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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2014年12月11日

江守正多さん「今年の世界平均気温が観測史上最高となる見通し」 (2014.12.11)

温暖化
 

今日からエコプロダクツ展が始まりました。
http://eco-pro.com/2014/

私は12日の午後にパネルに登壇、13日の13~14時に気候変動の科学者江守正多さんと対談させていただく予定です。

(12日のパネルは当日のご参加もOKのようです。よろしければどうぞ!
http://www.goo.ne.jp/green/business/env_report/web_sympo2014/ )

その江守さんがYahoo!ニュースの個人オーサー記事に「今年の世界平均気温が観測史上最高となる見通し」という記事をアップされました。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/emoriseita/20141205-00041241/

ご了解を得て、ご紹介します(メールでの読みやすさのため改行を入れさせていただいています)。

~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~

「今年の世界平均気温が観測史上最高となる見通し」

江守正多(国立環境研究所 地球環境研究センター 気候変動リスク評価研究室長)

●WMOが世界平均気温記録更新を示唆今年の世界平均気温が観測史上最高となる可能性があるという見通しが、12月3日に世界気象機関(WMO)により発表された。ペルーのリマで行われている国連気候変動枠組条約第20回締約国会議(COP20)に際しての発表だ。

2014年1月から10月までの世界平均気温は、平年値(1961~1990年の平均)を0.57℃上回っており、残り2か月もこの傾向が続けば、観測史上最高記録を更新する。これまでの最高記録が出たのは、データ処理の詳細によって微妙に結果が変わるが、気象庁のデータでは1998年だ。今世紀に入って98年の記録が更新されていないことから、気温上昇は停滞していると言われていた。

●エルニーニョとの関係は1998年の最高記録は、記録的なエルニーニョ現象に伴って生じたものだ。熱帯東太平洋の海面水温が上昇するエルニーニョが起こると、世界平均で見ても気温が高くなりやすい。エルニーニョとその反対の状態のラニーニャは数年おきに行ったり来たりする自然現象だが、その変動の様子は不規則である。

今年の春ごろ、夏にはエルニーニョが発生する可能性が高いという予測が気象庁から発表されたので、筆者はエルニーニョに伴って世界平均気温が上昇するのではないかと思い、データに注目していた。しかし、熱帯東太平洋の海面水温は予測されたほど上がらず、現時点までエルニーニョの発生には至っていない。

ところが、エルニーニョが起こっていないにもかかわらず、4月に入って月平均の世界平均気温は過去の記録を更新し続けたのである(7月のみ2位で、それ以外の月はすべて過去最高記録)。

今世紀に入ってからの気温上昇停滞期には、熱帯東太平洋の海面水温が相対的に低いラニーニャに近い状態が続いていた。これが今年はエルニーニョ「気味」になってきたと思ったら、強いエルニーニョの発生を伴わずとも世界平均気温は大きく上がってしまった。今までのラニーニャ気味の状態に隠れた形で、気温変動のベースが上がってきていたという印象を受ける。

●今後の顕著な気温上昇の兆しかもし、今年を境にエルニーニョ気味の状態が長期的に維持されるならば、世界平均気温は80年代、90年代に見られたような顕著な上昇傾向に再び戻るだろう。または、もしかすると今年は一時的な現象で、またラニーニャ気味に戻り、気温の停滞がまだしばらく続くかもしれない。どちらになるのか、現時点で筆者には判断できない。

しかし、遅かれ早かれ、いつかは気温上昇が顕著な上昇傾向に再び転じ、長期的には世界平均気温が上昇し続けることは間違いないと思う。それは、地球全体が持つエネルギーが年々増加しているからだ。

大気中の温室効果ガスの増加によって、地球から宇宙に逃げる赤外線のエネルギーは減っており、地球が太陽から受け取るエネルギーよりも少ないエネルギーしか宇宙に逃げていかない状態が続いている。

つまり、地球のエネルギー収支は黒字続きである。これは地球温暖化の仕組みの基本であるが、実際に衛星からの観測によって、地球のエネルギー収支が黒字であることは確認されている。

地球全体が持つエネルギーが年々増加しているにもかかわらず、今世紀に入って世界平均気温の上昇が停滞していたのは、増加分のエネルギーが海洋深層に運び込まれ、地表面付近に配分されていなかったせいであることが、徐々にわかってきている。

詳細なメカニズムの解明にはまだ研究が必要だが、ラニーニャ気味の期間にはそのようなことが起こるようだ。逆にエルニーニョ気味の期間が始まれば、増加分のエネルギーは地表面付近の顕著な温度上昇となって現れるだろう。

●5年前の答え合わせ2014年の世界平均気温が過去の最高記録をほんの少し上回るか否かは、気候の科学にとってはあまり本質的でない。それは長期的な気温上昇傾向の中の時間断面として起こっている現象に過ぎない。

しかし、白状すると、実は筆者は「2014年の平均気温」を特別な興味を持って見守っていた。

2009年に、テレビ朝日の「朝まで生テレビ!」で、今世紀に地球は温暖化するか寒冷化するかという討論に参加したことがある。筆者の主張はもちろん温暖化だ。その際、寒冷化を主張するパネリストの方が「5年後にはわかります」とおっしゃった。

今年がその「5年後」である。

どんなに控えめに言っても、今年の世界平均気温は地球寒冷化の兆しには見えない。このことは誰もが納得してくれるだろう。

~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~

上記の2009年の「朝まで生テレビ!」には私も出演していて、江守さんと寒冷化を主張するパネリストとのバチバチっというやりとりを目の前でみていました。このとき寒冷化を出張されていた方、現在はどのようにお考えなのか、うかがってみたいです。。。

さて、エコプロ展には、イーズ未来共創フォーラム異業種勉強会のパートナー企業・団体も数多く出展しています。会場においでになる方、よかったらぜひブースをのぞいてみてください。

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イオン株式会社
ブース: 東3ホール 3-031
みどころ:オーガニック、MSC認証、ASC認証、FSC認証など、サステナブルな
     社会を考えたイオンのブランド「トップバリュ」を紹介!
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高知県
ブース:ニッポン・エコビジネス 1-049
みどころ:日本一の森林率を誇る高知県の自然を守る「協働の森・川づくり事      業」と「カーボン・オフセット」の取り組みを紹介・提案。】
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大和ハウスグループ
ブース:東2ホール、2-045
みどころ:"For Sustainable Future"をコンセプトに、環境配慮型の事業
     や先端技術等をご紹介。当社グループが目指す社会を表現した
     プロジェクションマッピングも、ご覧頂けます!
     http://www.daiwahouse.co.jp/eco/ecopro2014/
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タカラトミーグループ
ブース:4-014
みどころ:トミカ・プラレール・リカちゃんの歴史とエコの進化を
     展示や体験コーナーでご紹介します!  
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株式会社ブリヂストン
ブース:4-010
みどころ:「自然と共生する」、「資源を大切に使う」、「CO2を減らす」
      ための取り組みをご来場の皆様にご紹介
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三井物産株式会社
ブース:6-032
みどころ:昨年も大好評の「丸太切り体験」や「木づかい」を通して社会の
     問題やみんなの未来を考える三井物産「サス学」アカデミー。
     URL:https://eco-pro.biz/study/info/EP/194
     URL:http://eco-pro.com/2014/experience/000068.html
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矢崎総業株式会社
ブース:5-017
みどころ:高知県で進めている循環型社会の取り組みなど、矢崎がコツコツと
     実施しているエコのコツを体験型展示で紹介します。
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認定NPO法人環境リレーションズ研究所
ブース:F-25(「森林からはじまるエコライフ展」ゾーン内)
みどころ:記念樹の森づくりで都市と地域をつなぐPresent Tree活動の全てを、
     様々なコラボ事例も交えて一挙にご紹介します。
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私が教員を務めている東京都市大もブースを出しています。企業だけではなく、NGOも大学も自治体も一緒にブースを出して、ネットワーキングの機会にもなっているエコプロ展、本当に貴重で大事な場だなあと思います。

 

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