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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2010年09月26日

エコビレッジでの暮らしのエコロジカル・フットプリントは?(2010.09.26)

 

アイスランドでのバラトン合宿から元気に帰ってきました。

特に前半の「Alternatives to Growth」(成長に代わるもの)については、ずいぶん前からの自分自身の問題意識でもあり、興味深く議論してきました。いろいろと考えるヒントや切り口をもらって帰ってきた思いです。

日本でもしっかりと「成長をどう考えるか」の議論を展開していきたい!と思っています。このテーマで、連続勉強会を10月下旬にスタートするつもりで準備を進めています。この分野の世界の最新の知見を読んで、考えて、議論する勉強会(読書会)です。準備ができましたらご案内しますので、どうぞお楽しみに!

さて、[No.1843] で日本並の消費社会を支えるためには地球が「2.3個」必要という話を紹介しました。エコロジカル・フットプリント(EF)の話です。

アイスランドでの会議で、アイスランド人が「アイスランドのエコロジカル・フットプリントは、なんと地球21個分です!」と発表したのでびっくり。(@_@);;;聞けば漁業の環境負荷がずば抜けて大きいのですね(その多くは輸出用です)。

ところで、上記のメールニュースに対して、グローバル・エコビレッジ・ネットワークのメンバーでもある「木の花ファミリー」の古橋道代さんから、メールをいただきました。ご快諾をいただき、ご紹介します。

木の花ファミリー http://www.konohana-family.org/

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

わたしたち木の花ファミリーも数年前に簡易版EFサーベイにメンバー皆で答えました。

結果、わたし達の生活は、地球0.8個分の暮らしとなりました。すなわち日本平均の約3分の1です。

海外のエコビレッジにおいても、イギリスのフィンドホーン財団も、イギリスの平均の地球3個分に対して、フィンドホーンの平均が1.4個分ということで、そのEFは、国平均の約2分の1となっています。
http://www.ecovillagefindhorn.com/docs/FF%20Footprint.pdf

このように人々が集い、必要なものを共有し、資源を有効利用したり、リサイクルし、自らの食するものを生産しながら、分かち合いの中に生きるエコビレッジの暮らしは、EFを低くするようです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

エコビレッジに関して、古橋さんも共訳された日本で初めてのエコビレッジについて専門的に書かれた本が刊行されました。

『世界のエコビレッジ"持続可能性のあたらしいフロンティア"』
ジョナサン・ドーソン著(前グローバル・エコビレッジ・ネットワーク代表)
緒方俊雄、松谷泰樹、古橋道代 訳日本経済評論社 1575円(税込)

バラトン合宿後半の「Food Future」(食糧の今後)では、エコビレッジの話題も出ました。「かつては社会からちょっと外れた変わった人たちの集まりと見られていたエコビレッジが、今では大きく社会を変えうるひとつの動き・うねりとなっている」と。

これまたびっくりしたことに、セネガルには「エコビレッジ担当の大臣」がいるんですって! そして、「14,000の村をエコビレッジにしていこう!」と国を挙げて取り組みを進めているそうです。

「日本に於いても真に豊かなコミュニティが増えることを願い、世界や日本で広がるエコビレッジに関する情報を共有しながら、日本型エコビレッジの学びと実践の場を提供していこう」というエコビレッジ・ジャパンのサイトによると、世界中にはエコビレッジが約15,000ヶ所あるとか。

日本のエコビレッジのデータベースもこちらにあります。
http://jepp.org/browse/

今回のバラトン合宿には、地域通貨の世界の第一人者であるベルナルド・リエター氏もはじめて参加されていて、食事やバスの車中などでいろいろとお話しすることができました。そしていろいろ考えさせられました。(リエターさんは、「地域通貨」ではなく「補完通貨」と言っています)

エコロジカル・フットプリント、エコビレッジ、そして地域通貨。いろいろなものがつながっていることを、さまざまに再認識した合宿でもありました。

 

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