ホーム > 環境メールニュース > JFSのこれまで、これから〜事務局長、事務局スタッフを募集します(2005.12...

エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2005年12月06日

JFSのこれまで、これから〜事務局長、事務局スタッフを募集します(2005.12.05)

 
残念なことですが、当面は地球環境は悪化の一途をたどることになるのだろう、と思っています。そして、そういう時代に必要なものは何だろうか?と。 あちこちの地域で、あちこちの自治体や企業、NGOや個人が環境を守るための取り組みを進めることが必要です。そして、同時に、そのような取り組みや成功事例を伝え、つなげ、広げ、うねりにしていくこと――気づきや学び、勇気やきっかけを絶えず提供することで「よい変化が世界中で増殖するしくみ」を作れないか、と思うのです。そうすれば、ひとつの取り組みの効果も、その場・そのときだけではなく、時空を超えて何倍にもなるのではないか、と。 そして、静かな絶望感が広がりつつある子どもたちへ、「状況は変えられる。未来はキミたちが作っていくもの」というメッセージとともに、新しい世界を創っていくためのわくわくする考え方やヒント、事例をわかりやすく伝えていくこと。 その思いで、天明幸子さんに素敵な絵を描いていただいて書いたのが 『いまの地球、ぼくらの未来――ずっと住みたい星だから』(PHP研究所) です。 「子どもたちに問題を説明するだけでは十分ではない」と、ずっと思っていました。環境問題の現状や原因だけではなく、「まだ手遅れじゃない。こんな新しい取り組みが広がっている。こんなステキな未来だって可能なんだ」ということを伝えたい。「自分には、自分の生き方や地球や社会の現状を変える力がある」ことと、「変える」ための考え方やスキルをエールとともに届ける本です、と紹介文に書いているとおりです。 そして、日本のなかにとどまらず、「前向きの活動」「ヒントや刺激になる取り組み」「そのような活動の背後にある人々の思いや知恵、勇気や元気」を世界に伝えることで、世界も日本ももっと進んでいけたら、という思いで仲間と立ち上げたのがNGOジャパン・フォー・サステナビリティです。 JFSでは、セクターを超えたコラボレーションを進めながら、300人を超えるボランティアの方々といっしょに"21世紀型"とも称される「新しい組織」のモデルを構築しつつ、悪化する現状にも絶望することなく変えていこうとする世界中の人々・組織・地域を支える「渾々と湧き出る希望の泉」になれたら!と思って、活動しています。 現在、ジャパン・フォー・サステナビリティ(Japan for Sustainability)という名に込めた私たちの2つの使命に向けての活動と、次世代への活動を展開しています。 使命のひとつは、「for」の「〜のために」という意味に込めたものですが、「持続可能な世界のために日本にできること」として、日本の取り組みや考え方、技術などを世界に発信して使ってもらおう、ということです。 日本中から多くの持続可能な社会への動きを伝える情報を集め、毎月30本の記事を英語・日本語で発信し(月に2〜3万アクセス)、毎月英語ニュースレターを179ヶ国7千人を超える各国の政府、自治体、企業、研究者、NGOなどのオピニオンリーダーや国際機関に届けています。 この活動の目的は、日本の進んだ環境の取り組みや技術、考え方などを、英語で世界に発信することで、 1)環境先進国の取り組みを刺激する 2)発展途上国に先進国の陥った様々な轍に落ちることなく先に進んでもらう、 3)世界からのフィードバックを届けることで国内で活動している人々・組織にさらに取り組みを進めてもらう です。 立ち上げて3年以上が過ぎた現在ではJFSのウェブサイトに蓄積された環境情報データベースは1000件を超え、検索しやすいしくみのおかげで、英語圏以外のアラブ・韓国などを含む海外のメディアで取り上げられたり、ウェブサイト、論文等での引用が増えています(インターネットで英語でJFSを検索すると、たくさんの論文や発表で情報源として引用されていることがわかります)。 また、月60〜80本のメールが世界中から届き、先進事例や日本国内の見学先の問い合わせなども増えています。 今年の夏に、英文ニュースレターの読者全員を対象に調査をおこないました(有効回答198人)。回答者の63%が先進国、23%が発展途上国で、所属は研究機関(25%)を筆頭に、NGO(20%)、政府(19%)、産業(17%)と幅広い層に情報を届けていることがわかります。 全体の53%が日本の環境情報を得るのに障害を感じていると答えています。その理由としては、91%が「言語の壁」を、ついで「どこを探せばいいかわからない」(46%)、「情報がない」(32%)などが挙げられていました。 JFSのウェブサイトの情報データベースのほか、日本の環境法コーナー、企業の環境報告書コーナー、新着情報を知らせるダイジェスト、毎月のニュースレターなどが役に立っているという答えが多く、「JFSは持続可能性に貢献していると思う」という人は64%に上り、とてもうれしく思っています。 JFSのもうひとつの使命は、「for」の「〜 へ向かって」という意味から、「持続可能な日本に向かって」のビジョンを、セクターや立場を超えた多くの人々を巻き込んで議論し、そのうねりが持続可能な日本へ向けての推進力となる場を提供していきたい、というものです。 この使命のための活動として、もうひとりの共同代表の多田博之を中心に、日本のビジョンと持続可能性指標を考える「指標プロジェクト」を進めています。今年の6月に「2005年の日本の持続可能性は90年比19%後退」というプレス発表をおこないました。 この日本で初めての市民セクターによる指標プロジェクトの結果は、いくつもの新聞等で取り上げられ、本質的な問題解決とビジョンの重要性への認識を高める役割を果たしています。 そして「世代へ希望をリレーする」ために、この8月、世界の子どもたちが環境問題について興味を持って理解し、自分で考え、行動に移せるようになることを目指す新しいウェブサイト「Kids' "Create Your Future" Web Site」を公開しました。 世界には子ども向けに環境情報を発信しているウェブサイトは数多くありますが、このサイトは、環境破壊の現状や原因を伝えるだけでなく、「未来は自分たちで創るんだよ! 持続可能な未来を作るために発想を変えよう!」というエールと具体的な取り組み、新しい考え方のアイデアを届けるユニークなものです。(上述した『いまの地球、ぼくらの未来――ずっと住みたい星だから』をベースとしています) すでに世界各地から「ぜひ授業で使いたい」「子どもたちに希望を伝えることができ、元気が出てくる」等のフィードバックが届いています。英訳ボランティアチームがコンテンツをこつこつと英訳し、アップしつづけているところです。もし英語圏のお友達やお知り合いがいらしたら、こちらもぜひご紹介ください! JFSはユニークな組織運営を作り出しながら、活動を展開しています。2名の共同代表を含む4名の正会員と2名の常勤事務局スタッフ、約5名のパートタイムスタッフ、4名のインターン生たちが、60を超える法人会員企業・団体と約250名の個人サポーターに支援いただきながら活動をしているが、主な活動はす べて、性別、年齢、職業など様々に異なる国内外約350名のボランティアさんの手によって進められています。 基盤活動である月30件の環境情報の発信は、情報の検索から記事作成、英訳、ウェブサイトへのアップ、海外からの問い合わせ対応等10以上のチームが有機的につながる形で進めています。数十人からなる各チームは、それぞれの運営マニュアルを整え、企業顔負けの"新人研修制度"を構築しているチームもあります。 チームリーダー役を半年ごとに交替することで、特定の個人への負担を避け、どんどんリーダーを育てるしくみとなっていることも特徴です。基盤活動以外の様々なプロジェクト活動も、「この指とまれ」方式でチームを結成して進めます。 JFSでは、組織を固定化していません。状況ややりたいことに対応して自在に変化し、責任と権限の委譲を進めていく自立・自律的チーム型が組織の基本です。「新しい活動をやろう!」というときに「いっしょにやる人?」とチームを作ります。目的が達成されればチームは解散します(チーム組織を維持するために仕事を創り出したりすることはありません)。 必要に応じてチームを統合したり分けたりと、状況と必要性にあわせて柔軟な形を取っていますが、これはジャズ・プレイヤー方式とも言われる新しいタイプの組織で、「自分で考え、取り組む」人づくりにもつながれば、と試行錯誤しながら「組織のあり方」自体もいろいろと考えつつ取り組んでいます。 JFSの今後の方向のひとつとして、前述の海外読者の調査から、海外が日本に求めている情報のセクターやジャンルが明確になってきたので、今後はさらに情報発信のコンテンツと形態を強化・改善していきたいと思っています。 読者調査では、「情報を得たい理由」として、「新しいアイデアを探る」(79%)、「最新情報を得る」(78%)、「勇気付ける」(54%)ため」が多く、得た情報は、「新しい発想の助けにする」(63%)、「知人に転送する」(54%)、「研究に利用する」(51%)、「勉強する(51%)」ために用いているといいます。このような世界の読者の活動にさらに役立つ情報源となりたい、と。 泉のあるところには自然に人が集うように、JFSの「希望の泉」にも世界中から自らの情報や希望を持ち寄る人々が増えている。研究者、企業、実務か、NGO、市民、教育者、子どもたち等の自立・自律型のコミュニティを生み出し、支えるしくみができないか、と考えています。 また、英国・ドイツ・米国・アジア諸国などから「我が国にもJFSのような活動がほしい」という問い合わせや協力依頼が来ており、各地域に日本発の「JFSモデル」を伝えることで、世界中に希望の泉が広がっていったらどんなに素敵だろう!と思うのです。 また、世界の情報を日本の持続可能な社会への取り組みに活かす活動や、日本のビジョン・指標を進める取り組みも進めていきます。子ども向けのウェブサイトでは、未来の社会を描く(ビジョンを作る練習でもあります!)マンガや、ダウンロードして使えるワークシートなども追加していく予定です。海外の教育者や子どもたちとのネットワークを広げ、さらに有効な活動を探っていきたいと思っています。 JFSの初期のキャッチフレーズは、まさしく現状どおり『がんばっている日本を世界はまだ知らない』でした。これがこれから、『がんばっている日本の声が世界に届きはじめた』『がんばっている日本に世界が応えはじめた』『がんばっている日本に世界が倣いはじめた』『がんばっている日本が世界を動かしはじめた』となっていくよう、これからも活動を続け、広げ、つなげていきたい、と思っています。 多くの方々に支えていただき、JFSは今年の夏に3周年を迎えることができました。JFSを立ち上げたときに、ある方に「3年はがんばりなさい。3年続けばなんとかなるだろう」と励ましのアドバイスをいただいたことを思い出します。 3年の節目を過ぎ、今後さらにダイナミックに活動を発展させていくために、私たちといっしょに考えて進めてくれる新戦力として、事務局長ならびに事務局スタッフを募集することになりました。 「ぜひいっしょに活動を進めたい」「新しいタイプのNGOで働いてみたい」「世界とつながる場で活躍したい」という方、ぜひご応募ください! お待ちしています。 ◇ JFS事務局長ならびに事務局スタッフ募集 ◇ *職種   事務局長、事務局スタッフ各1名 *仕事内容   事務局スタッフ:事務局ワーク全般       (ネットワーキング、情報収集・発信、資料整理など)  事務局長:共同代表と連携しながら企画戦略立案をし、JFSの顔として対外広報・渉外を行いつつ、事務局運営をおこなう *給与   月額固定給または時給制。       能力・経験に応じて決定(研修期間 1ヶ月) *就業場所 川崎市多摩区生田(小田急線生田駅から6分) *就業開始時期 2005年12月〜2006年1月(応相談) *就業曜日 月〜金のうち3〜5日(原則は5日、応相談) *就業時間 応相談(原則は9:00〜17:00など) *応募資格・スキル ・性別・年齢・国籍・学歴不問 ・日本語での事務処理能力一般 ・ワード、エクセル、パワーポイント、メール  (やる気があれば仕事しながら勉強できます) ・人とのコミュニケーションの得意・好きな方 ・事務局長は、環境・持続可能性分野の知見およびマネジメント経験を      有していること *お問合せ TEL 044-933-7639 担当・西条 *応募方法   経歴書(簡単な履歴と、社会経験、英語、事務能力について。書式は自由)と「JFSでやりたいこと・自分がJFSで役立てること」(字数自由)を添えて、saijo@japanfs.org までメールにてお送り下さい。 書類選考を通られた方に、面接の日時をご連絡します。 *応募〆切 12月19日(月) 地球環境とJFSの100年後に向けて力を貸してくださる方、お待ちしています〜!
 

このページの先頭へ

このページの先頭へ