ホーム > 環境メールニュース > 『地球のためにわたしができること』エコ・エッセイ集が出ました(2007.04.2...

エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2007年04月25日

『地球のためにわたしができること』エコ・エッセイ集が出ました(2007.04.24)

大切なこと
 

つい先日、新しいちいさな本が出ました。エコ・エッセイ集です。

『地球のためにわたしができること』(大和書房)


まえに、あるトークの冒頭で、こんな話をしたことがあります。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

はじめに、ちょっと皆さん、目をつぶってください。でも、そのまま寝ないでくださいね(笑)。

目をつぶってちょっと考えてほしいんです。自分のいちばん好きな、いちばん大事な場所のことを思い出してください。

小さい時に過ごした場所かもしれないですね。大きくなってから行ったことのある場所かもしれない。自分にとっていちばん大事な、「もう一度行きたいな」「あそこに帰りたいな」と思うような場所が、きっとだれにもあると思います。少し、そんな場所のことを思い出してみてください。

私にとってそういう場所は、幼稚園から小学校4年生まで過ごした宮城県の田舎です。とても田舎でして、学校まで30分ぐらい歩いて行く、そういう場所でした。

途中にヤギがいて、それこそ道草って言うんですよね、道の草を取ってヤギに食べさせていて、よく学校に遅れたりしていました。

いつも学校から帰ると、近くの田んぼでミミズを掘って、そのまま川に行って魚を釣ったり。それから今ぐらいの季節からだんだん、この時期にあそこに行くとフキノトウが採れる、その次はツクシが出てくるって、いろいろな山菜を採ったり、秋になったらキノコを採ったり。みんなに言わない自分の場所があるんですね。あそこに行けば採れる。

私は当時、自分のことを友だちと同じように、「おら」と呼んでいました。そんなときのことを、私は「大事な場所」というといつも思い出します。
 
どうぞ目をあけてください。皆さんもそれぞれ、そういう場所があると思います。

私が小学校4年生の時に、小学校の校舎が木造からコンクリート建てに変わりました。全国規模でそれが起こったような気がするので、私ぐらいの年代の人は覚えていらっしゃるかもしれません。

それまでは木造の校舎だったので、板にいろいろな模様がついていたり、穴が空いたり、切り傷や書き込みがあったり。机も一つずつ模様が違うんですね。

それが全部コンクリートになって、真っ白できれいだったのですが、木がなくなっていきました。今の校舎は多分――今、また木造に戻す動きがあるんですけど、ほとんどコンクリートですよね。そして、私たちの生活の中から、木や山、森などがどんどん消えていったような気がします。(後略)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

私は、環境問題の解決策は、一見遠回りにみえるかもしれないけど、ひとりひとりが「つながり」を見つめ直し、取り戻すことだと思っています。自分の心とのつながり、地域とのつながり、そして、地球とのつながり。

「地球とのつながり」って、わかりにくいように思うかもしれませんが、私たちの身の回りのものはほとんどすべて地球から得たものですし、私たちの不要物もすべて地球に返されます。ですから、身近な「モノ」の来し方行く末にちょっと思いを馳せること、これが「地球とのつながり」を取り戻す第一歩だと思うので
す。

(そのためには、時間と心のゆとりが必要です。走りながら、〆切に追われながら、思いを馳せることは難しいですので! ですから、立ち止まるきっかけにも口実ともなる100万人のキャンドルナイトやスローライフも、とても大事だと思っています)

今回出版されたちいさな本は、そんな「身近なモノから地球とのつながりを感じる」きっかけを提供したいと思って書きました。とってもすてきなイラストがついていて、ほーっと心の肩の力を抜く、ほっこりタイムをつくってくれそう。

あまり環境問題に関心のないお知り合いやお友だちにもぜひ。「ムズカシイ」「メンドクサイ」と思っていた環境問題が、実は幸せや豊かな時間へいざなってくれる鍵だった、と思ってもらえたらうれしいなと思います。

「はじめに」を引用します。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

はじめに

「地球環境って、どうなっちゃうんだろう?」
なんて、ため息をついていませんか。
「美しい地球を子どもたちに手渡したいけど、
いったいどうしたらいいんだろう?」

地球や環境のことを考えるって、何も特別なことではないのです。
だってわたしたち、地球のうえで暮らしているんですもの。

 買い物に行ったとき
 朝ごはんをつくるとき
 レストランで食事するとき
 のんびりお風呂につかるとき
 電車にゆられているとき
 大切な誰かとドライブするとき
 ちょっとがんばって仕事しているとき
どんなときにでも、
わたしたちは地球とつながっています。

だから、さまざまなシチュエーションの中で、
自分の暮らしが、地球とどんなふうにつながっているのか、
 調べたり
 考えたり
 決めたり
 行動したりしてみませんか?

自分も地球とつながっていることを、
 感じたり
 思いをはせたり
 ドキドキしたり
 むずむずしたり
 頭だけじゃなくて、心でも、体でも、感じてみませんか。

「地球のためにわたしができること」って、なんだろう?
実はそれは、
本当の幸せを感じるため
考えるため
選ぶための
問いかけでもあります。
あわただしい毎日のなかで、つい忘れてしまいがちな、
「本当に大切なこと」を取り戻すきっかけでもあるのです。

そんな自分や暮らしと地球とのつながりや、
本当の幸せのタネを集めてみました。
一つでも二つでも、
「あ、そうか」
「そうかもしれない」
「じゃあこれから、こうしてみようかな」
って、思っていただけたらうれしいです。

枝廣淳子


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

先ほどのトークの続きを少し。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

先ほど言いましたが、イーズという会社をつくりました。自分を変えたい、暮らしを変えたい、生き方を変えたい、今のままの自分じゃなくて違う自分になりたい。そういうふうな思いをあちこちで感じます。『朝2時起きで、なんでもできる!』という本を出したあと、特にそういう思いの方々とたくさんお会いする機会があります。
 
それとともに環境問題、社会問題、教育問題、何とか社会を変えたい、自分の組織を変えたい、国のあり方を変えたい、経済を変えたい、そういう思いの人もたくさん今、出てきています。
 
私は、自分を変えるのも、社会を変えるのも、同じじゃないかと思っています。自分を変えるやり方がわかった人は、それを使えば社会も変えられる。そう思って、自分を変えるとか、組織を変えるとか、そういういろいろなやり方を一緒に考えたり、自分の知っていることを教えたりしています。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「自分を変えられる人は、社会も変えられる」というのが、イーズのスローガンでもありますが、「自分をチョット変えれば、地球もチョット変わる」のですね。

たとえば、ティッシュボックスを買うとき。いつもの「特売!」の真っ白バージンパルプのティッシュではなく、リサイクルペーパーのティッシュを買う、と「チョット変える」。すると、その分、地球への悪影響も「チョット減る」のです。ひとつひとつは「チョット」でも、朝起きてから夜寝るまでに、接しているモノの数々×365日×寿命年数を考えたら、膨大な差になってきます。

そんなきっかけや気づきになればいいなあ、と思って書いたエコ・エッセイ集。
目次はこちらです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

目次

風で織るタオル  
 〜「ふつうのタオル」に使われる農薬は世界中の四分の一〜  012

いらない携帯が資源に変わる
 〜一トンの「使用済みケータイ」からとれる金は、二八〇グラム〜  016

トイレにある「いらないモノ」
 〜日本人が使うトイレットペーパーは、一日平均八メートル〜  020

一〇〇万人のキャンドルナイト
 〜いまや五〇〇万人以上が参加中〜  026

レジ袋を減らして地球を守る
 〜一枚のレジ袋に、おちょこ一杯分もの石油が必要〜  032

カレンダー名刺でジグソーパズル
 〜日本人が使う紙の量は世界平均の五倍〜  038

わりばし・マイはし
 〜一日三食×三六五日×七〇年=七万回の食事〜  044

えんぴつで時間をつくる
 〜一本の芯で五〇キロメートルの線が引ける〜  048

海と空のエコロジー消しゴム
 〜「消しプラスチック」は五〇年前、日本で誕生〜  052

グリーン電力のススメ
 〜「わが家で使う電力」を選べるしくみがある〜  056

恐竜の背中に降った雨のゆくえ
 〜地球の水がバケツ一杯なら、人が使える水は小さじ一杯弱〜  062

世界の水を食べないで
 〜牛丼一杯を作るには八五〇リットルの水が必要〜  066

木造校舎が森を守る
 〜木は五〇年で育つ「ダイコン」〜  072

「ペット」よりかわいいマイ水筒
 〜日本で使われているペットボトルは二〇〇億本〜  078

たたみに寝そべり、考える
 〜七〇〇〇本の「いぐさパワー」〜  082

地球と心にやさしいチョコレート
 〜ストップ! モノカルチャー〜  088

卵で大事ないのちを知る
 〜二億トンの殻だってリサイクル可能〜  092

びんを洗って返して循環させる
 〜リユースのために目指せ! 回収率九五%〜  098

缶のリサイクルで温暖化を防ぐ
 〜スチール缶ひとつで、二酸化炭素排出量が一〇グラム減少〜  104

いらない油を森に変える
 〜揚げもの油を浄化するための水は、風呂おけ一三二杯分〜  108

「マイ塩」で忘れてきたことを考える
 〜五〇〇〇年の歴史をもつ豊かな調味料〜  114

ピュアな砂糖は白くない
 〜アレキサンダー大王も味わった「かむとくだける甘い石」〜  120

再生自転車が海を渡る
 〜たった一台でも五〇〇人以上に役立つ〜  126

なつかしい弁当箱で地球を守る
 〜使い捨て食品トレイの原料は、何千万年も前の石油〜  132

小さくても頼れる電池
 〜五〇〇回、繰り返し使える二次電池を〜  138

スローふとんを大事に使う
 〜不要ふとん一枚でできる靴下は一〇〇足〜  144

エコ時計で「自分のペース」を取り戻す
 〜Take Back Your Time〜  150 

 インフォメーション  155 
 〔付録〕エダヒロ流e単語  156

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

付録の「エダヒロ流e単語」は、アルファベットのAからZまでのエコ単語帳です。選ぶのに困るほど候補のあるアルファベットもあれば、うーむと頭を抱えたものもあります。(たとえば、XとかZとか……苦心の作をご覧下さい。^^;)


『地球のためにわたしができること』(大和書房)


この本をつくってくれた編集者は、『人生に必要な荷物、いらない荷物』から、『朝2時起きで、なんでもできる!』シリーズ、『細切れビジョンで、なんでもできる!』などを手がけてくれた人で、「今回またまたエダヒロさんの新境地が拓けてうれしい」と言ってくれています。私もとてもうれしく思っています。

次なる新境地の開拓?を、すでにこの編集者とはじめているところですが、それはまた今後のお楽しみに〜。(^^;

 

このページの先頭へ

このページの先頭へ