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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2013年06月28日

見る目を曇らせ、実行を止めるものの正体は? (2013.06.28)

大切なこと
 
「すばらしい考えなのに実行に移されない」「見事な戦略なのに行動につながらない」――そういうこと、ときどきありますよね?  新しいやり方が良い結果を生み出すことは明らかであり、反対している人がいるわけではないのに、なかなか採用されず、実行されない......。 これは理解が足りないからとか、伝え方がまずいからとか、根性がない(!)からではなくて、「メンタル・モデルが原因なのだ」というのが「学習する組織」の考え方です。  つまり、良いとわかっている新しい考えを実行に移せないのは、その考えが「世の中とはこういうもの」という私たちの心の奥底にあるイメージと整合性がとれないから、と考えます。 頭でわかったつもりでも、その新しい考えを実行することは自分の中にあるイメージとの矛盾を引き起こします。その不一致を避けるため、行動しないことを選ぶのです。 としたら、自分自身、そして社員や一般の人々がどのようなメンタルモデルを持っているのか、それ自体にどのように気づき、その変容を促すことができるかが、すばらしい考えや見事な戦略を実現するために不可欠のポイントとなりますね。 MITのピーター・センゲは経営者にとってのカリスマ的存在の方ですが、うれしいご縁で以前より親交があり、彼の書いた『学習する組織―システム思考で未来を創造する』の最新版を私たちが翻訳させてもらっています。 『学習する組織―システム思考で未来を創造する』 この本には、私たち自身の思い込みや意識・無意識の前提(メンタル・モデル)がどのように私たちの"見る目"に影響を与えるかを示す興味深い例が載っています。 かなり以前のことですが、ピーターが米国の自動車メーカーの重役グループと会ったそうです。 当時、日本が自動車の市場シェアも利益率も着実に伸ばしており、その成功要因は日本的経営にもありそうだということで、重役たちは初めての日本の自動車メーカーの工場見学から戻ってきたところでした。 重役たちは「本物の工場は見せてもらえなかった」と言いました。「どの工場にも在庫が一切ありませんでした。私は30年近く製造業に携わってきましたからね、あんなものは本物の工場じゃありません。私たちの視察用にこしらえた芝居に決まっています」。 もちろん芝居などではなく、この重役たちが見たものはジャスト・イン・タイムシステムを採り入れた正真正銘の工場でした。これこそが日本企業の強さの源泉の1つだったのですが、それを知るために出かけていったはずの重役たちの目には、「製造現場とはこういうものだ」というメンタル・モデルが邪魔して何も映らなかったのですね。 私たちが「目からウロコ」というのはきっと、自分自身の気づかなかったメンタル・モデルに光が当たり、「そう思い込まなくてもよいのかもしれない」という道筋が見えたときなのかなあと思います。 「メンタル・モデルに気づき、変容する」ことは、言うは易く行うは難しです。それでも、意識して先入観を脇に置く練習を重ねること、自分と違う見方や意見の人に真摯に耳を傾けることなどが入口になるのだと思います。 来月から始まる幸せ経済社会研究会の特別連続勉強会「学習する組織」を学ぶ(5回シリーズ)の予定では、第3回にこのメンタル・モデルを採り上げて学ぶことになっています。 来月から始まる幸せ経済社会研究会の特別連続勉強会「学習する組織」を学ぶ(5回シリーズ)の予定では、第3回にこのメンタル・モデルを採り上げて学ぶことになっています。 <各回のテーマ> 1)「これができたらいいな、こうあれたらいいな」   ~強みを再発見して未来の夢を描こう(「自己マスタリー」から) 2)「がんばっているのに、なんでうまくいかないのだろう?」 ~複雑な現実を見つめよう(「システム思考」から) 3)「この厄介ごと、自分でつくっているのかも」 ~自分自身を見つめ直そう(「メンタル・モデル」から) 4)「周りの人たちとわかりあえているのかな?」 ~関係性とコミュニケーションを見直そう(「チーム学習」から) 5)「同じ目的をもっているはずなのに、なんでばらばらなんだろう?」   ~夢を一緒に実現する仲間を増やそう(「共有ビジョン」から) この連続勉強会は定員20人の少人数制で、現時点で残席は5となっています。ご興味のある方、これを機に「学習する組織」の5本の柱を学び、身につけたいという方、お早めにどうぞ~。 また、企業・自治体などの組織向けに集中的に学びたいという方には、夏に開催される2日間の集中研修をお薦めします。 2013年8月30日・31日東京で「学習する組織リーダーシップ研修(第19期)」開催します 「自分はこれまでどういうメンタル・モデルで考えていたのだろう?」という問いは、脅威的でないやり方で自分を深く見つめる手助けとなってくれます。 組織でも、「それは自分たちのメンタル・モデルに過ぎないんじゃないか?」というように、「メンタル・モデル」という考えや言葉が共通言語になってくると、本質的な話がしやすくなります。 学び、身につけていきたい大事なものの1つです。ぜひご一緒に!
 

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