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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2014年10月29日

クラウドファンディング「水道整備から見放された限界集落の水確保の支援を行いたい」へぜひご支援を (2014.10.29)

水・資源のこと
 

水ジャーナリストの橋本さんからいただいたメッセージです。人口減少・高齢化時代の日本の社会のあり方、維持し方を考えるうえで、考えさせられルとともに、参考になります。

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水道がない地域、といっても海外の話ではありません。日本の話です。日本にも水道インフラの整備されていない地域があります。「うちの水道水はうまい、まずい」とかいう以前に、そもそも水道がないんですよ。

こうした地域はわき水などに恵まれているケースが多いのですが、そうではない地域も多数あります。この大分県豊後高田市の黒土地区もその1つです。地元の水源は鉄とマンガンを大量に含みとても飲む事はできません。

そこで、これまでの公共水道の発想から脱し、コミュニティーで小さな給水施設をつくるという取り組みがはじまりました。

現在日本の水道システムは非常に厳しい状態にあり、過疎地域の水道は維持できないので給水車で水を供給しようということがまじめに検討されています。

そうした状況を考えると、この大分モデルが、人口減少地域での先進事例となる可能性が高いと思います。どうか先進事例を育てるという意味でも、このプロジェクトにご支援をお願いします。そして、地方の水道担当者の方は、この事例を見に行ってください。

~~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~

以下は、橋本淳司さんの公式ページより、詳しい説明です。写真や図等は以下のURLからご覧下さい。
http://www.aqua-sphere.net/solution/08/as08.html

~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~
日本の水道普及率は97.5%(平成22年)。
※水道普及率=総給水人口÷総人口総給水人口
※総人口総給水人口=上水道人口+簡易水道人口+専用水道人口

都道府県別に水道普及率を見ると、100%普及している東京都、沖縄県がある一方
で、熊本県の86.1%、福島県の89.6%と低い地域もある。

単純に考えると約300万人が水道の通っていない地域に住んでいる計算になる。
だからといって水が飲めないわけではない。
こうした地域の多くは山村にあり、清浄な湧き水、地下水など水に恵まれた地域でもある。

ところが近年事情が変わってきた。
地域の高齢化が進み、施設の維持管理がむずかしくなっていたり、水質が悪化し
たり、水量が不安定になったりする地域も出てきた。
こうした地域では新たな解決手法が求められている。

大分県豊後高田市の黒土地区は人口223人の小集落で良好な水源がない。
表流水、浅層地下水は乏しく、比較的水量を確保できる深層地下水には、鉄、マンガンが多く含まれる。
いわゆるカナケの強い、黒茶色の濁り水で、飲用はもちろん、洗濯・風呂などに使用するのもむずかしい。

<大分県豊後高田市黒土地区の地下水>
住民は毎日10キロ離れた湧水を汲み生活用水とするが、それも
「自動車が運転できるうち。やがて水を確保するのはむずかしくなる」
と先々を心配する。

洗濯のために豊後高田市内のコインランドリーまで毎日通う人もいる。
どこの自治体も水道事業の財政は厳しく、小規模集落に新たな水道を敷設する計画はない。
企業の地下水利用、少子化、節水などの影響で水道事業の収益は減少の一途。
過去の設備投資のツケとして水道で10・6兆円、下水道で31・8兆円の借入金も残る。
さらに水道管の破裂事故が多発。
2010年の水道管破裂事故は1200件、下水道の陥没事故は4700件。

日本水道協会の調査では、全国の水道管の総延長約61万キロメートルの内、法定
耐用年数(40年)を過ぎた管路は約3.8万キロメートル。
これらを耐震管に更新したとすると費用は1キロ1億~2億円かかる。
こうした状況のなか、人口233人の集落に新たな水道を敷設する体力はない。

住民の間には見捨てられた感が広がっている。
これは発展途上国の話ではない。
日本の話であり、こういう地域は各地に人知れず存在する。

2. 市民管理の小規模給水施設 ?
代替案は市民が自主管理する小規模飲料水供給施設である。
それにはいくつかの要件を満たす必要がある。

まず建設費、維持管理費ともに安価であること。
豊後高田市の黒土地区は高齢世帯が多く(高齢化率55.2%)、収入は年金という人が多い。
施設整備の高額な負担には耐えられない。
調査の結果、1世帯10万円が限度とわかった。

次に維持管理が簡単であること。
高齢者が多いので、重労働や複雑な作業(たとえば薬品を扱うなど)をともなう維持管理は難しい。
そこで「NPO おおいたの水と生活を考える会」は、現有施設に生物浄化法(緩速
ろ過)の浄水施設の付加を行うことを地区に提案した。
その理由は、

【理由1】
生物浄化法(緩速ろ過)は、ろ過層の表面に棲む目に見えない生物群集の働きで水を浄化する。
薬の力は使わず、森の土壌が水をきれいにする自然界のしくみをコンパクトに再現したもの。
単純ではあるが、信頼性の高い浄水方法である。
大雨のときなどの水の汚れには対応しにくいという弱点はあるが、簡単な前処理施設(沈殿池や粗ろ過槽)をつけることで問題は解決できる。

【理由2】
ろ過閉塞にともなう砂のかきとりなどを必要とするが、軽作業で高齢者でも対応可能

【理由3】
浄水に薬品を用いないため維持管理が簡単である

【理由4】
建設コスト、維持管理コストとも他の方法に比べ安く、住民の負担が小さい
の4点。

地元住民はこの提案に同意。
大分県、豊後高田市からの助成も受け、浄水能力8トン/日の小規模飲料水供給施設が整備され、2011年4月より稼働。
総工費は700万円、地元負担は1世帯当たり約5万円だった。

稼働から1年半経った現在も、地元住民によって管理が行われる。
具体的には、毎日のろ過流量管理。
簡単に言えば、「動いてるかな?」と見ること。
これは犬の散歩のときなどに行っている。

2週間ごとの粗ろ過地の洗浄、2か月ごとの濾過地の閉塞除去作業(落ち葉やごみ
などの取り除き作業)を住民が交代で行う。

また、「NPO おおいたの水と生活を考える会」は、約1か月に1回の訪問による状
況モニタリング、水質検査、維持管理・施設の改善案の提案などを行っている。

財政難などから公共サービスは縮小傾向にある。
すると現在受けている公共サービスが受けられなくなる可能性がある。
いわゆる公共サービスの「ほつれ」である。
そうしたなか、自治体とNPOと市民が共同し、「ほつれを補う」という新しい形
が誕生したといえるのではないか。

~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~


今回、この限界集落の給水施設から、支援の依頼が来ています。私も手を挙げま
した。よかったらぜひ以下をご覧いただいて、ご支援いただければと思います。

https://readyfor.jp/projects/kazaki23ta

~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~

https://readyfor.jp/projects/kazaki23ta

水道整備から見放された限界集落の水確保の支援を行いたい。

このプロジェクトについて

生活水の確保に不自由をきたしている限界集落の給水施設を改善。高齢の住民が自ら浄水施設の維持管理を行っている地域の施設改良を行います。

はじめまして。NPOおおいたの水と生活を考える会の理事として、今回プロジェクトの対象地域を担当している加崎史啓と申します。。限界集落と呼ばれるような地域で、都市部から考えるとたいへん不便な水確保環境のまま生活している地域の人に対し、改善の支援活動を行っています。豊後高田市黒土地区は、過疎化が進んだいわゆる限界集落です。この地域では、昔から利用している井戸水を利用して生活していますが、この水には鉄分やマンガンを多く含むもので、生活利便上はもとより健康・衛生上も良いとはいえません

今回、浄水場の簡単な改良を行います。ちょっとした工夫で維持管理の頻度を半減させることが期待されています。これにかかる資材購入費や工事費用等として30万円が必要です。

(写真:URLからご覧下さい)
https://readyfor.jp/projects/kazaki23ta

豊後高田市黒土地区の風景です。

現状施設(左から ステンレス配水池 水源(深井戸)浄水施設)

5年前に給水施設を設置 浄水場の維持管理には軽作業の負担が大きい

過疎・高齢化が進み消滅さえ危惧されているこの地域に公共水道整備は望むべくもないため、当NPOが支援を行い、住民自らが維持管理する給水施設を5年まえにつくりました。当時、財源に乏しく、最低限の施設しかつくれませんでしたが、集落の水事情は劇的に改善してきました。

しかし、稼動をはじめて数年の実績ができてくる中で、浄水場の維持管理で発生する軽作業の負担が大きいことがわかってきました。この浄水場は、自然の力をうまく利用した緩速ろ過という方法で浄水しています。この方法は一言で言うと「昔ながらの砂ろ過」。 薬品や複雑な機械装置を必要とせず、構造やしくみが簡単なので、高齢者でも維持管理が可能な浄水方法として採用しました。

(写真)
 ろ過池の洗浄を行う地元高齢者(左)    ろ過池の閉塞状況(右)                  
4日に1回、ろ材の洗浄が必要になるわずらわしさ
しかし、水源の井戸からくみ上げられる原水は、含まれる鉄マンガンの濃度が非常に高いため、浄水場では捕捉された鉄やマンガンがたまり、頻繁にろ材が目詰まりを起こす状況となっています。この浄水場を適正に運転させるためには、4日に1回は、ろ材の洗浄が必要という状況です。1回の洗浄作業は簡単な作業なため、問題ありませんが、これが4日に1回となるとさすがにわずらわしくなってきます。

(写真)
井戸からくみ上げた時点の水(なんと昔はこの水の上澄みをそのまま生活に利用していた。)

捨てている状態となっていたキレイな水を再利用するために工事を

今回のプロジェクトは、このろ材の洗浄にかかる負担を大幅に軽減するための施設改良を行い、高齢化の進んでいく地区住民の水の管理に関する負担を軽減・改善するものです。具体的には、配水池から、排出されていいた余剰浄水(造りすぎていたキレイな水)を再利用するための配管工事を行います。

現状では、水が不足しないよう浄水場を設定しているので、夜間など水をあまり使用しない時間では、せっかく作ったキレイな水を捨てている状況になっていました。この余剰浄水を浄水場に戻すことで、原水を希釈する効果により、ろ材が目詰まりをおこすサイクルを改善しようとするものです。

井戸ポンプの作動時間も抑制できるので、井戸ポンプの寿命や、電気代にもよい影響が期待されます。豊後高田市黒土中村地区に住む住民14世帯が、清浄な水で快適な生活を送ることが出来ます。

現有施設と今回の改良の概要図(URLからご覧下さい)
(オーバーフローして捨てられていた水を浄水施設で有効活用するための配管・バルブ工事です。)

さいごに

高齢化・過疎化が進んでいく山村地域には、良質な水の確保に苦慮している地域が思った以上に多くあります。今は、消滅が危惧されるような地域に公的インフラ整備は不可能な社会情勢です。私は、公的支援から取り残された中で、日々の洗濯や入浴にすら不便な暮らしている限界集落の住民がいることを知り、なんとか彼らの力になりたいと思い活動をしています。ご支援、お待ちしております。
以前は、おふろに水を張ったときに、浴槽の底が見えないほどだったが、この施設ができて、透明な水を使った生活ができるようになった。あとは、維持管理の軽減が課題!

<引換券について>

30,000円
・この地域で育てられている、ウコッケイの卵(10個)を地域で取れた農産品(原木栽培の椎茸等)と詰めあわせにして10日毎に3回送らせていただきます。
・実施内容、実施効果の検証、支援者一覧についてまとめた実績報告書

10,000円
・この地域で育てられている、ウコッケイの卵(10個)を地域で取れた農産品(原木栽培の椎茸等)と詰めあわせにて送らせていただきます
・実施内容、実施効果の検証、支援者一覧についてまとめた実績報告書

3,000円
・当プロジェクト関係者から感謝の気持ちをこめたサンクスメール

~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~

https://readyfor.jp/projects/kazaki23ta

この「READYFOR」というのは、クラウドファンディングのしくみです。

~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~

https://readyfor.jp/about_more
クラウドファンディング「READYFOR」とは?

READYFOR は日本で最初のそして最大のクラウドファンディングサービスです。

クラウドファンディングは、インターネットを介して不特定多数の個人から資金(支援金)を集めるサービスです。新しい資金調達の手段として注目されており、世界中で500以上のクラウドファンディングサービスが存在します。

READYFOR(レディーフォー)は、2011年4月のオープンから約1427プロジェクトの資金調達を行い、これまで日本最大の合計で 5万7千人から約7億4千万円が支援されています。7割以上のプロジェクトが目標金額を集めており、特に自治体やNPOでの社会問題を解決するプロジェクトへの支援が集まりやすくなっています

~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~

今回のプロジェクトでは、支援額3,000円、10,000円、30,000円が設定されていて、それぞれ選んで支援できます。設定した期限までにプロジェクトの目標額が達成された場合のみ、支援を約束した金額が引き落としとなります。それぞれの支援額ごとに、お礼や報告書が送られます。

このプロジェクトの目標金額は300,000円。

あと32時間以内に、残り131,000円が集まれば、この地区の限界集落の高齢者の方々が、負担を減らしてキレイな水を使うことができるようになります。

10数人~数十人の方が支援の手を差し伸べて下さること、「社会の問題を社会が一緒に解決していく」モデルになってくれることを期待しています。

 

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