ホーム > 環境メールニュース > 「デニス・メドウズから学ぶ『成長の限界』」ワークショップへのお誘い(2007.0...

エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2007年09月20日

「デニス・メドウズから学ぶ『成長の限界』」ワークショップへのお誘い(2007.09.10)

システム思考を学ぶ
 

『成長の限界』が1972年に刊行されて30年以上がたちました。デニス・メドウズ氏がマサチューセッツ工科大学(MIT)教授であった1970年、ローマクラブからの依頼を受けて、地球の人口、経済、環境などが相互にどのような影響を与えるかについて研究するチームを率い、システム思考に基づくシミュレーションをおこないました。1972年にその研究成果をまとめて出版された『成長の限界』は世界的なベストセラーとなり、日本でも多くの人々に影響を与えました。

経営者などとお話をしていても、「もちろん読みましたよ」「あの本は衝撃的でしたね」とおっしゃる方が多く、世界30ヶ国以上で読まれていることからも、本当に大きな影響を与えた本なのだと思います。

私がこの本を最初に読んだ時、水晶玉を向こうからのぞいているような気がしました。「このままだと30年後にこうなるよ」「このままだと2000年にはこうなるよ」といったシナリオが書いてあるからです。

たとえば、「2000年にはCO2の濃度は380ppmになる」というシナリオが書いてあります。残念ながら、、、「ドンピシャ」ですね。人口は、そのシナリオに書かれている70億よりはちょっと低めですんでいますが。。。

このように、30年後に起こりうるシナリオがいろいろなシミュレーションの結果として書かれている本を、その「30年後」を超えた私たちが読むことは、とても大きな学びがあり、同時に深く考えさせられます。

『成長の限界』が出された20年後に、新しいデータを盛り込み、当初のモデルをその後の実際のデータを比較した『限界を超えて』が出版されました。

英語の原題は『Beyond the Limits』です。邦題は『限界を超えて』となっていますが、もし私がタイトルをつけたなら、『限界を超えた』としたでしょう。

『限界を超えて』というと、「限界は超えられる」というような、何となく希望のメッセージのような感じがしますよね。でも、本の内容は、20年前に「ここままだと限界が来るよ」と言っていたことが、実際にもう来ている、いろいろな意味で限界を超えてしまっている、というものなのです。

序章には、「この20年で学んだことを考えていると、さまざまな分野で成長傾向が改まらないまま、時間だけが経過したために、限界に対する人類社会の位置が変わってしまっていることがわかってきた」「多くの資源や汚染のフローは、すでに持続可能性の限界を超えてしまっていることがわかった」とあります。

さらにそれから10年以上たって、2004年に『成長の限界 人類の選択』が出版されました。最初の本に比べると、いろいろな説明やデータを加えてわかりやすく書かれていますが、地球の現状とメッセージは30年前と変わっていません。

--「有限の地球で、無限の成長を続けることはできない。物質的な成長には限界があり、人間にとっての資源やエネルギーの供給源としての地球も、排出物の吸収源としての地球も、成長の限界を超えてしまっている。一時的には限界を超えて成長を続けることができても、システム構造的に、必ず、限界以下に戻ることになる。それが我々人間が意志と選択によって下げるからか、行き過ぎて崩壊してしまうからかは別として」

この5月から9月にかけて開催している「骨太の枠組みをつくるための 環境必読書を読む講座」の第1回で、『成長の限界』を取り上げました。自分でも読み直し、参加者と議論するなかで、「成長の限界」という考え方が今以上に重要な時代はないこと、単なるキャッチフレーズではなく、その構造をしっかり理解する必要があることを痛感しました。

また、デニスが30年以上にまえにこの本をどんな思いで書いたのか、そのあとのすさまじいバッシングとどのように戦ったのか、30年を経ていま、地球の現状と成長の限界をどう考えているのか、状況を好転させるための構造的な介入点はどこだと考えているのか--ぜひ本人から学びたい!と思いました。私だけではなく、多くの人にぜひ直に学んでほしい、問題の本質を考える一助にしてほしい、と。

「成長の限界をテーマとしたワークショップをしてほしい」とデニスにお願いしましたら、快諾してくれました。秋の来日時に、土曜日の午後を使って開催します。

単なる講演ではなく、デニス特製のワークショップ(今回用にプログラムを作ってくれます)です。本邦(いや世界でも)最初で最後かもしれない貴重な機会です。ぜひお見逃しなくご参加下さい。

※なお、受講費から必要経費を差し引いたお金は、デニスが力を入れている教育プログラムの資金に充てられます。


●●●「デニス・メドウズから学ぶ『成長の限界』」ワークショップ●●●


●日時
2007年11月17日(土)  
13:00     開場(受付開始)
13:15-17:15  ワークショップ

●場所
弘済会館 4F会議室「蘭」
http://www.kousaikai.or.jp/hall/index.htmlJR四谷駅・麹町出口徒歩5分
地下鉄(丸ノ内線、南北線)四谷駅 共通1番出口徒歩5分
   (有楽町線)麹町駅 2番出口徒歩5分

●講師
デニス・メドウズ氏(インタラクティブ・ラーニング研究所所長)

マサチューセッツ工科大学(MIT)教授であった1970年、ローマクラブからの依頼を受けて、地球の人口、経済、環境などが相互にどのような影響を与えるかについて研究するチームを率いる。1972年に、研究成果をまとめて出版された『成長の限界』は世界的なベストセラーとなった。その20年後、新しいデータを盛り込み、当初のモデルをその後の実際のデータを比較した『限界を超えて』を出版。2004年には、『成長の限界』から30年たってわかったことや最新データを盛り込んだ『成長の限界―人類の選択』を出版。

●コーディネーター
枝廣淳子(環境ジャーナリスト/イーズ/チェンジ・エージェント)

●コース概要
『成長の限界』の内容はもちろん、その背景や書かれた経緯について著者自身から聞きます。参加型ワークショップで、頭と体と心で『成長の限界』のメッセージを理解し、私たちがこれから何を考えるべきかについて、学びます。(逐次通訳つき)

1.どのようにして『成長の限界』が書かれたか
2.なぜ『成長の限界』が書かれたか
3.『成長の限界』のポイント
4.体験的に学ぶ〜「行き過ぎと崩壊」とは
5.私たちの未来への意味合い
6.質疑応答


●参加費
15,000円/人(税込)

●定員
約60人

●主催
有限会社イーズ/有限会社チェンジ・エージェント

以下申込書フォーマットにご記入のうえ、申込専用e-mailアドレス:limits-to-growth@es-inc.jp までお送りください。折り返し、お支払い方法のご案内を自動返信メールにて送付いたします。

++++++++++++申込書++++++++++++++

 デニス・メドウズから学ぶ『成長の限界』ワークショップ

お名前 :
ご所属 :
備考  :

※この講座をどこでお知りになったか教えていただけると幸いです。
( ) a. 枝廣淳子のメールニュース(enviro-news)
( ) b. イーズメール
( ) c. 他のメールマガジンによるご案内 (          )
( ) d. イーズのウェブサイト
( ) e. 職場・知人・友人からのご紹介
( ) f. その他 (          )

++++++++++++++++++++++++++++++

なお、Yahoo!やHotmail等をお使いの場合、自動的に迷惑メールフォルダ等に振り分けられるか削除されるケースがございますので、お申し込みから数時間たちましてもメールが届かない場合は、上記設定をご確認いただくか、以下お問い合わせ先までご一報ください。

●お問い合わせ
有限会社イーズ
e-mail: limits-to-growth@es-inc.jp 
Tel:044-922-6130 Fax:044-930-0013
担当:飯田、石神


本当に貴重な、またとない学びの機会になると思います。私もとても楽しみです。ぜひ万障繰り合わせてご参加下さい〜! またご興味のありそうな方にもぜひお知らせ下さいな。よろしくお願いします。

 

このページの先頭へ

このページの先頭へ