重ねてきました。併せて「子どもワークショップ」も2012年度に6回、2013年度に5回開催しています。ワークショップでは、公募などで募集した市内在住の10~17歳の子どもたちが、サポーター役の大学生や検討委員と共に、条例がより充実したものとなるよう、ディスカッションなどが行われました。

子どもたちからは「これからも色々な立場の子どもの意見を聴いてほしい」、「安全に学校に行けるよう通学路を広くしてほしい」、「子どもから出された意見が事実かどうか、見分けるための仕組みを条例の中で設けてほしい」といった意見が積極的に出され、今回制定された条例に反映されています。

具体的には、意見表明と参加の場として「奈良市子ども会議」が設置されます。この会議は、子どもたちの自主的・自発的な取り組みによって運営されるもので、市長に意見を提出することができます(第12条)。

また、大人たち(市・保護者・地域住民・教育施設などの関係者)は、犯罪、交通事故、災害などの被害を子どもが受けないよう、安全な環境づくりに努めるよう定められています(第16条)。そして、安全なだけではなく、自然との触れ合いや様々な遊び、子ども同士の交流を通して豊かな自己を育むことができる場所づくりにも努めることが大人たちに求められています(第17条)。

事業者の役割も規定されており、「労働者が仕事と子育てを両立できるような必要な職場環境を整備すること」が盛り込まれています(第10条)。この他にも、障がいのある子どもやひとり親家庭の支援、虐待・いじめの対策なども全21条に含まれています。

奈良市は、「子どもにやさしいまちづくり」の推進は、子どもだけではなく、市内に住む人や市を訪れるすべての人たちにとっても、やさしいまちづくりにつながるという理念を取り組みの基礎としています。この条例は、2016年4月1日から施行されます。

日本では、2000年に川崎市が子どもの権利に関する条例を初めて制定しました。今回の奈良市に続き、他の自治体でもこの動きが拡がっていくことが期待されます。

(以上)

 

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