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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2011年04月06日

福島からのメール〜食べ物を通して福島・東北を支援しよう〜つながりの時代へ(2011.04.05)

 

★メールニュースはこちらにアップされます★
http://www.es-inc.jp/lib/archives/index.html


メールニュースの読者の方からメールをいただきました。了解を得て、ご紹介させていただきます。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

こんにちは。いつもメールニュースを拝読しております。

今回の地震・津波・東京電力の原発事故・風評被害という四重苦に苦しむ、一人の福島県民として、メールさせていただきました。

福島県で自殺者が出ました。
須賀川市のキャベツ農家のおじさんです。
国の「摂取制限」が出たためです。
須賀川市は原発から50キロ以上離れた場所にあるにも関わらず、
「福島県産」と名がつくだけで市場にもスーパーにも買ってもらえず、
福島県内の(浜通りから遠く離れた、新潟寄りの会津地方の野菜まで!)
全ての農家が絶望しております。
「摂取制限」「土壌に廃棄も禁止」では、どうやって食べていけばいいのか?補償の話も出てきておりません。

私の家も農家をしております。
地震のために水路が破壊され、今年は米の作付けは不可能です。
野菜を作ろうにも、ストップがかけられています。放射性物質の影響を考慮してと農協は言いますが、ではどうやって食べていけばいいのでしょう。
「農家は食うことだけはできる」と無責任に仰る方はいますが、現金収入がなければこうしてメールを打つこともできないし、水道代や電気代など支払うこともできません。

避難所にいるわけではない、とりあえず食べることはできる、けれど「生きる糧」をどんどんどんどん奪われ放射性物質に蝕まれているこの状況が、辛くて仕方ないのです。

私たちは現在も近未来も奪われています。
この災害はまだ終わっておりません。
「原発さえなければ一生懸命働いて復興すればいいだけなのに、原発のせいで何も始められない」と父は嘆きます。

どうか、これ以上生産者が、せっかく助かった命を捨てることがないように、と願うばかりです。

原発や風評被害の報道を見るたび、「福島の人間はみんな死ねばよかったのか」と暗澹たる気分になります。
助かったのに、喜べないのです。同じ県民が大勢亡くなりました。行方不明者も大勢います。その人たちの分まで頑張らなくてはいけないのに、「何もするな、そのまま死ね」と責められているのです。

助けてほしい。「あなたはひとりじゃない」とSMAPの香取くんが言うなら、どうか福島県産の、東北産の農産物を買ってほしい。食べてほしい。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

私たちにできること・すべきことは何なのだろうか?と考えさせられます。

環境関係の活動でときどきご一緒する日本環境協会の川村研治さんと先日お会いしたときに、「福島の野菜を食べる会」を始めたんです、とお聞きし、あとで詳しく教えていただきました。了解を得て、ご紹介します。

> まさに、福島県の農家は「明日が見えない」状態
> に置かれています。もうすぐ田植えの時期になるというのに、作付けして
> 良いのか、作付けしたところで売れるのか、売れなかったら保障してもら
> えるのか、土曜と日曜は、悲鳴に近い声を聞いてきました。
>
> 昨年に採れた米も、精米の日付が3月だというだけで、市場で敬遠された、
> という農家の方の言葉もお聞きしました。このようなパニックに近い状態
> は、そんなに長くは続かないと思いますが、長期的に見れば風評被害が
> 復興のブレーキとなることは明らかです。

> 「福島の野菜を食べる会」は、私と私の高校時代の同級生(新潟県出身)
> が共同で立ち上げたボランティア・グループで、任意団体(将来的には未定)
> です。

> 先週から今週にかけて、福島県の農林事務所、福島県東京事務所の農業
> 振興の担当者と面談を続けています。生協、食農関係の企業さんも、何
> 社か関心を示していただいています。このような方々を「つなぐ」「し
> くみをつくる」のが私たちの役割だと思っています。


川村さんの立ち上げられた「福島の野菜を食べる会」の設立趣旨をご紹介します。「私も一緒に応援したい!」と思う方がいらしたら、ぜひ川村さんまでご連絡を。

福島の野菜を食べる会発起人 川村研治
fukuyasai@gmail.com

川村さんのプロフィールはこちらにあります。
http://sitta.cocolog-nifty.com/about.html

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

福島県の野菜を食べる会設立趣旨

私たちは福島県の農家と農業を応援します!

1.設立趣旨
2011年3月に起こった福島原発事故によって、日本の食料の供給に大きな役割を果たしている福島県が放射能汚染や風評被害によって大打撃を受けています。

福島県のお米、野菜、果樹は私たち都市住民の生活を支え、豊かにしてくれています。今、都市に住む私たちがほんの少しでも福島県の農家さんに役立つことをし、孫子の代まで福島県の自然のめぐみをいただけるよう行動を起こしましょう。

2.基本方針
(1)この会は「やる気」「世直し」「手弁当」のボランティア精神だけを資源として活動します。誰もこの事業から報酬、賃金をもらいません。
(2)かといって、特定の宗教活動や政治団体とは全く無関係です。
(3)利益をあげることを目的としません。
4)まかりまちがって、収益が出てしまった場合は、最低限の経費に補充します。
(5)それでも余ることは「想定外」なので考えません。もうかってしまったときに何とかしましょう。
(6)農家さんの「支援」が目的ではありません。都市に住む私たちの生活支えてくれている農を、都市に住む私たちが支えるというあたりまえのことをするだけのことです。

3.目的
福島県の農家さんが受けた2011年3月原発事故の被害をできるだけ少なくして、日本の食料の一大供給地である福島県の農業の復興を手伝います。併せて、長期的に震災被災地を支援していくためのネットワークづくりにも取り組みます。

4.目標
(1)現地の農家さんに「応援しているよ」という言葉を届ける。
(2)福島の野菜を買って、知り合いに売る。自分の家で食べる。
(3)福島産の野菜を東京で売る。   

5.当面の仕事
(1)現地の状況を知る。
(2)知り合いの農家さんを増やす。
(3)現地の野菜を仕入れのルートを作る。
(4)都内および近郊の事業者等と交渉して東京での販売ルートを作る。

「福島県の野菜を食べる会」
代 表 川村研治
fukuyasai@gmail.com

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

私にできることは、あちこちの声や活動をつなぐこと。小さなつながりでも、「ゼロよりマシ」。そう思って、イーズの震災関連コーナーに、新しいコーナーを作りました。

食べて、飲んで、被災地を応援しよう!
http://www.es-inc.jp/news/001976.html

です。今は以下の2つが入っています。のんべいさん、出番ですよぉ!(^^;

●「Save The 東北の酒」実行委員会は、東北関東大震災によって被災された酒蔵を応援します。
http://save-sake.com/

●いま、私たちができること。大地を守る会の震災復興支援
http://www.daichi.or.jp/info/news/2011/0323_2686.html

会員以外の方でもご参加いただけます(上記サイトをご覧ください)
1)大地を守る震災復興支援基金
2)send your message ー声を被災生産者へ届けようー
3)食べて復興応援プロジェクト
http://www.daichi.or.jp/info/press/2011/03/post-30.html(プレスリリース)
4)福島と北関東の農家がんばろうセット
http://www.daichi.or.jp/info/press/2011/04/44.html(プレスリリース)

小さなコーナーですが、少しずつつながりを増やしていきたいと思っています。

それから、自然エネルギーで被災地を支援しようというプロジェクトが始まりました。こちらにもぜひご協力を。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  東日本大震災「つながり・ぬくもりプロジェクト」
 〜太陽光・太陽熱・バイオマスなどによる被災地支援〜 ご協力のお願い

 東日本大震災から3週間となりました。被災された皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。原発事故はまだ予断を許さぬ状況ではありますが、被災地では救出から支援、復興へと動きはじめています。

 自然エネルギーを基盤とする持続可能な社会をめざす私たちも、さまざまな団体や企業、地方自治体などと連携・協力を拡げてゆきながら、できうる力での被災者支援に乗り出したいと思います。

 まずは太陽光発電で被災地に電気を灯し、バイオマスと太陽熱温水で暖かいお湯を提供することから、自然エネルギーを利用した被災地支援プロジェクトを発足させることとしました。

 被災地への連帯と支援の思いを太陽光の電気というかたちでつなぐ「つながり」、そして私たちの熱い思いをバイオマスや太陽熱というかたちで支援する「ぬくもり」を続けて、「つながり・ぬくもりプロジェクト」と命名しました。

1、プロジェクト名称

東日本大震災「つながり・ぬくもりプロジェクト」 〜太陽光・太陽熱・バイオマスなどによる被災地支援〜

2、協力団体 岩手・木質バイオマス研究会、エナジーグリーン株式会社、ぐるっ都地球温暖化対策地域協議会、環境エネルギー政策研究所、自然エネルギー事業協同組合レクスタ、WWFジャパン、バイオマス産業社会ネットワーク、森と風のがっこう(岩手)ほか。(今後拡大予定)

3、支援活動の内容

(1)太陽光発電による電気の提供(自然エネルギー事業協同組合レクスタ)

被災地では電気の復旧が遅れています。夏になっても難しいところもあります。ソーラーフロンティア社(昭和シェル)等から、太陽光発電モジュールの提供を受け、被災地の人たちと協力して、避難所や診療所、仮設住宅などに太陽光発電システムを設置します。

モジュールはほぼ無償ですが、架台、パワコン(インバーター)、蓄電池、設置費用(人件費)、物資輸送費用などが実費でかかります。1kWあたり35万円と想定して、集まった寄付の額だけ設置をして行きます。

(2)薪かまど、薪ボイラーによるお湯の提供(岩手・木質バイオマス研究会)

まだガスやお湯がない被災地も多いです。避難所に簡易式に作れる薪かまどを作製し提供します。

また移動薪ボイラー車を制作し、巡回風呂サービスを提供します。 薪かまどは1基3万円程度。トラック借り上げ費用、お風呂キット購入費、移動の燃料代など、ボイラー車1台には100万円程度かかると見ています。

(3)太陽熱によるお湯の提供(ぐるっ都地球温暖化対策地域協議会)

停電、燃料不足により避難場所では、冷たい水で鍋や箸を洗ったり、洗濯ものを洗ったりと厳しい寒さにさらされています。(社)ソーラーシステム振興協会加盟の太陽熱温水器製造メーカーの協力を得て、太陽熱温水器を低価格で提供いただきます。

設置は同振興協会の指導者のもと、地元の水道屋さんなどにやっていただきます。 避難場所およびインフラ整備の遅れている地域を中心に、温水器を直に地面に置き、太陽熱で温めたお湯を皿洗いや洗濯に役立ててもらいます。(晴れていれば40度、曇っている日でも20度くらいになる予定です。) 250台を予定、機器の購入費、付属品を含めて一基20万円。その他、車両借用費、ガソリン代、人件費、ボランティアの現地生活費などが必要で、1件あたり30万円程度と見ています。

(4)その他 小型風力や小水力活用も検討中です。

4、被災地団体、自治体との連携

それぞれの実行団体が、宮城県と岩手県、福島県相馬市などの被災地に実際に入って現地ニーズの確認を行っています。被災した市町村からも直接の聞き取り、ニーズのある避難所のリスト化などを行なっています。

また支援期間は最初の短期は3ヶ月程度、長期では仮設住宅等への支援を含め3年程度と考えています。被災地に持ち込む太陽光や太陽熱、薪ボイラーなどのシステムは、基本的に現地への無償譲渡と考えていますが、用途を終えた後に現地での活用が困難な場合には、回収リユースを検討します。

5、義援金としての寄付活動の開始

以上の支援活動を実施するために、広く一般から寄付を集めます。個人、企業、さまざまな団体での取り組み、ご協力をお願いいたします。寄付の受け入れ窓口は、下記のとおり

三菱東京UFJ銀行 中野駅前支店(店番:552)
普通預金口座 0114940
名義:トクヒ)カンキョウエネルギーセイサクケンキュウジョギエンキンコウザ
(特定非営利活動法人?環境エネルギー政策研究所義援金口座)

郵便振替口座(ゆうちょ銀行)
口座番号:00140-8-274983
口座名:カンキョウエネルギーセイサクケンキュウジョギエンキンコウザ
(こちらは4月8日から稼動の予定です。)

6、プロジェクト事務局
環境エネルギー政策研究所
住所:東京都中野区中央4-54-11
担当:氏家、黒住
TEL: 03-6382-6061,FAX:03-6382-6062
E-mail:re-shien@isep.or.jp

7、プロジェクト関連ウェブサイト
ISEP/NEWS&TOPICS
http://www.isep.or.jp/

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

さて、[No.1946] でピースボートの仲間からのメールをご紹介しました。続報をいただいたので、快諾を得て、ご紹介します。支援のようすが伝わってきます。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ピースボートでボランティア説明会を開始してから2週間で、参加者は1500人以上になりました。石巻には毎週100人のボランティアを派遣しています。東京で活躍してくださる方もいます。現地に行くチームでは男性も女性も1週間分の食料を自分で確保し、寝袋で寝泊まりし、お風呂も1週間おあずけで活動しています。今週10日(日)にも、ボランティア説明会を開催します。

みんな真剣に頑張っていますが、資金面がまだ問題です。ピースボートで集めた資金は、これまでの累計が400万円弱。毎日2000〜3000食を提供している炊き出しも資金さえあれば5000食までは今の態勢で展開可能であるので、なんとからならないものかと思います。石巻では、炊き出しに加えて、泥のかきだしもボランティア中心に行っていくことが先日決まりました。日本赤十字など大手機関が、フットワークの軽い民間組織にも資金を配分する仕組みが早くできるよう、願うばかりです。

ボランティアの中には、著名人もいます。売名、偽善など言われることも懸念してか、「特別扱いしないでほしい」とチーム会議にも1個人として参加し、現地に行く方もいます。オピニオンリーダーになれるはずの彼らが現地での活動、見てきたものを堂々と発信できる健全な日本であってほしいと思います。

更新がまったく追い付いていませんが、今後も、http://www.pb-kyuen.net に少しずつでも現地の情報をアップしていきます。引き続きのご支援をいただけたら、とても心強いです。

被災地の人たちへの支援がひと段落したら、今度は社会の復興です。東北の若手リーダーを震災から復興した世界の都市や北欧などをめぐるクルーズに招待し、環境、教育、福祉事情に詳しい専門家とともに世界を視察してもらう案も考えています。それが実現する際には枝廣さんにもぜひご協力いただきたいです。また船でご一緒できる日を楽しみにしています。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

節電に義援金、支援物資などなど、それぞれできることをできる限り進めていらっしゃると思います。

「この義援金や支援物資はどういった方々の手に渡るのだろう?」「私がいま節電することは何につながるのだろう?」と、ぜひつながりに思いを馳せて。

経済効率至上主義の社会の中で、失ってきてしまったつながりを再発見すること。自分たちにとって、本当の意味で大切なつながりを取り戻し、創り出すこと。

それができてはじめて、今回の震災・東京電力原発事故を、本当に持続可能で幸せな社会づくりにつなげることができる。

活動でもお金でも思いでも、どんなに小さなつながりでも、すべてのつながりは自分から創っていくことができる。そんなつながり同士がつながると、もっと大きなつながりになっていく。つながりを大事にすると、もっと強いつながりになっていく。

つながりの時代へ。

※メールニュースに掲載されている内容・情報はそれぞれのご判断の上、出所(枝廣淳子の環境メールニュース http://www.es-inc.jp)を添えて、引用・転載くださってけっこうです。ただ、どの情報も「その時点での情報」であって、のちに修正・追加等される可能性がある情報であることをご理解・ご明記いただければ幸いです。

 

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