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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2011年12月31日

ダイヤモンド・オンライン「みんなのエネルギー・環境会議」発起人特別インタビュー:「どうすれば普通の人が国のエネルギー政策にかかわれるのか」 (2011.12.31)

新しいあり方へ
 

今年最後の日となりましたね。いかがお過ごしですか?

私は夜にこちらのプログラムに参加します。


阿佐ヶ谷ロフトAのカウントダウン2011→2012!!!!!!
 〜絶望から未来を見つけるトークライブ2011〜
主 催:天然住宅バンク
日 時:2011年12月31日(土) 19:30〜(開場18:30)
場 所:阿佐ヶ谷ロフトA
内 容:
<トークイベント>
江守 正多氏(気象学者/国立環境研究所地球環境研究センター温暖化リスク評価研究室室長)
田中 優氏(未来バンク事業組合理事長)
山田 玲司氏(漫画家/『アリエネ』、『絶望に効くクスリ』他)
枝廣 淳子(環境ジャーナリスト/「環境メールニュース」他)
<ライブイベント>
高森 ゆうき氏
HARCO氏


じっくり今年を振り返り、来年の希望につなげます。
当日券もあるそうなので、お近くで一緒にカウントダウンを!という方、よかったらぜひどうぞ〜。

またお近くではないけど一緒にカウントダウンを!という方のために、中継もあるそうです。よろしければどうぞ。
配信URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-tokyo2
ハッシュタグ: #IWJ_TOKYO2


きっと今日も話題になると思いますが、トークイベントでご一緒する漫画家の山田玲司さんがお書きになった『資本主義卒業試験』、面白いですよー。

『資本主義卒業試験』(星海社新書) 山田 玲司 (著)

裏表紙カバーに「2003年から始めた対談漫画『絶望に効く薬』のなかで“経済成長”の問題にぶちあたり、「幸せ経済社会研究所の枝廣淳子さんとの会話中に本書の着想を得る」と書いて下さっていて、びっくりしました〜。

ちなみに私は『絶望に効く薬』第15巻に登場させてもらっています-。
実物より相当カッコイイです。(^^;
http://www.amazon.co.jp/dp/4091514162/ref=as_li_tf_til?tag=junkoedahiro-22


今年の私の活動は、特に3.11以降、エネルギーの分野がメインになってきました。(もともと温暖化とエネルギーは表裏一体の問題なので、自分としては同じ領域に取り組んでいる感じですが)

秋から始まった資源エネ庁の基本問題委員会と、夏前に立ち上げた「みんなのエネルギー・環境会議」が、自分のフィールドの1つとなりました。

「みんなのエネルギー・環境会議」のめざしていること、それぞれの発起人の思いなどを、ダイヤモンド・オンラインがインタビューして下さっています。


ダイヤモンド・オンライン
「みんなのエネルギー・環境会議」発起人特別インタビュー
◆第1回:11月16日 小林武史氏
「どうすればみんなが納得できるエネルギーシフトが実現するのか」
http://diamond.jp/articles/-/14871

◆第2回:11月30日 枝廣さん
「どうすれば普通の人が国のエネルギー政策にかかわれるのか」
http://diamond.jp/articles/-/15084


とてもわかりやすくまとめて下さっているので、私の回から一部をご紹介します。
http://diamond.jp/articles/-/15084


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


MEEC(みんなのエネルギー・環境会議)が目指すもの
枝廣淳子(環境ジャーナリスト)


●エネルギー政策の決定プロセスを変えていく

エネルギー問題には、原子力、火力、風力、太陽光、天然ガスなどの中からどのエネルギー源を選んでいくかという「コンテンツ」の問題と、日本のエネルギー政策をどのように決めていくかという「プロセス」の問題の二つがあると私は考えています。MEECの主要な役割は、原発か自然発電かといったコンテンツの方向性を提案していくことではなく、エネルギー政策の決定プロセスを変えていく点にある。それがMEECの発起人のひとりとしての私の思いです。

これまでの日本のエネルギー政策は、主には経産省と電力業界のコンセンサスのもとで進められてきました。そこに国民が口を挟む余地はなく、国民自身もそれを強く求めてはきませんでした。しかし、3月11日の震災と未曾有の原発事故を
経験し、どのようなエネルギー政策を選択すべきかを、国民の一人ひとりが考えなければならなくなりました。そこで、エネルギー政策の決定過程に私たちはどう関わることができるのか。そのひとつのモデルを作っていく場にMEECをしていきたいと私は考えています。

そのモデル作りには、おおよそ二方向のアプローチが考えられます。ひとつは、MEECの議論の場に、様々な立場の人々を招いて、幅広い対話を重ねていくことです。「様々な立場」には、政治家、企業に属する社員、あるいは学生や母親といった属性だけではなく、原発に反対する人、原発を推進すべきだと考える人、などといった意見の違いも含まれます。

二つ目は、政府の中に作られたエネルギー環境会議や、経産省内にあるエネルギー基本計画を策定する委員会などにMEECの会議で議論された内容をどんどん伝えていくことです。せっかくそうした組織へのアクセスが可能な人たちが発起人になっていますので、それはMEECの強みとして十分に活用すべきだと考えています。

そのいわばインとアウトの二つのチャンネルを築くことで、これまでになかったようなエネルギーをめぐる議論が生まれると思うのです。

●経済界、産業界といかにつながっていくか

とくに重要であり、かつ難しいのが、経済界、産業界とのつながりを作っていくことです。エネルギーの最大の需要者である経済・産業界を議論に巻き込んでいくことなしに、エネルギー政策決定の新しいモデルを作ることはできません。

しかし、日本の経済・産業界の第一線で活躍している人たちが、MEECの会議に参加して一個人として発言することは簡単ではないでしょう。「会社の立場はこうだけれど、私個人はこう思う」といった発言が認められる企業文化が日本には根づいていないからです。会議に参加してもらえたとしても、おそらく多くの場合は、社内の合意を念入りにとった公式文書を読み上げるようなスタイルにとどまってしまうに違いありません。

したがって、そこにはいろいろな工夫が必要になります。例えば、MEECでの議論を必要に応じて非公開にすることによって率直な発言を促すとか、産業界でどれくらいのエネルギーが必要とされているかといった客観的データのみを提出してもらい、それをもとに議論をするといったことです。いずれにしても、大切なのは、産業界の内側の論理と外側の論理をまずは交わらせることです。これまでそのような対話が行われる場は、事実上なかったのですから。

そのような対話は、経済・産業界にとっても大いに意義のあることであると私は思います。これからの企業にとって、市民団体やNGOなどと良好な関係を築いて
いくことは生き残る条件になると考えられます。

消費者の力が強い欧米では、不買運動やブランドイメージの毀損を防ぐために、社外の人々、業界外の人々との信頼関係を作っていくことが常に課題となっています。それはひとつのリスクマネジメントであり、その任に当たるのは多くの場合、CSRの管轄部署です。

消費者運動が欧米ほど活発ではなかったこれまでの日本では、そのような課題が省みられる機会は多くはありませんでした。しかし、経済がグローバル化し、欧米の論理に人々が慣れ親しみつつある今日、これまでの欧米企業の課題は、そのまま日本企業の課題となっていると言えます。

もちろん、グローバル化という以上、日本企業の顧客は日本に住む人だけではないという前提もあります。多様な市民のことを知るという意味でもこれからの日本企業にはリスクマネジメントとしてのCSRが必要であり、それを継続的に行っ
ていくためには、社外の様々な団体と手を結んでいく必要があるのです。MEECはそのような団体のひとつとなりうる。そう私は思います。

●大切なのは、一人ひとりが自分の考え方を見つけること

(後略 つづきはぜひウェブサイトで!)
http://diamond.jp/articles/-/15084


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


第1回長野会議のレポート(全議事録)がホームページにアップされました。
http://www.meec.jp/#report_nagano

1月には、「みんなのエネルギー・環境会議 広島」が開催されます。
http://meec-hiroshima.jimdo.com/

主 催:「みんなのエネルギー・環境会議 広島」実行委員会
日 時:2012年1月29日(日) 13:00〜17:00
会 場:中国新聞ホール
   (広島市中区土橋町7番1号中国新聞ビル7階)
    ※当日はインターネット中継を行う予定です
参加費:(前売り・予約)一般1000円・学生500円 /(当日)1500円
内 容:
<会議のテーマ>
第1部:今の原発をどうするか?
第2部:自然エネルギーをどうつくっていくか?
第3部:エネルギー全体をどうしていくか?生活をどうしていくか?
<登壇者(50音順)>
飯田 哲也氏(環境エネルギー政策研究所)
澤 昭裕氏(国際環境経済研究所)
澤田 哲生氏(東京工業大学)
吉岡 達也氏(ピースボート)
吉岡 斉氏(九州大学)
枝廣 淳子(幸せ経済社会研究所)
※「原発推進」「脱原発」双方による対話となります。
===
託 児:300円/お1人 ※要予約
申込み:こちらからお申し込みください。
問合せ:e-mail meec_hiroshima@yahoo.co.jp
     TEL 090-5265-3855(安藤)
        090-4035-9794(大西)
        080-5610-3955(落合)


ぜひ広島でも、いろいろな立場や考えの方々で、じっくり話ができたらと思っています。お近くの方、ぜひいらしてください。

2月には「みんなのエネルギー・環境会議 若者編」も開催される予定です。

今年1年の自分の活動の“コンテンツ”が「エネルギー」としたら、その活動を進める“プロセス”は「対話」の模索だったと、振り返って思います。そして、このコンテンツもプロセスも、来年ますます大事になってくる、と。

あるところに、孔子の「和して同ぜず」という言葉をこのような解説がありました。「同というのは、同じ音を出すこと。和というのは、元々違う楽器が違う音を出して調和をしているということ」。

パブコメで同じ文面・体裁で何千通も寄せられるのは「同」ですね。経団連傘下の企業の”オフィシャルな意見”がみな同じのも「同」ですね。

これまで「同」か、さもなくば「黙」がほとんどだった日本の社会の中で、一人ひとりが自分の頭で考えて、自分で選んで、自分で決めて、その結果、それぞれ違う学期を奏でるように、いろいろな音(意見)が出て、最初はじょうずにハーモニーを作れないと思うけど、それぞれが自分の楽器を棄てたり相手に棄てさせたりしなくても、違う楽器が違う音を奏でつつ、全体として日本という国の行く末をみんなで考え、語り、考えていけたら、と願っています。

来年の私のひとつのテーマは、「同ぜず和するアート(技)」の追求、です。

来年が今年よりも少しでも進んでいける年になりますように。どうぞよいお年をお迎え下さい〜。

 

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