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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2006年03月26日

JFSでインターンをして学んだこと・考えたこと(2006.03.21)

 
システム思考の9泊10日のトレーニング・プログラムを終えて、リスボンに戻ってきました(ようやくネットへのアクセスができました!) プログラムから多くのものを学び、実際のスキルも身につけることができました。こちらについては、また追って報告ができたら、と思っています。 さて、日本の持続可能な社会へ向けてのさまざまな取り組みを世界に発信しているNGOジャパン・フォー・サステナビリティ(JFS)は、たくさんの方々に支えられて活動をおこなっています。 毎年、損保ジャパンのCSOラーニング制度からインターン生が来てくれています。 http://www.sjef.org/internship *CSO=Civil Society Organization市民社会組織、NPOと同義 今年は3人のインターン生が7月から8ヶ月間、いろいろな活動をしてくれました。JFSでは定期的に「インターン・レビュー」をおこなって、活動の様子やこれからやりたいことを確認したり、意見交換をすることで、「JFSのためにもなり、インターン生本人のためにもなる」インターンシップに努力しています。 私も時々レビューに参加させてもらいますが、今回は8ヶ月終わっての最後のレビューのまえに出してもらった「JFSインターン 振り返りシート」を、インターン生の快諾を得て、ご紹介したいと思います。JFSというNGOに参加して、8ヶ月間で、どんな経験をし、どんなことを考え、感じたか、伝わってきます。 (6)の「JFSでインターンをして、自分が変わったなあと思うことはありますか?それは何ですか?」(8)の「インターン期間において、感じたこと・得たものは何ですか?」などへの答えはとてもうれしく、ぜひ読んでみてくださいな。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (1) 8ヶ月間のインターン期間を振り返ってどうですか?(全般的な感想) ○休みがあけてからは本当にアッという間でした。インターンとして自分が役に立てたという実感はないけれども、日本のNGOがどのようになりたっているのか、またどのような人々がそれに携わっているのかなど普通に大学に通うだけでは見えない面をたくさん見せていただきました。 ○インターンの八ヶ月は終わってしまうのですが、たぶん事務局に行かなくなるだけじゃないかと思っています。この八ヶ月で、ボランティアミーティングやエコプロの企画、運営をしたり、事務局便りを毎月出し続けたりと、普段はしないことが多くていい経験になったと思います。その中で、一番いい経験だったと思うのは、受け手がどう感じるかを考えながら自分の考えを出していくということだと思います。 JFSでの八ヶ月はある意味JFSを理解するための八ヶ月といってもいいかと思います。ただ、情報を発信するだけではないという方向性などもようやくわかってきた中で、それに向けて、私はJFSで何をしていけばいいのかということも考えられるようになってきました。今後はウェブチームなどを中心に、携わっていければいいと思います。 ○環境CSOに抱いていたイメージが、良い意味で覆された8ヶ月間でした。そして、何よりも大切なことが、「ネットワーク・つながり」であることを学べたことは、一番の私の収穫です。 (2) いちばん楽しかった仕事、自分でいちばんよくできた、と思う仕事は何ですか? ○やはり「エコプロツアー」に携われたことは私自身の中では大きいことです。ただしこれに関しても、反省点は多々あります。これは(4)に書きたいと思います。 ○事務局便りに書くボランティアチームの紹介記事を載せたことです。自分自身もボランティアチームのことを理解できるようになったし、コミュニケーションをとることもできて、ネット上で仕事をするJFSを理解できたと思います。 ○何よりも、エコプロダクツ展への出展準備です。ボランティアミーティングも、ボランティアの方々とともに意思を通じ合わせ、メールベースでみんなで何かを作り上げていくという空気をびんびんと感じていたのですが、エコプロ展の準備はそれ以上のものでした。  これから、専門を環境政策の方向へと決めていくのですが、社会のシステムという大枠作りを学ぶためには、その中にいる生きた人々とのふれあいが、大きな糧になると思います。 (3) いちばん大変だった仕事は何ですか? ○まず私はPCスキル、知識がほとんどありませんでしたから、情報発信をするJFSでよかったのかしら...と最初の数ヶ月は本当に心配になりました(一月末の今となっても少しそれはありますけれども)。しかしおかげさまで、必然的に入力速度などは強化され、個人的にはとてもよかった点でもあります。  また文章を書くという機会が圧倒的に増えました。事務局便りの記事作成の際はもちろんのことですが、MLの利用、すべて書くことが軸でしたので、自分の思っていることが言葉としてうまく表現できていないときや、適切な言い回しが浮かばないときはかなり苦戦しました。 ○ボランティアミーティングの準備です。まだボランティアの人たちがどういう人なのか、そんな人たちが楽しんでくれることは何なのかという、右も左もわからないような中で、計画を立てて、なるべく自分たちだけで作業したからです。  結構大きなことをしようとしつつ、最後はバーベキューにしましたが、それでも想像以上に大変でした。でも、楽しんでくれた人が多かったみたいでよかったです。 ○エコプロ展出展準備でした。「大変」といっても、「辛い」や「困った」という意味合いではなく、「やり方がわからない」というのと「やることが多い」という意味での「大変」で、とても充実していました。 (4) もう少しやりようがあった、こうすれば良かったと反省する仕事は何ですか? ○ツアーに関する事柄なのですが。ツアー作りの段階での関与が消極的すぎたという点です。今思えば、ストーリー作りやコンセプトをかためていく際にもう少し企業のリサーチなど協力できた部分も多々あったのではないかと思います。またロジとして最大の反省点は、初日の同時開催ツアーのチーム分け(スタッフ配置)をもう少し、スタッフの性格や経験なども含めて配慮できたのではないかという点です。 ○事務局にいるときはもう少しミーティングを多くしていけばよかったかと思います。事務局にいって事務局便りをただ編集するのは、あまり意義を感じないときもあったので、むしろ行っているときは、内容をどうしたらもっと面白くなるかなどを話し合う時間にしていれば、JFSがもっと面白くなるかと思いました。 ○事務局便りの「チームのご紹介」記事ですが、自分なりには、チームの方々と質問状以外にもお話をさせていただき、なるべく、チームの魅力を書きたいと思っていたのですが、並べてみると(実は私が一番紹介したチーム数が多いのですが)、あまり、代わり映えがなく、もっとバラエティーに富んだ、多くの目をひきつける記事ができなかったかなと思います。それを改善するためには、まず、チームの方々と仲良くなるためのコミュニケーションが必要であると思いました。 (5) 今後、何が改善できれば、仕事がさらにやりやすくなったと思いますか?(次のインターン生の参考のために) ○改善というよりも、お薦め事項としてボランティア・ミーティングやその他のイベント的催しに参加してみるとよいかもしれません。実際どういう方がJFSにボランティアとして関わっているのか、メールだけではなくて直接お会いすることで、私は少しメンタル面でハリがでてきました。 ○事務局で作業するのか、家でできる作業なのかの振り分け。しょうがないことかもしれませんがPCの改善。 ○ボランティア・ミーティング、エコプロダクツ展などの大まかな年間スケジュールがあれば、調整がしやすくなったと思います。やはり、エコプロ展は時間がなかったことも、すこし残念な点だったように思います。  JFSの場合、メールベースでの仕事がスムースにいくため、特に空間や時間に束縛されないことが強みだと思います。その点を、タイムスケジュール作成などを通して、インターン生と共有してくだされば、インターン生もJFSならではの仕事の雰囲気がつかみやすいと思います。  でも、手探りでJFSという魅力的な団体を理解するというのも、とても興味深いことのように思います。 (6) JFSでインターンをして、自分が変わったなあと思うことはありますか?それは何ですか? ○NGOに対する見方です。思っていたよりも、強いし、近いところにあるのだと感じました。 そして「まだまだできる」ということに気付かされた点です。私は自分自身に対して限界線を引きすぎです。 ○ボランティア、さらにはボランティアのためのボランティアという経験を通じて、自分の行動が、損得だけでなく、意思で行われる面が大きくなったと思います。 ○JFSでインターンをしたいという志望動機にも書きましたが、「環境学」や「環境問題」というものを机上で勉強していたのでは決して得ることのできない「人との付き合い」を通して、環境問題というのは、多角的に多様性を持って見つめていくべきものだなということを心底実感できたことです。  知識は一人でいくらでも増やせますが、体験はそうはいきません。JFSでの体験はとてもすばらしいものでした。 (7) 今後もJFSと関わっていきたいと思いますか? 希望があるとしたら、それは、どんなこと(形)ですか? はい。しかし現実的に考えるとすると、しばらくは定常ボランティア・チームへの参加というよりはむしろプロジェクトとして立ち上がるものへ手を挙げる方が、無理なく参加できるという意味においてはよいのかもしれません(プロジェクトも突発的忙しさは恐ろしいとも言えますが)。  佐藤さんお薦めの日米学生環境学生会議も、コア的部分は務まらないかもしれませんが、何かお手伝いできる部分があるかもしれませんね。あとツアー、来年もお手伝いできることがあれば、ぜひ(ガイドは無理ですけど!!)。 ○多くのボランティアチームや事務局の状況を見てきた中で、JFSとしてまだ貧弱な部分も多いと思うので、自分の知識、経験を増やしながらそれで貢献していければと思います。 ○JFSと関わっていきたいと思っています。次は、純粋にボランティアのメンバーとして。インターン生として、少しはJFSの内情にも詳しくなれたと思うのですが、それを、今後JFSに集ってくださる方々や、あらたなインターン生に対する(大げさな言い方をすると)インタープリターのような働きができたらと思います。 (8) インターン期間において、感じたこと・得たものは何ですか? ○いつも感じ、また考えていたのは、なぜ私に(インターン生に)この仕事を任せてくれるのかという意味です。明らかに私達に任せるより、自分で作業した方が効率性、できもよくなるのではないかと思うことをあえてこちらにパスしてくださるということ。そして必ずフォローについてくださっていること。  ほとんどの場合が、その期待にはそえていないという懸念もありますが、成長の場を提供してくださって本当に感謝しています。 ○さまざまな年代や性格の人と直接会わない中でコミュニケーションをとっていくことは非常に大きな経験になりました。 ○もう、述べてしまったのですが、「つながり」です。また、それを重要なファクターであることを理解できたことです。 (9) JFSへのアドバイスがあったら教えてください。 ○JFSへの、というよりはむしろすべてのNGO団体に対してですが、どうしたら共感の輪をつなげていくことができるのかという点は課題になると思います。きっかけづくり、というのでしょうか。  いくらこちらが「ウェルカム」を掲げていても、気付かれない、また気付いていてもその一歩が踏み出せないでいる方へのアプローチというか。難しいですね。またJFSに関して言えば、IT関係に強い人が増えれば、事務局としても助かるのではないかと思います。 ○コアになっている人への負担が実は大きいと思います。ボランティアの人も、ただ作業をするだけじゃなくて、みんなでJFSのシステムを改善していって、もっと多くの人がかかわっていけるようになれば言いと思います。 ○JFSは、世界規模で情報化、IT化が進んでいる今、これからも、急成長を遂げていく組織、また、必要とされる組織であると思います。でも、その中でも、人とのつながりから流れ出てくる「温かさ」を失わずに、共に歩いていけたらと思います。 (10) 後輩のインターン生へのメッセージをどうぞ! ○JFSが具体的には何をしている団体なのかということもよくわからないまま活動期間がスタートし、気付くと8ヶ月も経っていました。最初はわからないことばかりで戸惑うことも多いかと思いますが、温かいスタッフとチャレンジできる場というフィールドは整っていますので、ぜひインターン生活を楽しみつつ活 動していってください。ありきたりな文章になってしましましたが、きっと8ヶ月後には同じことを思っていると思いますよ。 ○事務局に行くのが週に一日でも、作業内容は家でもできる内容だったりして、週のほとんどをJFSと関係していることが多いです。メリハリをつけてがんばってほしいと思います。あと、スタッフの方とか、ボランティアの方とか、面白いバックグラウンドをもっている人が多いと思うので、どんどん関わっていったら、 きっといい経験になると思います。   ○インターンの間、ルーチンワークが随所にあらわれてくるかもしれませんが、そこにも、「血が通っている」ことを忘れないでください。JFSという組織は機械的な「システムネットワーク」ではなく、志ある「人々の集まり」であることを、実感できたら最高のインターンになるのではないでしょうか。  そんなJFSのメッセージが、世界中の人々の意識を変えることを信じて、ご一緒に進んでいきましょう! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 また今年も、インターン生を迎えることを楽しみにしています。またJFSには、自ら志願してインターンをしてくれている若者もいて、とても力強くうれしく思っています。JFSでの活動が、それぞれの次のステップへつながれば、と願っています。 JFSは世界への情報発信を大きな活動としているためか、海外留学するインターン生やボランティア・スタッフも多く、JFSをきっかけに世界につながり、またJFSを世界に紹介してくれる人がたくさんいます。          ( 次 号 に つ づ く )
 

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