ホーム > 環境メールニュース > 幸せな地域へ!日本の少なくとも21の自治体が「幸福度指標」を作成 (2012.0...

エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2012年09月17日

幸せな地域へ!日本の少なくとも21の自治体が「幸福度指標」を作成 (2012.09.17)

新しいあり方へ
 

毎日のようにメディアで取り上げられ、企業でも日常会話にも登場するGDP(国内総生産)はもともと、1934年、経済学者のサイモン・クズネッツが開発した(当時はGNP:国民総生産)もので、第二次大戦中に国家の軍需生産を測る指標として用いられるようになり、その後、国家の経済成長を測る指標として定着しました。

当の開発者であるクズネッツが「GDP では、国の豊かさはほとんど推し量ることはできない」と警告を発していたにも関わらず、日本を含め、世界中でGDPは国の進捗や影響力の大きさを測るものとして使われてきました。また自治体でも、都道府県別GDPといった形で、自治体や地域の豊かさを測るひとつの重要な指標として考えられています。

一方で、「GDPは増えても幸せになっていないのではないか」「本当に大切なのは何なのか?」という議論が世界中で盛んになりつつあります。

日本でも、2010年6月に閣議決定された「新成長戦略」において、「新しい成長及び幸福度について調査研究を推進」することが明記され、これを受けて、2010年12月に内閣府が「幸福度に関する研究会」を設置し、2011年12月に「幸福度指標試案」が発表されています。試案では、主観的幸福度と、経済社会状況、健康、関係性を3つの柱とした指標のイメージが提案されました。

幸せ経済社会研究所では、日本の自治体における幸福や真の豊かさを指標化/政策目標化の動向について調べてみました。その結果をプレスリリースで発表しましたので、お伝えします。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【プレスリリース】
幸せな地域へ!少なくとも21の自治体が「幸福度指標」を作成 
〜47都道府県54政令指定都市等市区を対象とした調査結果発表〜

                             2012年9月12日
                           幸せ経済社会研究所


幸せ経済社会研究所(東京都世田谷区、有限会社イーズ内、所長:枝廣淳子 http://www.ishes.org/)は、本日、「自治体の幸福度や真の豊かさ等の指標化や政策目標への考慮状況に関する調査」報告を発表しました。

本調査は、昨今のGDPではない社会進歩や幸福度、真の豊かさを計測しようという動きについて、日本国内の地方自治体における取り組みを調査する目的で行われました。調査方法は、アンケート調査とそれを補完するWEB調査によって行いました。

調査対象は、47都道府県52政令指定都市/県庁所在地、加えて取り組みが報道されている2自治体(東京都荒川市、富山県氷見市)の合計101自治体としました。アンケート調査への回答率は全体で55%でした(都道府県62%、市区50%)。(回答状況については参考資料1)

調査の結果、回答を寄せた自治体のうち、21自治体が幸福度や真の豊かさを指標化する取り組みを行っていることがわかりました。うち1つの指標化の取り組みは13県によるものであることから、指標化の取り組みとしては11種存在することがわかりました。

幸福度や真の豊かさを指標化する際には、「あなたは幸せですか?」等主観的幸福度を尋ねるアンケート調査をベースとする方法と、幸福度に関連すると考えられる客観的な統計データをベースとする方法があります。また、複数の数値データをウェイト付けしてまとめる統合化をおこなって「1つの数字」として指数化する方法と、そのような統合化をせず、複数のデータ群として指標化する方法があります。今回の調査では、各自治体がさまざまな考えで工夫をして指標化の試みを進めていることがわかりました。

(表:http://www.es-inc.jp/news/002406.html )

なお、調査対象の4分の1にあたる25自治体で、政策目標に幸福度や真の豊かさを考慮していることがわかり、指標化の有無は別として、幸福度や真の豊かさを政策目標に採り入れる自治体がかなりの割合存在していることがわかりました。

もともとGDPは、開発者であるサイモン・クズネッツが「GDP では、国の豊かさはほとんど推し量ることはできない」と警告を発していたにも関わらず、日本を含め世界中で国の進捗や影響力の大きさを測るものとして使われてきており、自治体でも、都道府県別GDPといった形で、自治体や地域の豊かさを測るひとつの重要な指標として考えられてきました。しかしここ数年、「GDPは増えても幸せになっていないのではないか」「本当に大切なのは何なのか?」という議論が日本でも世界でも盛んになってきています。

今回の調査で、日本でもかなりの数の自治体が、世界や国レベルでの動向を受け、また住民や地域社会のニーズを汲んで、「幸福度や真の豊かさを政策やその進捗を測る指標にしよう」というさまざまな取り組みを始めていることがわかりました。

弊研究所では、今後も内外の動向や洞察を発信しつつ、国内の自治体・企業などの動きを支援・応援していきたいと考えています。

本報告書は有限会社イーズの主宰する「幸せ経済社会研究所」ウェブサイトからダウンロードできます。

※参考資料を含めたPDF版プレスリリースはこちらをご参照ください
http://ishes.org/news/20120912_pressrelease.pdf

※本報告書はこちらからダウンロードをお願いいたします
http://www.es-inc.jp/news/20120912_houkousho.pdf

【本件に関するお問い合わせ】
「幸せ経済社会研究所」事務局 (有限会社イーズ内)
〒 156-0055  東京都世田谷区船橋1-11-12 産興ビル3F
TEL: 03-5426-1128   FAX:03-6413-3762
  (受付時間:9:00〜17:00 土、日、祝日を除く)
HP:http://www.ishes.org/
E-mail:info@es-inc.jp


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

日本の各地で、「幸せ」や「真の豊かさ」を政策に採り入れたり、指標化して進捗を確認していこうという自治体がたくさんあること、とても心強く思いました。情報交換や海外への発信などを通して、ぜひ応援していきたいと思っています。

今回、調査のお願いに回答をいただけなかった自治体や、今回の調査の対象になっていなかった自治体の方、もし「うちでもやっているよ!」「考え始めているよ」ということがありましたら、ぜひお知らせ下さい。今後も継続して調査・アップデートしていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

(今回の調査で回答をいただけなかった自治体)

都道府県:宮城県,秋田県,山形県,福島県, 埼玉県, 東京都, 石川県, 山梨県, 静岡県,愛知県,三重県,滋賀県,京都府,大阪府, 島根県, 広島県, 長崎県, 宮崎県)

市区町村:青森市,盛岡市,仙台市, 前橋市, 千葉市,新宿区,横浜市,川崎市,相模原市, 富山市,金沢市,長野市,静岡市, 津市, 神戸市,奈良市,和歌山市, 鳥取市, 岡山市,広島市,徳島市,山口市,高松市, 長崎市, 福岡市, 鹿児島市,那覇市


※有限会社イーズは、2017年12月25日に移転いたしました。
この記事に関するお問い合わせ

 

このページの先頭へ

このページの先頭へ