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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2013年05月26日

地域再生可能エネルギー振興基本条例、そして「地元産エネルギーがエネルギー以外にも生み出すもの」(2013.05.26)

エネルギー危機
新しいあり方へ
 
安倍政権になってからエネルギー関係の話はほとんどメディアにも出なくなってしまいましたが(涙)、世界でも日本でも再生可能エネルギーはどんどん広がり、増えています。 ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスのニュースによると、中国が2012年に設置した風力発電容量は15.9ギガワットで、世界全体の新規設置容量の35%を占め、世界最大の風力市場だそうです。 また、石炭輸出国であるオーストラリアでも、新規の石炭発電よりも風力発電のほうが安価となったとのこと。「化石燃料は安く、再生可能エネルギーは高いという認識は、今や過去のものとなりつつある」と述べています。 http://www.bnef.com 日本でも、太陽光発電だけではなく、風力発電もがんばっています。日本風力発電協会によると、2012年度までの推定導入量は、全国で1,960基、総発電量264.9万kWとのこと。 http://jwpa.jp/ 世界風力会議によると、2011年実績で、世界全体での風力産業の雇用は64万人を超えており、2030年には160万人を超えると推定されています。 中東などに偏在している石油などと違って、再生可能エネルギーは地域に存在していますから、じょうずに仕組みや体制をつくることで、地域の産業や経済・雇用にもつながります。デンマークでは、風車の8割以上がその地域の人々による所有です。 日本の地域では最近「地域再生可能エネルギー振興基本条例」を制定するところが増えてきました。とてもよい動きで、ぜひもっと広がるよう、応援したいと思っています。 たとえば、 滋賀県湖南市 http://www.city.konan.shiga.jp/cgi/info.php?ZID=15303&BCD=381800 愛知県新城市 http://www.city.shinshiro.lg.jp/index.cfm/6,30237,140,html 長野県飯田市(4月1日より施行) http://www.city.iida.lg.jp/iidasypher/www/info/detail.jsp?id=10309 「ウチもやっているよー」という自治体があったらぜひ教えて下さい~! そして、「ウチも作りたいけど、どうやって作ったらよいのだろう?」という自治体の方へ朗報です! 私も評価委員として関わっている、社会技術研究開発センターの「『地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会』研究開発領域」では、参加者による研究会が「自然エネルギー振興基本条例のひな形」を出しています。 http://www.ristex.jp/env/03wisdom/katsudou/pdf/20120606_03.pdf http://www.ristex.jp/env/03wisdom/katsudou/pdf/20120624_06.pdf このひな形の土台となっている考え方はこのようなものです。 ~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (1)自然エネルギーは、各地域固有のものであり、各地域社会が、その利活用の主役であるべきである。地域の自然エネルギー資源の豊かさを、外部の主体の利潤獲得の機会にするのではなく、各地域の経済的豊かさに転換していく道をつくっていくべきである。 (2)各地域において、自治体財政に余裕がないとしても、地域金融による事業展開は、大いに可能であろう。というのは全国の金融機関において「預金あれども投資無し」といった事態が広範に見られる。金融機関の預貸率は多くの県で 70%に届かず、膨大な資金が事業を支える投資に向かわず、低利の国債などで運用されるに留まっている。各地域の金融機関の有する潜在力を引き出すべきである。 (3)自然エネルギー事業を成功させるためには、過去の成功事例や失敗事例から学ぶ必要がある。そのためには、全国各地で、志を共有する人々が相互に連携し、経験と知恵を共有していくべきである。 ~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ぜひ参考にしていただいて、あちこちの地域で「自分たちの、自分たちのための、自分たちによる自然エネルギー」が広がりますように! 少し前に、一般社団法人調布未来(あす)のエネルギー協議会の「自然エネルギーで地域をデザインしよう」第2回セミナーに参加しました。参加者の方が、そのときの私の講演内容を簡単にわかりやすくまとめてくださっています。 「グローバリゼーションが富の過度な集中から共有財の私有化といったさまざまな問題が生じているとし、「ローカリゼーション」(地域化)でバランスを取り、地域住民がコントロールを取り戻す必要があると指摘。エネルギーに関しても日本の対外支払いが近年急増している状況を「漏れバケツ」にたとえ、地元産エネルギーを増やしていくことでそうした現状を改善し、好循環の多重効果につなげることができると説いた」 http://www.tamapre.jp/news/2013/03/22/natural-energy-seminar-in-chofu.html このときに好評を博し、ウェブにもアップしたのが「地元産エネルギーがエネルギー以外にも生み出すもの」です。よかったらちらとご覧下さい-。 http://www.es-inc.jp/insight/2013/ist_id003807.html 地域と人々の幸せにつながるエネルギーや経済のあり方、これからも学び、考え、伝えていきます!
 

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