先日お願いしました「温暖化を防ぐために、自然エネルギーを増やす政策に関するアンケート」、たくさんの方から回答をいただき、目標の300件を超えました。ご協力下さったみなさま、ありがとうございました!
お知り合いや他のネットワークなどに転送してくださっている方もいらっしゃるので、当初お知らせしたとおり、「23日朝2時」ごろに閉めようと思っています。いただいた声は政府にも届けますので、ご協力のほど、ぜひよろしくお願いいたします。
http://app.formassembly.com/forms/view/69571
さて、前号で、うちのオフィスの皿エコ(お皿でエコ、マイ箸からさらにエコ!)の取り組みや私のコメントが「ズームイン!!SUPER」に登場します、というお知らせをしましたが、コミュニケーションの初歩的なミスをしてしまいました。
「明日朝の日本テレビ 「ズームイン!!SUPER」内のコーナー「ズムとく!」に、登場することになりました」と書いたのですが、夜に書いたため、「明日」というのが19日なのか20日なのか、よくわからないまま送ってしまいました。せっかく観ようと思っていたのに……という方、ごめんなさいー。
失敗からも学ぶということでいえば、これは「ありがちなコミュニケーション・ミス」のひとつです。夜書いている私にとっては、「明日」は「明日」なんですよね。
でも、読み手はいつ読むかわからない、という現実を考えれば、この「書き手の視点」だけでは十分に伝わりません。翻訳もまったく同じですが、「書き手」と「読み手」の立場を行ったり来たりしながら伝えないといけないのです(反省!)。
さて、固定価格買取制度についてのアンケートですが、みなさんへのお願いと並行して、一般の方々を対象にも実施しました。結果を発表しても「メールニュースの読者じゃ、賛成が多いのは当然だろう」という反論が来ることが予測されたため、アンケート会社に依頼して、一般(無差別)300人へのアンケートをおこないました。その結果をとりまとめて、プレスリリースをつくり、今日(あ、また! ええと、2月20日です。^^;)の夕方、経産省と環境省の記者クラブにお届けしてきました。
プレスリリースは、追って日刊 温暖化新聞のウェブサイトにもアップしますが、一足先に、その内容をお伝えしますね。特に温暖化に強い関心を持っているわけではない一般の人々にどう伝えたらよいのかなど、メールニュースの読者のアンケートの回答との違いからも、考えることがたくさんあって勉強になります。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
負担増でも53%が固定価格買取制度を支持
主婦層ターゲット調査、コスト負担増理由の反対は5%
平成21年2月20日
有限会社イーズ
有限会社イーズ(本社:東京都世田谷区、代表取締役:枝廣淳子)は、本日、「温暖化を防ぐために、自然エネルギーを増やす政策に関するアンケート」調査結果を発表しました。
本調査は、自然エネルギーを増やす政策への賛否と、その政策の一つである固定価格買取制度について、負担や便益についての情報 が与えられる前と後での賛否を調査したものです。
調査は一般(無差別)を対象に、2月16日17時から有効回答300に達するまで、インターネットを通じて行いました 。回答者は99%が女性であり、25歳〜50歳が94%を占めており、生活負担増に厳しいとされる主婦層を対象とした調査となっています。
結果は、自然エネルギーを増やす政策の“総論”には8割の人が賛成しており、自然エネルギーの電気を高く買い取るという側面について固定価格買取制度を説明した場合に7割の人が賛成、月平均260円の電気料金アップというコスト負担を伴うことが分かった場合でも、5割強と過半数以上が賛成でした。一方、コスト負担情報を伴った場合の反対は12%で、うち4割(回答者全体の5%)がコスト負担増を理由にした反対でした。
Q1 自然エネルギーを増やす政策(※プレスリリースでは円グラフです)
賛成する(48%)
どちらかといえば賛成する(38%)
どちらともいえない(12%)
どちらかといえば反対する(1%)
反対である(0%)
その他(1%)
Q2 固定価格買取制度(“高値で買い取る”説明)
賛成する(32%)
どちらかといえば賛成する(41%)
どちらともいえない(25%)
どちらかといえば反対する(2%)
反対である(0%)
その他(0%)
Q3 固定価格買取制度(月平均260円の電気代アップ)
賛成する(18%)
どちらかといえば賛成する(35%)
どちらともいえない(34%)
どちらかといえば反対する(9%)
反対である(3%)
その他(1%)
自由記述のQ4では、「もっと説明や情報提供が欲しい」(全回答の12%)という声が最も多く、自然エネルギー設備設置者から高く買い取る部分と、そのコスト負担を電気料金に薄く広く上乗せするという2つの側面について、十分な理解に至っていない回答者が多いことも分かりました。これは、Q2, Q3において「どちらともいえない」がそれぞれ25%, 34%と多数となっていることからも分かります。
コスト負担増への不安や難色を示すコメントが全体の9%存在しますが、固定価格買取制度への反対を示している回答は全体の5%と、不安や難色は示しつつも政策には賛成、または検討に値すると考えていることが分かります。
一方、コスト負担増もやむなしとする積極的なコメント(全回答の4%)も少なからず存在しました。また「初期投資を下げる方策を」とのコメント(全回答の5%)も多くありました。
不況下で生活防衛意識の高まっている主婦層においても、子供たちの世代へよい環境をという気持ちは強く、「生活コスト増となっても過半数以上が固定価格買取制度に賛成」していることが明らかになりました。
以 上
【お問い合わせ先】
有限会社イーズ 東京都世田谷区船橋1-11-12 産興ビル3F
Tel:03-5426-1128 E-Mail:info@es-inc.jp 担当:飯田
別表1 設問一覧
Q1: 温暖化を止めるためには、省エネに加えて、二酸化炭素をあまり出さない自然エネルギー(太陽光発電や風力発電など)に切り替えていくことが重要と考えられています。自然エネルギーの割合を大きく高め、さらに高い目標を掲げている欧州諸国や米国に比べ、日本の将来目標は世界最低のレベルとなっています。この状況を変えるべく、日本でも自然エネルギーを増やすための政策が提案されていますが、あなたはこの政策に賛成ですか?
Q2: 自然エネルギーの普及政策として、自然エネルギーによる発電電力を電力会社が高値で買い取り、自然エネルギーの設備を購入した人が10年程度で元がとれるようにする「固定価格買取制度」があります。この制度は、太陽光発電で世界一のドイツをはじめ世界で35カ国以上が導入しています。日本でもこの「固定価格買取制度」を導入する環境政策が提案されていますが、あなたはこの政策について賛成ですか、反対ですか?
Q3: 環境省の研究会の試算によると、日本でこの制度を中心とする政策によって、2030年までに現状の55倍の太陽光発電を導入でき、化石燃料の節減や太陽光発電の輸出増加などで約48兆円のGDPと約70万人の雇用を創出、エネルギー自給率は現在の約5%から約16%まで上昇し、多くの二酸化炭素を削減できます。一方、この制度はコスト増分を消費者が薄く広く負担するしくみなので、電気代は標準世帯で月平均260円アップします(日常生活に最低限必要な使用量には上乗せしないなど低所得者層への配慮はあります)。電気代が月平均260円アップする場合、あなたは「固定価格買取制度」の導入に賛成ですか、反対ですか?
Q4: 「固定価格買取制度」を日本に導入しようという政策について、どんなご意見でもけっこうですのでお考えをお聞かせ下さい。
別表2 Q4自由記述回答の趣旨別集計
もっと説明や情報を 36 (12%)
電気代アップは避けたい 27 (9%)
そもそも政治不信がある、詐欺が怖い 16 (5%)
初期投資を下げる方策を 16 (5%)
電気代アップも仕方がない 12 (4%)
10年の投資回収では長すぎる 10 (3%)
低所得者や高齢者への配慮が重要 7 (2%)
電気代ではなく税金投入を 4 (1%)
注)環境省 低炭素社会構築に向けた再生可能エネルギー普及方策検討会, 「低炭素社会構築に向けた再生可能エネルギー普及方策について(提言)」
(2009.2.10) http://www.env.go.jp/earth/ondanka/conf_re-lcs/rcm.html
あつまれ!ご意見ネット(運営:株式会社ハー・ストーリィ)使用
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
一般対象のアンケート(特に自由記述回答欄へのコメント)を見ていて痛感したのは、「私たち(高関心層)にとっては当然のことが、当然ではない(=説明や説得が必要)な人たちがいっぱいいるのだなぁ!」ということでした。
自分にとって当然のことが理解されていないという状況にイライラして、「どうしてそんなこともわからないの!」「当然じゃないか!」と切り捨ててしまいたくなるかもしれませんが、それでは多くの人に伝えられるようにはならないのですね。。。
時間をとって、「自分やメールニュースの読者には当然だけど、それが当然ではない人々がいる」点をすべてピックアップして、ひとつずつ「どのように説明すれば伝わるか」を考えてみるつもりです。コミュニケーションと忍耐力のよいトレーニングになりそうです。(^^;
※有限会社イーズは、2017年12月25日に移転いたしました。
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