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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2010年12月18日

エコプロ展での「日刊 温暖化新聞」エダヒロのミニトーク(2010.12.18)

温暖化
 

先週エコプロ展の3日目に、日刊 温暖化新聞のブースで、ミニトーク「エダヒロと温暖化について話そう」をしました。たくさんの方に来ていただき、また足を止めていただいて、集まって下さった方々のご意見やご質問もいただきながら、当初予定の30分を大きく超えて、50分ぐらいのトークセッションとなりました。

USTREAM中継をしていました。こちらのURLでご覧いただけます。
http://www.ustream.tv/recorded/11368761
http://www.ustream.tv/recorded/11369345

ツイッター中継もしていました。日刊 温暖化新聞のツイッターはこちらです。
https://twitter.com/#!/ondankashinbu

N私は話すのが早いので、それをチームプレーでできるだけすくいとりながら書き込んでくれたスタッフに感謝!しつつ、こんな話をしました、ということで、よろしければどうぞ。

ツイッターは性質上、下から上へとつながるので、読みやすいよう、以下、並び替えてもらいました。(当然ながら全部はとらえられていないので、ご興味のある箇所がありましたら、上記のUSTREAMをご覧ください)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

エダヒロのミニトークの内容 (2010/12/11 14:00-)
http://twitter.com/ondankashinbu

Nブースにきているかたに温暖化についての質問をしていただきます〜

質問1)温暖化は現実的に何が起きているのか、どうすればよいのかがわからない。誰にでもわかるような数値化するようにしてほしい。

質問2)企業はお金がない中で対策を進めていくにはどうしたらよいのか?

質問3)GNH(国民総幸福)について教えてほしい。GDPと異なる指標に興味あり。

質問4)温暖化がよくないといっているのはわかっているが、多くの人が理由をつけてやっていない、それに対してどうすればよいのか。

答え1)温暖化やCO2の排出量は目に見えない、公害とは異なるため。ただ、生物多様性よりもわかりやすい。たとえば、現在人間の経済活動で出しているCO2は72億炭素トン。それに対し、地球の扶養力(CO2吸収力)は31億炭素トン。つまり、人間が出しているCO2を31億炭素トンに減らさなければCO2は増える一方なので、温暖化は進行し続けることがわかります。こうした指標となる数値を活かすのがよいと思います。

答え1.2)また、数値化しても自分の生活にどうしたらいいのかわからないので、生活に落とし込むには、炭素税などお金の形にすることで企業も取り組みやすいのではないか。

答え3)GDPを伸ばすために今までがんばってきたが、それが地球の扶養量を超えてしまって、温暖化のようなさまざまな問題がでてきた。これは症状のひとつであって、根本問題ではない。

究極の目標はGDPを伸ばすことではなく、「幸せ」を求めることではないのか。サルコジ大統領が脱成長といっていたり、GNHなどが世界的な動きになっている。

2009年3月イギリスの政府機関が、成長なき繁栄というレポートを出した。これからは経済成長は右肩上がりではない、そういう時代にイギリスはどういう方向性にいくのか、国レベルで考えている。

世界的な動きになっているので、日本の企業も成長だけを求める時代ではなくなっている、新しいビジネスのやり方をする時代になってきているし、どういうのが新しいやり方なのか模索している。

また、どうやったら、売り上げを維持しつつ、環境対策をとるか、社員の幸せを考えるのかといった課題の会社が多くなってきている。

エダヒロとしては、企業と株主の関係を変える。たとえば、企業が投資家を選ぶ。長期的な環境目標を出して支持する投資家など。

これからの時代は違う価値観の企業や人との新しい関係作りが大事だと思う。「共創」と呼んでいる。温暖化新聞のパートナーの間では「共創力」をつけようと勉強会などを行っており、実際に異業種で何ができるかディスカッションする場を設け、実践している。

意見の違う人と話をすることもトレーニングすれば可能。ふつうは、どうしても相手の話を拒否してしまいがちだが、まず相手の意見を最後まで聞いて、その上で相手はそう思う、だが自分はこう思う。というふうに変えていく。迎合ではない。それが共に創りだす、真の力であるとおもう。

会場質問) 持続可能な成長、ということでイギリスの例をだしたが、企業側として、成長しなければならないという矛盾はやはりはある。社員の家族の生活も考えなければならない。成長しつつ、環境と調和はできないのか?中小企業の立場として

A)答えがわからないからといって、成長至上主義では答えではないことはわかる。どんな時代でも成長しなければならないものはある。環境にいい技術や製品は成長すべきものだと思っている。

よい分野が伸びることは大事である。そういった環境に良い分野が拡がるように、良貨が悪貨を駆逐するようなかたちになればいいと思う。

日本語では「成長」という言葉は一語しかないが、英語ではGrowth(量の成長)とDevelopment(質の成長)があり、日本語でもこれを区別して考えるべきではないか。

今までは量の成長を考えてきたが、これからは質を考えての成長が大事であると考える。

今後石油がなくなってくることがあるだろう、そのときに食料もなくなる時代もくるので、企業が社員にできることを考えるべき。たとえば会社が田畑をもって、自給自足を行うなど。半農半Xという考え方もある。自分の時間の半分を農業で、残りは自分のミッションや仕事に使うこと。

昔はこうした考え方は一部の人だけが考えてきたが、企業の人々も考え始めてきたので、いろいろな話ができるようになってきた。時代が変わってきているのを感じている。

Q)車の燃費について興味がある。燃費を考えると車が小さいのがベストと考えている。だが、大型車も出てきている。それは人々のニーズがあるからだが、小さいほうがいいのではないか。あと、COP16についての見解を。

A)燃費はよくなっているが、大型化しているので、全体的には状況は改善されていない。大型化したのは構造的な理由がある。たとえば、「ステータスとして」、「交通事故で人を守る安全対策のため」、「渋滞を考えたときに車内を快適空間にするため」などの理由により、大型化・重量化になった。

省エネについても同じ。省エネをしてもエネルギーの消費が増えるという、リバウンド効果が実はでている。

燃費はよくなったから、遠出して走行距離が伸びる、など。家庭の消費電力も同じで省エネ家電になったから、長時間使ってもよいと考える、浮いたお金で何かを購入する、というのがリバウンド効果。

「幸せにつながっているCO2」と「そうでないCO2」を区別すべき。つながらないCO2は減らせばいいし、つながっているものは我慢する必要はない。たとえば、一家団欒でテレビを見ているのはCO2は幸せにつながるCO2で、誰もいない部屋でついている電気は幸せにつながらないCO2。

A)COP16 について:今夜に大詰め。国益>地球益となっている厳しい状況。特に中・米が参加していない。日本は京都議定書単純延長NGをだしていて、諸外国からバッシングを受けている。中・米だけでCO2の排出の半分以上だしているのに、その枠組みに入っていない京都議定書を続けるのは難。

EUは排出量取引の仕組みを作ったので、空白期間がでるのはまずいとおもっている。こうしたそれぞれの国の立場があり、新しい枠組みが作られる見通しがなかなか見えてこない。

日本は京都議定書延長を拒否したことで日本だけが批判を浴びるのはどうか。中・米は参加もしていないのに。日本もアメリカも化石燃料に頼った経済社会は続かないのはわかっているので、早く低炭素社会への向けての転換を図ったほうがよい。

脱成長(3脱)=暮らしの脱所有化、幸せの脱物質化、人生の脱貨幣化。これが載っているのは「幸せな未来のつくり方」という新刊。好評発売中。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

最後にご紹介した新刊は、こちらです。

『「エコ」を超えて―幸せな未来のつくり方』
枝廣淳子+ジャパン・フォー・サステナビリティ(JFS)著

日刊 温暖化新聞のブースはちっちゃなブースでしたが、たくさんの方が立ち寄って下さったり、新しい企業・団体パートナーとのつながりも生まれ、うれしく思います。

そういえば、このたび旺文社より発行された『なるほど知図帳日本2011』に日刊 温暖化新聞からの情報が掲載されました、と連絡がありました。

『なるほど知図帳日本2011』

この116ページの「環境・エコ」ページにある「CO2削減への取り組み」の中で、イーズ調査報告結果が採用されています。

日刊 温暖化新聞レポート(2008年3月24日)「地方自治体の温暖化対策目標と政策に関する調査」の「二酸化炭素(CO2)増減率」

レポート本体はこちらにあります。
http://daily-ondanka.com/report/ondanka_01.html

毎日世界からの温暖化最新情報をお届けしつつ、仲間が広がり、社会へでのプレゼンスと貢献も少しずつアップしていること、うれしく思いつつ、来年のさらなる展開を考えている今日この頃です。(^^;

 

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