ホーム > 環境メールニュース > 21世紀環境立国戦略特別部会(2007.07.02)

エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2007年07月04日

21世紀環境立国戦略特別部会(2007.07.02)

新しいあり方へ
 

私も委員のひとりとして参加していた「中央環境審議会 21世紀環境立国戦略特別部会」の最終成果物である「21世紀環境立国戦略の策定に向けた提言」がこちらに掲載されています。

また、10回にわたる審議の議事録、資料はこちらにあります。
(資料にはいろいろと参考になるものもあります。開いてみないと何の資料なのかわかりませんが。。。)

このような会にでたのは初めてでしたので、いろいろと学びもあり、面白い体験でした。26人も委員がいて、限られた時間ですから、議論を尽くすというより、事務局の用意してくれた案について、それぞれの意見を表明する、という感じですね。その意見を次の案に反映してまた審議する、という形で進みました。

表明した意見がすべて反映されるわけでもなく、「反映される系」の意見と、いくら言っても「反映されない系」の意見があることもわかりました。たとえ、反映されなくても、委員として出席した自分が自分の意見を表明しておくことは大事だと思いましたので、大事だと思うことは繰り返し述べました。

以下、特別部会後半での私の発言です。※で注をいれます。(原発に関するあたりは、私だけではなく、数人が強い意見表明をしましたが、取り上げられませんでした)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

第6回
いくつか述べさせていただきます。最初に、鮎川さんの発表のなかで、「世界は早期に半減すべき」ということがありましたが、私も不勉強で最近まで知らなかったのですが、これは日本政府が、気候変動に関する国際交渉の場で、日本政府の見解として出したということを聞きましたので、これは、一貫性を持った形でよいスタート地点になるのではないかと思います。当時は「いつまでに」ということがなかったので、今回はそれを含めてということになります。
 
私自身はコミュニケーションの専門家だと思っておりますが、技術や政策の専門家ではないので、若干予防線を張る言い方になります。自分自身がいまできているわけでも、やり方がわかっているわけでもありませんが、ただ、このままでは多分だめになってしまうという、警告する役割も、やはりある意味必要であろうと。みんなで考えざるを得ないところで、そういう役割もあるだろうと思います。
(※これはその前の鮎川さんに対する茅先生の厳しい発言を受けての前置きです)

これはずっと考えていることですが、人々にどう伝えて、どう人々を動かすかということに関しても、ほんとは専門委員会を、たとえば技術開発であるとか省エネであるとかやっているように、開催しなくてはいけない時期ではないかなと思っています。

前回にも述べましたが、3ギガトンしか地球が吸収できないのに7ギガトン出ている。絶対的な排出量を減らすしかないわけです。その排出量というのは、原単位×数量と、たとえば簡単に表したとして、原単位を減らす努力として、たとえばefficiency、効率化であるとか、プロセス改善であるとか、その技術を移転するということが行われています。これは日本の先進分野であるし、ずっと成果を上げてきた分野だと思います。

一方で、原単位をいくら削減しても、数量が増えていく限りは絶対的な排出量は増えてしまいます。こちらを減らすために2通りのやり方があると思っています。

ひとつは自発的な取り組みで、良いことをしようとか、悪いことを減らそうと、意識啓発キャンペーン、環境家計簿等、日本でもいろいろとやっているところであります。

ただ、これは気づいた人や関心がある人しか取り組みができないという点で、まだ残念ながら限定的です。これを広げる努力が必要ですが、もうひとつ、外発的な取り組みとして、関心のない人の行動を変えるという動きも、同時にやっていく必要がある。これは上限を設けるという意味でCap and Trade、もしくは増やすことへのdisincentiveということで、炭素税等が考えられると思います。

つまり、温暖化対策の手法というのは、自主的な取り組みももちろんあるし、規制や炭素税や、排出量取引や技術開発、技術移転、さまざまにあるのだと思っています。

私は世界に情報を発信するNGOをやっておりますが、世界から日本が期待されているのはやはり技術であるというのは間違いのないところです。たとえば日本の省エネ技術を世界に移転することで、その効果目標を数値化して、この戦略に織り込むことができないだろうかと思っております。

それから温暖化に関しては、患者はかなり重篤な状態にあるという現状は、皆さん認識されているとおりで、軽い病気であれば、いろいろ試して最も効くものを探すこともできますが、いまそのような余裕はありません。「あれをやるから、これはやりません」とか、「どれが効くからわかってからやります」という余裕は恐らくないのです。

大きな問題を短時間に解決するためのひとつの原則として、「大量行動の原則」というものがあります。これは、効きそうなことを10も20も30も挙げて、優先順位をつけてやっていくのではなくて、いっぺんにやるという原則です。もしかしたら、そういったことが必要な段階にいま来ているのではないかと。

まとめますと、絶対的なビジョンとしての、「できるだけ進みましょう」ではなく、「いつまでにあそこまで進みましょう」といった形での絶対的な目標を定めること。そこまで達成するための手法は、経済的手法も含め、いまやっていないものもたくさんあるわけですから、同時にいろいろとやっていく必要がある。

それから、そのときに必要な危機感をたくさんの人に持ってもらう必要はありますが、とても懸念しているのは、そのやり方によっては、絶望させてしまう可能性があるということです。

私も子どもたちと接することが多いのですが、悲しいことに、子どもたちの間に静かなる絶望が広がっているのは、とても気になるところで、大人であっても、あきらめたら行動しなくなりますので、絶望させずに必要な危機感を持ってもらうと。このバランスを取りながら進めていく必要があると思っています。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

第8回

提案本体が5ページや7ページという短いものになると、後ろの参考文書を読んでいただいてわかっていただくのではなく、本体を読んだだけで伝えるものになるという観点で見ると、いまのここの部分は弱いなと思います。

「現状をどう認識しているかという部分」と、「それに対して目標を加えて決意をどのように出すか」という部分、「その決意を形にするためにどのように行っていくか」という3つの部分が必要なのだと思いますが、いまのところ認識の部分がとても多いうえ、ほかから借りている部分があまりにも多いと思います。

それに対して日本がどういう決意を行うのかをもっともっと出していかないと、読んだけど何も残らないというものになってしまう気がします。

もうひとつ、2番目の「持続可能な社会に向けた取り組み」というところですが、この内容は、「持続可能な社会の条件」そして「側面」と2つあります。しかし、ここも持続可能な社会をどう考えるかという認識の部分だけで、それに対する取り組みといって差し障りのないようなものは、ほとんど入っていません。

「統合的にやるべきだ」とか「予防的な方策が必要だ」というぐらいが取り組みに関する言及で、持続可能な社会をどう認識しているかはもちろん大事ですが、それに対してどうやって取り組むのかという、決意ややり方なりを、もう少し骨太に出さないといけないのではないかと思います。

これは、委員の中からもいろいろご意見が出ていた部分ですが、例えば持続可能な社会をつくっていくときに、技術のイノベーションも必要ですが、技術ができたとしても、それを実際に実用化して広げていく、みんなで行っていくための社会のイノベーションも必要です。ですから技術イノベーションと社会イノベーションを同時に進めていくというような切り口も、ひとつ大事だと思います。

私のほうから、環境エネルギー政策研究所の飯田さんと、気候ネットワークさんの資料を少し出させていただいています。この資料は、技術イノベーションが進んでいる日本で、社会イノベーションがついてこないとどうなってしまうかという現状を伝えるものです。

逆に、技術イノベーションはそれほど進んでいなかったドイツが、社会イノベーションを進めたおかげで日本を追い越しました。これはソーラー発電の件ですが、この2つのバランスの取れた進め方が必要であるということです。

もうひとつ、取り組みに関するアプローチとしては、こういう呼び方が適切かわかりませんが、ポートフォリオ・アプローチというような形で、例えば、自主的な取り組みも大切だし、規制もある意味大切だし、税制や排出量取引のようなものも必要だし、技術開発やそれを普及するための仕組みも必要だと考えるべきではないでしょうか。

ですから、「これをやっているからOK」ではなくて、いま時間との闘いですので、さまざまなことを、それぞれポートフォリオのように組み合わせてやっていくことが必要だと思っています。

ポートフォリオ・アプローチがこの戦略に盛り込まれるかどうかは別として、そういった、どうやって取り組んでいくんだという、その方向性や腹の決め方に関するところを、この2番目のところにもう少し入れないと、「持続可能な社会をこう考えているのね」というところだけで終わってしまうような気がいたしました。

〜〜〜

この環境立国戦略は、ひとつの日本のビジョンに当たるものになっていくと思いますが、海外にどういうふうに発信するか、世界からどう見られるかという議論も随分してきました。ただ一方で、国内の人たちに対する戦略でもあります。

私はビジョンを考えるときにいつも、海辺で日の出や夕日が沈むところをみるとき、「ああ、あの太陽ようなものがビジョンなのだなあ」とよく思います。どういうことかと言うと、海に日が沈むときに海辺に立っていると、真っすぐ自分に向かって、光の筋ができます。でも、5メートル隣にいる人のところにも真っすぐ光の筋が行きます。

つまり、その出されたビジョンなり戦略が、「あ、自分のことだ」と思えるということです。自分はそのビジョンから何を得ればよいのかがわかる。それがビジョンの出し方だろうと思っています。

たとえば、そのように、各界でいろいろ活動している科学者であれ、自治体の方であれ、企業の方であれ、NGOの方であれ、「これは自分がやっている分野だが、そこではこういうふうに戦略として出ている」「だったら、自分はこうやって考えていこう」「こうやって行動していこう」と、それぞれの行動につながる形で出していかないと、せっかくのものが人々の行動を動かすことにならないのではないかと思っています。

そういう点で、これはもしかしたら事務局はもうお考えかもしれないので、老婆心からですが、このそれぞれの、いろいろなカテゴリーやテーマの整理の仕方を、あるフォーマットで作っていかないと、ちょっとこのままだとわかりにくいかなと思っています。

多分、4つ大きな要素があって、1つは、そのテーマに関する、もしくはトピックスに関する基本的な現状および認識。2つ目に、それに関して、これまで日本がやってきたこと。いますでにできていること。3番目に、これまでやってこなかったこと、もしくはまだ足りないこと。ここの認識をしっかり示すのは大事だと思っています。

4番目に、それを踏まえてこれからどうするのか。それは3つの次元が必要だと思っていますが、1つは方向性や方針という大きなもの。それから具体的な行動。その両方を出していくということ。もう1つは、日本として、自国の二酸化炭素なり生態系を考えてどうするかということと、海外に対して日本がどう働きかけていくか。この国内・国外という次元。もう1つが、短期・中期・長期という時間の軸です。

「これから考える」というオプションも、もちろん答えの中に入っていていいと思いますが、そのような形で整理をしていただくと、これに関してはこう認識して、これができていって、これが足りなくて、これからこうするんだということが、私にとってもよくわかるようになると思いますし、それぞれの活動されている方にも役に立つ戦略になるのではないかと思います。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

第9回

エネルギー・原子力については、また後ほど述べたいと思いますが、総理が出されたことについて一言申し述べると、ほかの委員の先生方からも出ていますが、やはりこれを出されたというのは、G8サミット、来年のサミットも含め、世界のなかでリーダーシップを取ろうという日本のポジショニングをされているんだと思います。

尊敬を得る、リーダーシップを取るということを考えたときに、この出し方だと、竹内委員もおっしゃっていたように、やはり「日本はどうなんだ?」と、まず一言目に皆さんから返されると思います。「ほかの国の世話を焼く前に、日本はどうなんだ」というふうに言われることは火を見るより明らかなので、そこのところをちゃんと腹を決めないと、「こうなったらいいね」という形でしか出していないというのは、かえってマイナスではないかと心配します。

「世界半減」と言うからには、そのためのロードマップも、やはりもう少し出されないと、たとえば「こういう資金を出します」とか「これを検討します」というのはありますが、かなり漠然とした形になってしまっている。

そして京都議定書についても、ほかの委員からありましたが、やはりここの、たとえば提案3のところですが、「目達を見直す」とか「行動の加速化を促す」と。で、それを具体的にどうやって達成に持っていくんだという。やはりここは「How」の部分があまりにも欠けている。加速化を促すといって加速するんだったら、これは楽なわけですが、実際には、そうではなくて、いま危うくなっているわけですから、具体的にどうするということが出てこないと、やはり論拠として弱いであろうと。

もうひとつ国民運動、かなり力を入れていますし、それは大事なことですが、一方で国民運動だけに頼りすぎると、これは国民の側にコンプレックスというか、自信喪失がいま広がる危険性もあります。

たとえば、自分たちは一生懸命、頑張ってやっているのに、たとえばリサイクル率にしても、再生可能エネルギーにしても、進んだ国に比べるとなかなか行かないと。「それは国民意識がやっぱりまずいんですか、自分たちが悪いんですか」と言う人たちも出てきている。

そうではなくて、たとえばリサイクルしたくなるような、せざるを得ないようなデポジットの制度であるとか、再生可能エネルギーを導入しやすいような買い取り制度であるとか、そういう仕組みがあってこそ、高い国民の行動なり意識につながっていく。そこのところを置いて、国民の意識だけ啓発しようとしても、やはり実効性が伴わないと思いますので、このあたりをもう少ししっかり入れ込んでいただきたいと思います。

〜〜〜

私は、13ページにあります、戦略5に絞ってコメントをさせていただきたいと思います。ここは、先ほどの温暖化ともかなり重なる部分ですが、エネルギーと経済成長を語っているところです。エネルギーと経済成長を語っているところの項目を見ますと、「技術開発」「エネルギー効率の改善」「再生可能エネルギーの推進」、そして「原子力の利用」の4項目が挙がっています。

どういう項目を挙げるかによって、日本がこの問題をどのように考えているかが伝わっていくと思っています。エネルギー自体は目的ではありませんで、経済を動かすためにエネルギーが必要だという位置づけは、もちろんそのとおり、皆さんの異論のあるところではないと思っています。

世界的に見たときに、いま経済成長を、単に盲目的に増える需要に対応する、それを成長とするのではなく、スマート・グロースという考え方が少しずつ広がってきており、先進的な所では採り入れている。つまり、必要な所に必要な種類の必要な量の成長をしていこうと考えです。盲目的に需要増に対応するのが経済成長ではないという考え方です。

ですから日本も、環境立国として戦略を出すからには、そういった経済成長そのものを、どういうふうに考えていくかということも、もう少し考えて入れる必要があるのではないかと思います。

つまり、経済というのは国民の幸せのためであって、国民の幸せに役に立っていない、たとえば不必要な快適さや、不必要な便利さをやめるということです。「本当の幸せは何なのだ?」と、そういったことまで踏み込んでいく必要があるのではないかと思っています。

つまり、efficiency=効率を上げるということだけでなくて、sufficiency=足を知る、です。こちらも、日本の昔からの素晴らしい言葉ですが、世界に発信するうえでも重要ではないかと思っています。

そのように考えていったときに、いまの化石燃料を再生可能エネルギーで置き換えていくことは、とても大事だと思っています。たとえばバイオマスを推進すれば国土の保全につながりますし、再生可能エネルギーはほとんどが分散型ですから、地域振興につながる。

そう考えると、いまの需要を牽制することなく原子力を増やすという、こちらの位置づけについては、国民の感情や国際世論に逆行する恐れがあります。安全性や世界の平和について、いろいろと考えるところ、もしくは感じるところがある人が多いなかで、それを「前提とする」というふうに書いてありますが、いま前提とできないので問題となっているわけで、それを大前提とするから推進しましょうという、ここは、ほかのところに比べて、かなりトーンが強いと思います。

村上委員がおっしゃったように、原子力をゼロにすることは、すぐに可能ではありませんし、現実的でもありませんが、しかしここだけが突出したイメージを与えてしまうのは、受け取り手としての国民もしくは国際世論的にマイナスではないかと思いますので、トーンをそろえる意味でも、一言述べたいと思います。

――具体的にはどこを。

15ページのところです。「安全の確保等を大前提としては原子力の利用」ということで、大前提というのは書いてありますが、ここのところが大前提という仮定のもとに、かなり積極的に、具体的なものも挙げつつ、原子力を推進していくぞと、その言質を取るぞというようなトーンにも受け取りかねないというところです。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

第10回

大きな考え方として、「見直す」とか「検討する」というスタンスではなくて、「つくり出す」とか、「検討したうえで、適切なものは実施していく」という形で、もう一歩踏み込んだ形でこそ戦略ではないかと思います。

たとえば6ページの、今回付け足してくださったところですが、線を引いてあるところ、「社会経済システムの見直し」となってしますが、ここを「見直しならびに創出」とする。やはり新しくつくり出さなければならないところがたくさんあると思いますので。

それから11ページのいちばん下、「その他の手法の検討」のところ。ここはとても大切な、このあいだ、上田先生や私からもコメントがあったところですが、「幅広い観点から検討する」だけではなく――これは通訳・翻訳をやっている立場から言いますと、「検討する」という日本語は非常に弱いアピールにしかなりませんので、やはり検討した結果、適切なものは実行に移していく、というところまで踏み込んでいただければと思います。

全体的なところで言うと、これは多分、ほかの委員の先生からも出ると思いますが、戦略1が安倍首相のコメントを踏まえて入れ込まれているので、特に世界が取り組むべき方向など、前段のところは、最初のところとだいぶだぶっているなという印象があります。そこのところは、ほかの戦略とちょっと形が違ってしまっているので、もう少し整理が必要かなと思います。

それから、前回もコメントさせていただきました戦略の5のところ、「環境エネルギー技術を中核とした経済成長」のところですが、繰り返しのコメントになります。反映されていただいていないので。

3番目の「バイオマス等の再生可能エネルギー利用の推進」というところですが、バイオマスを特出しすることはどうかという意見が、ほかの先生からもあったと思います。ここは再生可能エネルギーの利用の推進であって、バイオマスは次の項目のひとつとして、燃料用バイオエタノール等というのはあっていいと思いますが。

たとえば環境技術立国を標榜している日本として、太陽光発電の生産がドイツに抜かれてしまった。世界一から落ちてしまっていると。これは由々しきことではないかと認識しています。ですから、太陽光、風力、バイオマス、地中熱といったことを、それぞれしっかり、特に技術的に優位のあるものを進めることは世界のためにもなりますし、そのうえで新しいトピックスとしてバイオエタノールというのはあってもよいと思いますが、そのあたりをもう少し強く出していただければと思います。

それからこれは前回もコメントしましたし、反映がしにくいのだと思いますが、これはコメントとしてどこかに載せていただければと思います。

世界のモデルに日本がなれるとしたら、「脱成長神話のモデル」をつくれたときではないかと思っています。どこもやはり成長せざるを得ないという現在のモデルの中で、成長が有限の地球の上で行き詰まっているというのが、さまざまな環境問題の根源ですから、経済成長といったときに、前回、スマートグロース、「適切な成長」という言葉を入れていただけなかという提案をいたしましたが、このあたりの、今回は無理としても次に、野放しの成長にどう対応するかということこそが戦略ではないと考えます。成長自体をどう考えて、どうやって導くか、そこのところをしっかり考えていく必要があると思います。

最後に、これもほかの先生から出ると思いますが、フォローアップについては「適切に行う」という一言だけですが、ここにやはり、フォローアップのタイミングであるとか、やり方であるとか入れ込んだ形で、PDCAをきちんと回していけるようにしていただきたいと思います。

〜〜〜

フォローアップと世界への発信についてコメントをしますが、その前に、先ほどの20ページの原子力のところです。前回もお話をしましたが、ほかのところに比べてトーンが突出しているという箇所について、具体的なそれに対する提案をします。

④ 安全の確保等を大前提とした原子力の利用
発電過程で二酸化炭素を排出しないというクリーンなエネルギー源である原子力発電を、安全の確保や核不拡散を大前提に、核燃料サイクルを含めて着実に推進するため、原子力発電の新・増設の投資環境整備、科学的合理的規制による既設原子力発電所の適切な活用、高速増殖炉(FBR)サイクル技術や核融合技術などの技術開発・人材育成等を実施していく。その際、法令遵守の徹底や積極的な情報公開により、原子力に対する国民の理解を得ることが重要である。

という箇所ですが、「原子力発電の新・増設の投資環境整備、科学的合理的規制による既設原子力発電所の適切な活用、高速増殖炉(FBR)サイクル技術や核融合技術などの技術開発・人材育成等を実施していく」と断言しているところが、他に比べて突出した印象を強く与えます。

ほかのところとトーンを合わせてここの部分を書いていただくためには、「技術開発、人材育成等の実施を検討する」とするのはいかがでしょうか?
(※このあたりはまったく反映されませんでした)

フォローアップについては、ほかの先生方からもたくさん意見が出ていますが、戦略をつくるということと戦略を伝えること、そしてそれで人の行動を変えることはまったく別物だと思っています。

今回、戦略をつくっているわけですが、それをどうやって伝えて、しかも伝えるだけで人の行動は変わりませんので、どうやって人の行動を変えるか。これは特に国民運動を大きく出されていますので、こういった点で大事だと思いますし、社会経済システムを変えていく、つくり出していくということから言うと、産業界や研究者にも、ちゃんと伝えて動いてもらうということが必要になってきます。

こうしたときに、たとえば伝えるにしても、これまでのように新聞発表をして、環境省なり政府のWebに掲載すればOKかというと、恐らくそれでは広がりがあまり出てこない。人を動かすということをかんがみても、社会学・心理学・マーケティング、そういった専門家も入れて、実際にどうやって伝えて、どうやって行動を変えていくかと。その実行およびモニタリングを担当する主体をつくっておく必要があるというふうに思っています。

それから、政府関係のさまざまな地域の拠点を活かすことはもちろん大事ですが、NGOのパワーやネットワークもとても役に立つと思いますので、そういったところと一緒にいくということもありでないでしょうか。

この効果に関しては、この1年でどうなったんだということを、次の洞爺湖サミットで発表される、もしくは問われることになりますので、しっかりと実効性を上げていく必要が、この1年でもあるだろうと思っています。

最後に世界への発信です。これは世界に発信する立場にいる者としてのコメントですが、日本語でつくったものを、これは横書きですが、縦のものを横にするたでは、つまり逐語訳では世界には伝わりません。

世界では論理も構成も違いますので、日本のように外堀を埋めて説明して、最後に結論が出てくるやり方だと、途中で読むのをやめてしまう人がきっとほとんどだろうと。結論を出して、その理由を付け加えていくような、構成まで変える必要があると思っています。

私は企業のCSRレポートを国際的に発信するお手伝いもしていますが、必ず「つくるのは英訳版ですか? 英語版ですか?」とお聞きしています。英訳版と英語版は違いますので、世界に発信するためにどのような形にしたらよいか、ぜひ検討していただければと思います。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

省庁や自治体関係の委員会や審議会へのお声掛けをよくいただくのですが、スケジュール的に無理なのですべて辞退させてもらっている中、この特別部会だけは「特別」だと思って参加させてもらいました。

世界や日本の最新情報の資料をもらい、各省庁からの温暖化をめぐる対策のプレゼンを聞きながら、全体としてどういう感じになっているのかも短時間に感じることもでき、委員の先生方のそれぞれの発言も勉強になり、短い時間に言いたいことをできるだけ効率的・効果的に詰め込むというよい練習(?)にもなりました。

今から××年後、未来の人々がこの特別部会の議事録を発見して、「おや、昔は、脱成長神話のモデルが必要とか、成長ありきではない、経済は国民の幸せのためだ、なんて発言をしている委員がいたんだね。そんなこと、当然なのにね。昔はそんなこともわかっていなかったのかね」なんて、言ってくれるかな〜。(^^;

 

このページの先頭へ

このページの先頭へ