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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2011年09月19日

コラム「新しいエネルギーの未来へ向かって」第1回&第2回 (2011.09.18)

エネルギー危機
新しいあり方へ
 

「みんなのエネルギー・環境会議 京都」が開催されました。当日の様子はUstreamで下記URLからご覧いだけます。 
http://www.ustream.tv/channel/meec-live

「みんなのエネルギー環境会議」の地域版は、このあと札幌その他でも計画が進んでます。あちこちの地域や場に広がっていくこと、楽しみにしています。また並行して、発起人が中心となって、テーマを絞り、じっくり議論する場も企画中です。こちらもどうぞお楽しみに!

7月31日に「第1回みんなのエネルギー環境会議」を茅野で開催しました。そのときのレスポンスシート(各セッションごとに来場者にフィードバックをいただいたもの)と感想シート(1日を振り返って書いていただいたもの)を事務局でとりまとめたものをサイトにアップしました。
http://www.meec.jp/#report

この第1回の開催にあたり、来て下さる方々とも、エネルギーの基本的な理解やデータを共有したいと、サイトに「新しいエネルギーの未来へ向かって」というというコラム集をアップしてもらいました。エネルギーについてこれまであまりよく知らなかった方々への"エネルギー入門編"という感じのものです。もともとは今年7月におこなわれた apbank fes のパンフ用に書かせてもらったものを使わせてもらいました。
http://www.meec.jp/column/index.html

地域でエネルギーに関する話し合いをされている方々からも「役に立つ」と言っていただいているので、時々2本ずつ紹介していきたいと思います(全8回となります)。サイトには、デザイナーさんが作ってくれた素敵なグラフも載っているので、ぜひご覧ください。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

http://www.meec.jp/column/index.html

<1.暮らしとエネルギ- > text by junko edahiro

エネルギー意識の高まり

3・11の大震災、そしてその後の東京電力福島原子力発電所事故を受けて、「エネルギー」について話すことが増えてきたのではないでしょうか?

これまで多くの人にとって、「お金を払う限り、電力でもガソリンでも、エネルギーは好きなだけ手に入れるもの」で、エネルギーについて考えたり話したりすることはあまりなかったのではないかと思います。

しかし今回の震災・原発事故は、私たちの暮らしとエネルギーのつながりを私たちにしっかり見せてくれました。それによって、これまでは行政や専門家に任せていた一般の人々も、自分で知り、考えようという「エネルギー意識」が高まってきています。

エネルギーとは?

そもそもエネルギーとは何でしょうか? 「あの人はエネルギーの塊だ」などと言ったりしますが、エネルギーは何かを「動かす」「温める」「冷やす」など、何かの仕事をする力のこと。

かつては、「人力」エネルギーでやっていたことの多くを現在では、「他のエネルギー」にやってもらっています。たとえば、掃除。かつてはほうきとちりとり、雑巾を使って人の力で掃除をするのがふつうでしたが、今では電気で動く掃除機を使うおうちがほとんでしょう。その分、私たちのエネルギーは少なくてすみ、ラクです。でもその分、電力というエネルギーが必要となります。

エネルギーなしには暮らせない!

朝起きてから夜寝るまで、自分の暮らしを思い出してください。朝起きて、電灯やエアコンをつけ、シャワーを浴び、髪を乾かし、ヒゲをそり、朝ごはんをつくり、洗濯をし、職場まで移動し、PCや機械を操作して仕事をし、帰宅し、テレビを観て、夕飯を作り、アイロンを掛け......と、朝起きてから夜寝るまで、何かをするたびに電力やガス、ガソリンなどのエネルギーを使っていることが分かります。

また、1日24時間モノを冷やし続けている冷蔵庫や常にスタンバイしているリモコンなど、見えないところでさまざまなエネルギーが私たちの暮らしを支えています。

そして、私たちが買う食品や衣服、ノートや家電製品をつくり、運ぶためにも、エネルギーが使われています。目に見えませんが、これも私たちの使っているエネルギーです。

産業も経済も、エネルギーがなくては動きません。機械でもトラックでも何でも、モノを動かすにはエネルギーが必要だからです。

3・11以後、自分たちの暮らしや企業活動、産業や経済がいかにエネルギーのお世話になっているかを痛感させられました。これまで意識しなかった「コンセント」の先に思いを馳せている人も多いのではないでしょうか。

このコラムでは、エネルギーについて知り、考え、行動していくために、基本的な知識や現状、そしてこれからの日本や私たちの幸せにとって大切なことを、少しずつわかりやすく説明していきましょう。

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<2.エネルギーを見る視点> text by junko edahiro

どのエネルギーを多く使っている?

私たちが暮らしの中で使っているエネルギーにはどのようなものがあるでしょうか?

まず、「電力」を思い浮かべる人が多いでしょう。照明、家電製品、パソコン、携帯電話など、電力で動いて暮らしを支えてくれているものがたくさんあります。

「ガス」(都市ガス・プロパンガス)で調理をしたり、お風呂を沸かしたりするほか、特に冬の暖房用のエネルギーとして「灯油」もよく使われます。自動車に乗る人は、「ガソリン」のお世話にもなっています。

昔は炭やたきぎが重要なエネルギー源でした。現在は薪ストーブやペレットストーブで、木材のエネルギー(バイオマスエネルギー)が再び使われるようになってきました。

このようにエネルギーには、電力、ガス、石油(ガソリンや灯油)、バイオマス(木材など)などいくつもの種類があります。

エネルギーには「一次エネルギー」と「二次エネルギー」という区別があります。一次エネルギーはそのままエネルギーとして使えるもので、二次エネルギーとは一次エネルギーからつくり出したエネルギーです。

たとえば地球上には「電力」という形でエネルギーは存在していません(「電力を採掘する」とは言いませんよね!)。電力は、一次エネルギーである石油や石炭、天然ガス、ウラン、自然エネルギーなどを使って生み出される二次エネルギーなのです。水素も同じく二次エネルギーです。

電力や水素などの場合、それ自体が良いか悪いかでなく、その電力や水素をどのような一次エネルギーからどのように作ったか、が重要になることを覚えておいてください。

そして、グラフでわかるように、家庭で使うエネルギーのうち「電力」の割合が増えており、半分強を占めているのです。

エネルギーを「複眼」でみよう

望ましいエネルギーを考えるとき、どこに注目しますか? 野菜を買うときに、味や色、栄養価や値段などさまざまな観点を考え合わせて選ぶように(そして人によって重要な基準が違うように)、エネルギーを見るときの基準もいろいろあります。
●なくなる?なくならない?:石油のようにいったん使い果たせばもうおしまいなのか、太陽や風のエネルギーのように枯渇しないものか。
●二酸化炭素をどのくらい出すか、出さないか:温暖化に影響します。
●国産か、海外産か:日本の中でつくり出せるものか、海外から輸入しなくてはならない(それだけリスクの高い)ものか。
●高いか、安いか:値段が高いものも安いものもあります。
安全か、どうか:今回の原発事故で放射性物質が放出していることもあり、特に重要度が高まっています。安全性のリスク= 何らかの事故が起きる確率×起きたときの被害の深刻さです。
●生態系や人体への影響:騒音や風車に鳥がぶつかる問題など。
●景観や国立公園との兼ね合いなど。

これまではかなりコスト重視でしたが、短期的なコストだけでなく、中長期的な安全性や温暖化への影響、枯渇の可能性など、多層的な評価軸で考える必要があります。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

エネルギーについての「コンテンツ」を勉強・整理するとともに、もう1つ大事なのは、「みんなのエネルギー環境会議」のようにいろいろな考えや立場の方々が集まる場で、どのようにその多様性を力に変えるか、というプロセスを促すスキルです。

さっき、そのようなことをフェイスブックに書いたところでした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「人生を変える、人間関係を変える、社会を変える「対話力」を身につけるには〜「対話の理論を学ぶ読書会」の第1回、「ワールドカフェ〜カフェ的会話が未来を創る〜」の準備を進めています。読むほどにすばらしい"未来の作り方"です。企業の戦略的展開にも、新しい時代の"会話型リーダー"のスキルを身につけるためにも、純粋に会話の質を高めるためにも、ぜひ身につけたい、身につけてほしい!

残席ありますので、よかったらどうぞ! 当日参加できない方も音声受講できますので、一緒に勉強し、新しい時代に必須の対話をはぐくむスキルを身につけましょう!

「ワールドカフェ〜カフェ的会話が未来を創る〜」を読みながら、自分が実際に対話力を鍛えなくてはならない2つの場のことを考えていました。

1つは、「みんなのエネルギー環境会議」です。まさにさまざまな立場や意見の集う「多様性」を「共創型の知恵」にしていくにはどうしたらよいのか?という場です。先日、発起人による企画会議が開かれ、またまた難しいコーディネータ役が回ってきそうです。

もう1つは、去年から関わっているある大手企業の経営層と創発的な場が作れるかが試されるチャレンジです。会議のあり方についてのメンタルモデルからゆるめてもらわなくてはなりません。どういう場づくりができればそれが可能になるのか--自分の抱えているチャレンジにとっても、とてもヒントや気づきを与えてくれる本です。これからますます面白くなりそうです!(^^;

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

第1回「ワールドカフェ」は9月22日夜の開催です。

これまで海外でも何度もワールドカフェに参加し、国内で自分でも何度もコーディネートをしてきましたが、今回じっくり勉強して、いろいろな気づきや学びがあります。当日は実際にワールドカフェをやってみて、参加者のみなさんとも気づきや学びを共有・発展させていきたいと楽しみにしています〜!

 

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