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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2010年10月20日

「企業も“共創力”の時代へ」環境新聞コラムより (2010.10.20)

 

最近、企業向けの講演の最後に「企業の競争優位性が変わってきた」という話をします。これからの時代に生き残っていくために、これまではさほど必要ではなかった新しい力をつけていく必要があると考えているからです。

その内容を、2010年9月1日付の「環境新聞」のコラムに書かせていただきました。許可を得て、ご紹介したいと思います。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

企業も“共創力”の時代へ

                       イーズ代表 枝廣淳子

変わる競争優位の源泉

最近、温暖化や生物多様性をはじめとする環境問題や、貧困その他の社会問題を解決していくうえでも、そして企業の競争優位性の点からも、「共創力」ということをよく考えます。

企業の競争優位の源泉が変わってきていると思うのです。これまで企業の競争力を決めてきたものは、資金力、設備、技術力や人材力などでした。これらは一社の中で完結する、いわば“閉ざされた競争優位の源泉”です。

でもこれからは、組織内だけではなくて、他社や他業種、そして社会のさまざまな主体者とのやりとりにこそ、競争力の源泉が生まれてくる、と思うのです。

最初は「あの企業と提携する」、「あのNGOを支援する」など、一対一の関係でしょう。そして、さらに一対一ではなくて、さまざまなステークホルダーとのやりとりが大事になりつつあります。つまり、企業の競争優位の源泉は、資金力や技術力だけではなくて、「伝える力」、「つながる力」、「共創する力」に移行しつつあるのです。

社内だったら言葉を尽くさなくてお互いにわかり合えるかもしれません。でも、社外とやりとりしようと思ったら、「伝える力」が必要です。社内のように「みなで一緒にやること」が前提でではない場では、「どうやってつながっていくのか」「どうやって新しいものを一緒に生み出していくのか」が鍵となります。

日本の企業を見ていると、いくつかの企業はすでにこの「新しい競争力の源泉」に気づいて力を入れ始めています。上手に異業種とのコラボレーションを進め、セクターを超えた市民・NGOとのコラボレーションをよい形でデザイン・実行している企業もあります。

でも、ほとんどの企業は、まだ気がついていないのか、やり方がわからないのか、相変わらず、外につながっていない閉ざされた世界の競争優位だけに注力しているようです。

私はこのような共創型のパートナーシップをはぐくむ場をつくりたいと、さまざまな企業や団体とともに、自分の主宰する「日刊 温暖化新聞」のウェブでの情報発信の場を中心に、「学ぶ」「伝える」「変える」活動を進めています。

「ホンネで話ができる」、「他業種とのつながりができる」と好評の異業種勉強会をベースに、企業の取り組みを説明し、市民からフィードバックを聞くダイアログの場や、経産省や環境省、NGOとの情報意見交換会など、「どうやって社会との共創を進めていくか」を勉強・実践中です。

多様な人が集まってもそれだけでは「多様性」は生まれません。共創のためには多様性を活かすための「作法」や「プロセス」が必要なのです。それらをつくりつつ、試しつつ、実践を進めていきたいと思っています。

(「環境新聞 2010年9月1日付」より)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

共創力って、耳で聞くと「競争力」?と思うかもしれませんね。ワープロの変換も「きょうそうりょく」と入れると、ふつうは「競争力」と出るでしょう?(私のは「共創力」とも出ますけど。^^;)

「競争力」に「共創力」が加わっていく時代って、とってもわくわくします。

上記のコラムでも紹介している「日刊 温暖化新聞」の企業・団体パートナーは現在、60社・団体弱。2ヵ月に1度月のフォーラム(異業種勉強会)で学び、考え、ネットワークを広げています。
http://daily-ondanka.com/partnership/index.html

次回のフォーラムは、「バックキャスティング」の創始者であるナチュラル・ステップから高見幸子さんをお迎えして、その手法と事例を中心に学びます。

そして、後半の部では、私がファシリテータとなって、参加者の「共創力」を鍛えるセッションを行う予定です。本邦初の試みを楽しみにしているところです。
http://daily-ondanka.com/partnership/forum.html

「日刊 温暖化新聞」の企業・団体パートナーは100社・団体ぐらいまで増やそうと思っているので、これからの時代を一緒に創っていこう、新しい時代に必要とされる共創力を組織として身につけよう、という企業・団体のみなさま、ぜひどうぞ。お待ちしています。
http://daily-ondanka.com/partnership/guide.html

 

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