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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2011年08月09日

自然エネルギーを増やすためのコストと増やさないときのコスト (2011.08.09)

 

今後のエネルギーについて、さまざまコストの議論が展開されています。「原発がなくなると、電気料金が上がる」「自然エネルギーの導入を支援するには、その分上乗せされるので、電気代が高くなる」などなど。

確かに、自然エネルギーを増やすためには、固定価格買い取り制度のような普及政策が必要で、そのコストを私たちが負担することになります。

でも、それがイヤだからといって、自然エネルギーの普及をしないとしたら?電気代はどうなるのでしょうか?

自然エネルギー以外としたら、原発と化石エネルギーになりますが、原発事故以後は、化石エネルギーが増えています。そのことが、すでに私たちの電気代を押し上げていることをご存じでしたか?

河野太郎議員のメルマガにとてもわかりやすく説明してあるので、2本、つづけて引用させていただきますね。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

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電力料金が上がっている。

標準世帯(東京電力の場合、従量電灯B、契約電流30A、月間使用電力量290kWh。他の電力会社だと月間使用電力量は300kWhだが、なぜか東電は290kWh)で計算するとこうなる。

2011年
2月 6234円
3月 6251円
4月 6315円(これ以後太陽光発電の付加金、月に8円を含む)
5月 6390円
6月 6474円
7月 6584円
8月 6683円
9月 6776円

実に今年に入って、500円以上も電力料金が上がっている。

平成20年9月の料金改定以来、これだけ一本調子で大幅に電気代が上がったことはない。

原発が停止したから電気料金が上がったという人がいたが、実はそれは違う。この料金値上げは原発とは関係がない。

電力料金は、料金改定の時に、電源構成が決まる。料金改定の時に決まった電源構成のまま、それぞれの燃料費の調整だけが月々行われる。

実際に原子力の割合が上がろうが、下がろうが、料金に反映されるのは料金改定の時に決めた想定上の原子力の割合だ。

今年の500円の料金引き上げは、全て、燃料コストが上がったこと、つまり石油、石炭、天然ガスのコストアップを反映している。

原発が止まって、電力会社は、石油や天然ガスをたくさん買っているが、それも関係がない。この500円増は、量ではなく、コストの反映だ。

つまり、再生可能エネルギーの買い取りを入れると、一般家庭の電気代が月にいくら増えるという議論があるが、再生可能エネルギーがほとんどはいっていない現在の電源構成では、化石燃料の高騰であっという間に月に500円以上電力料金が高くなっている。

平成20年9月の電力改定以来、もっとも電力料金が高かった時は7206円まで上がっている。一番安い時は6051円だから、燃料費の乱高下で月に1200円も料金が変動している。

固定価格買い取り制度で、多少、電力料金に買い取り費用が上乗せされても、それによって化石燃料への依存が減っていけば、電力料金はむしろ安定する。

特に今、1ドル77円だが、円安になれば、化石燃料価格は上昇する。だから今、再生可能エネルギーをできる限り増やしていくことが必要だと思う。買い取りのコストは、燃料費の高騰よりも安い。

原発が止まり、想定の電源構成よりも石油やガスを大量に買わなければならない電力会社は燃料コストが増える。今の仕組みでは、それを消費者に転嫁することはできない。だから電力会社はコストが増え、赤字になる。もちろん経営努力でコストを削減するべきだ。

赤字が続くから料金改定をという声が出るかもしれないが、ここはきちんと電力会社に経営努力をさせるべきだ。広告宣伝費だけでもあれだけ垂れ流しているのだから。
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Q 再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度とは何ですか。

A 太陽光や風力、地熱をはじめとする再生可能エネルギーで発電された電気を、国が定める価格で一定期間、電力会社が買い取ることを義務づける制度です。

Q 買取価格はどうやって決めるべきですか。

A 買取価格は明確なルールを決める必要があります。種類別、規模別に国債利回りプラス一定の利回りを保証する価格を設定すべきです。

Q 第三者委員会を設置すべきという声がありますが。

A 価格設定ルールを決めずに第三者委員会に価格決定をゆだねると、電力会社・経産省よりの委員が暗躍し、不当に安い買取価格が設定されてしまうおそれがあります。

Q 電気料金の急激な上昇を抑えるために、当面、買取金額に何らかのキャップをかけることが必要だという議員がいますが。

A こういう主張をする議員は、例外なく電力会社派の議員です。買取価格にキャップをかければ再生可能エネルギーの拡大は進みません。キャップをかけるというのは、原発温存につながります。

Q 固定価格買取制度で電気料金はどの程度上がりますか。

A 新規の再生可能エネルギーが全発電量の約4%になる時点、つまり現状の約四倍になった時点で、標準世帯で1ヶ月約150円程度上がります。

Q 月に150円の値上がりというのは、どう考えればいいのでしょうか。

A 今年の1月から、標準世帯で電力料金は月額500円以上値上がりしています。これは化石燃料の単価が上がったからです。再生可能エネルギーが増えれば、化石燃料の値上がりによる電気料金の引き上げを押さえることができますから、将来への投資と考えられます。

Q 低所得者への配慮が必要だという意見がありますが。

A 今年一月から電力料金が500円上がっても不思議なことに低所得者への配慮が必要だという声は聞こえてきませんでした。現在、電力料金には使用済み核燃料の再処理費が上乗せされていますが、再処理をやめてこれを廃止すれば、買取コストを入れても電気料金はほぼかわりません。

Q 一戸建てなら太陽光パネルを設置できますが、マンションだとパネルの設置ができません。不公平ではありませんか。

A 再生可能エネルギーの市民ファンド等を通じて共有のパネルを設置し、この制度の恩恵を受けることができます。

Q 住宅用太陽光発電だけ余剰買取ということになるのはおかしくないですか。

A はい、経産省の陰謀です。

Q 経産省は、風力や地熱でも発電機器に使用する電力を差し引いての買取なので、全量買取も実は余剰買取なのだといいますが。

A 真っ赤な嘘です。太陽光発電でも発電機器に必要な電力を差し引いての買取が全量買取、住宅で使う分を差し引いての買取が余剰買取です。

Q 太陽光発電を余剰買取にするとどう違うのですか。

A 100発電して、50を住宅が使用しているとします。買取価格が40円、電気料金が20円だとすると、全量買取ならば40円x100-20円x50=3000円、余剰買取なら(100-50)x40円=2000円になります。しかも、余剰買取だと空き家なら100%余剰ですが、高齢者が1日在宅しているような家庭では余剰率は下がり、世帯ごとに大きな差が出ます。全量買取すべきです。

Q 電力多消費産業(高炉や苛性ソーダ等)への軽減措置が必要ではないですか。

A エネルギー特別会計から省エネ設備投資・更新への補助を行うべきでしょう。企業の競争力も強くなります。

Q 電力多消費産業に対して、買取コストが上乗せされた電力料金の軽減をしてあげる必要がありませんか。

A 軽減措置を入れるならば、現在、いくらで電力を購入しているか情報を開示してもらう必要があります。kWhあたり7円という価格で電力を購入しているところもあります。また、こうした企業への値引きが家庭用電力料金の総括原価に換算されているということを経産省は否定しません。軽減措置を否定しませんが、きちんとした情報の開示がまずありきです。

Q 安価な海外製品の流入を防ぐために発電効率や耐久性の技術基準が必要ではないですか。

A そうした技術基準のお墨付きを与える団体を設置し、天下ろうという経産省の考えそうなことです。粗悪な設備で発電すれば、買電収入が減るだけですからビジネスが成り立たなくなります。意味のない規制を主張するのは常に原発派の議員です。

Q 日照の多い九州と少ない北海道や東北で同じ価格で買取をするのは不公平ではないですか。

A 太陽光だけでなく、風力、地熱、バイオマス、小水力その他の再生可能エネルギーが導入されれば、地域間格差はなくなっていきます。

Q 法案には、2020年度を目途に廃止を含めた見直しを行うとありますが。

A その条文は必要ありません。

あなたの選挙区の議員は、何をどう主張していますか?そもそもこの問題に関して、発言をしていますか?
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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

気候ネットワークが出した以下のプレスリリースも参考になります。

「3 つの 25 は達成可能だ」追補版 Vol.1

全ての原発が停止する場合の影響について

事故以来、原子力発電所の安全面については地元住民の不安と反対も大きく、定期検査を終えた原発の再稼働は難しい状況にある。このまま再稼働されない状態が続くと、来年の 5 月には全ての原発が止まることになる。

全ての原発が止まると、「電気が足りなくなる」、「大幅なコスト増を招き産業の国外流出が加速する」、さらには「CO2 が大幅に増加してしまう」などという意見が聞かれる。それらの指摘は、原発が動かないと経済・社会に大混乱を招くかのような印象を与える。しかし、実際にはそのような極端に事態にはならず、影響の多くを回避することが出来ると考えられる。

本ペーパーは、原発が全停止する場合の影響を評価し、前述のような指摘に対して反論するとともに、安全性をないがしろにしてまで拙速に原発を再稼働させるのではなく、エネルギー消費を下げながら対応していくべきことを提言するものである。

http://www.kikonet.org/research/archive/energyshift/report20110701.pdf

 

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