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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2005年10月01日

木と森にまつわるいろいろ(2005.09.30)

森林のこと
 
-山の作文 -森の"聞き書き甲子園" -学校の内装木質化に関する共同研究 -治山間伐について -森を育てる名刺 -フェアウッドキャンペーン 秋晴れの日はいかがお過ごしですか。こんな日曜日を過ごしました、という小学校5年生の作文を、本人の許可を得て、ご紹介します。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 山の大切さ、木の大切さ  私は、日曜日に家族で奥多摩の山につれていってもらいました。  はじめに、下草がりをやらせてもらいました。妹と、お父さんが近くの川で遊んでいる間に行きました。かまをとぎ石でとぎ、よく切れるようにしました。かまをとぐときにかまで指を切りそうでこわかったです。  とげたので、自分でといだかまをもって植えてあるところへいきました。すると 「そこには、一年杉と、三年杉が植えてあるんだよ。」 と教えてくれました。一年杉って、学校の一年生みたいでおもしろいなぁ。その杉のまわりに雑草がたくさん生えていて、つるもからまっていて杉がくるしそうでした。  いよいよかまでかります。はじめはこわくてゆっくりやっていたけれど、だいたいこつが分かったので、どんどんかっていきました。ずっとかまをもっていたので、指が痛くなってしまいました。体もあせでびっしょり。  だいたい終わって、かった所を見てみると、雑草でうまってくるしそうだった杉がすっきりしてすずしそうでした。私たちでも、下草がりができるんだな、と思いました。  この山の持ち主の池谷さんにいろいろなお話を聞きました。  「もし、だれも森や山のていれをしなかったらどうなるか。まず、山の木が、くさったりして、だめになってしまう。それに、大雨などがふったときに木がないと、洪水や土砂崩れがおきてしまう。反対に日照りになると、水がかれて水不足になってしまいます。」 「木がないと、人間がだしている二酸化炭素を酸素にしたり、空気をきれいにできない。」とお母さんからも聞きました。  今、一番こまってることは、山のていれをする人が少なくなっていることだそうです。なぜかというと、他の国から、安い木が輸入されていて、山の木が売れないからです。私達が使っている、紙や家具などの、約80パーセントが外国の木だときいてびっくりしました。  私は、木には紙など以外にも日照りや、洪水などの災害から守ってくれる力があるんだなぁ、だから、木や山を大切にしないと大変なことになるんだなぁと思いました。  杉の育て方には、苗育て、苗植え、下草がりなどがあり、それから枝うちがあります。枝うちには、空開けといういい方があり、枝をきって空を見えるようにする、ということだそうです。次くるときは、その空開け(枝うち)のお手伝いもやりたいと思っています。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 高校生も山でいい経験をしているようですよ〜。第4回森の"聞き書き甲子園"高校生が取材する森の名手・名人100人が決定し、高校生による「聞き書き」が今年いっぱい続くそうです。 「森の"聞き書き甲子園"」は、全国の高校生100人が森林にかかわる技術の名手・名人を現地に訪ねて取材し、日本の山村で受け継がれてきた森林の知恵や技、山村の暮らし、名人の人となりなどをレポートに書く環境教育プログラム。林野庁と文部科学省、(社)国土緑化推進機構、NPO法人樹木・環境ネットワーク協会が連携して実施しています。 このプログラムのモデルは、米国の教育プログラム「FOXFIRE BOOK」で、プログラム全体を通じて、森林保全意識を育てること、山村地域の生活様式・文化・伝統・技能の記録・継承を目指す、というものです。楽しみですね! これまでのようすがイキイキと読める本もあります。森の名人って、本当にいい顔しています。 『森の人、人の森。』〜森の聞き書き甲子園が高校生にもたらしたもの〜人の森プロジェクト編著 ウェッジ(1680円) さて、私のオフィスは、岐阜県のひのきの間伐材から作ったエスウッドという壁板の内装で、本箱は埼玉県の杉の間伐材で作ってもらっています。10人が囲めるおおきなテーブルもベンチもエスウッドです。パソコンの手元で使っているマウスパッドもエスウッドです。 そういう環境で仕事をしている私の実感を裏付けてくれるような研究報告が出ています。埼玉県と長野県及び玉川村の職員による「学校の内装木質化に関する共同研究」です。中間報告が読めます。(調査は15校、3,400人を対象) > 1 調査研究の成果(平成16年度分) > > (1)アンケート調査(埼玉県内8校、長野県内7校、内装木質化校6校、非木質化校9校) > >  ア 児童生徒 >  内装木質化した学校では、非木質の学校に比較して、「冬、寒くない」、「教室が明 > るい」、「床や壁に愛着を感じる」、「学校を自慢できる」などの回答が多く出された。 > >  イ 教職員 >  内装木質化した学校では、非木質の学校に比較して、「イライラする」、「落ち着か > ない」との回答が少なかった。 近年、いろいろな自治体で県産材・地域材を活用促進しようと、学校などの内装に木材を採り入れる動きがあるのは、とてもうれしいことです。 (年齢がバレちゃいますが。。。^^;) 私が小学校4〜5年生の頃、100年もたった木造校舎が立派なコンクリート校舎に建て替えられました。あちこちで、同じ動きが、たぶん全国で起こっていたのではないかと思います。そのときから、壁板は1枚1枚模様や節穴が違うこと(それぞれ違っていていいということ)も、 あの夏はひんやりと、冬はあったかい感触も、失ってしまったような気がします。 マウス(この場合は、PCのマウスではなくて、本物のネズミです。^^;)だと、コンクリートや金属のケージに入れられたものより、木製のゲージに入れられたもののほうが長生きし、成長もよい、という実験結果があるそうです。 病院や保育園、福祉施設へ行くたびに、内装が(せめて腰板だけでも)木材だったらなあ、と思います。発するメッセージが違うはずだと思うのです。企業もきっとそうですね。(そのうち、「内装木質化した企業は、そうでない企業に比べ、業績も社員満足度も顧客満足度も高い」という研究結果が出ないかな・・・) 次は、実際に山で作業をしていらっしゃる方からのメールを、許可を得てご紹介させていただきます。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 現在、森林組合に作業班に入って4年目になる者です。 毎年、間伐の仕方に疑問を持ってしまいます。このメールで以前扱われたかどうかわかりませんが、今だ現場でこの作業が行われているところを見ると現状は変わってないような気がして、お便りします。 間伐の方法に「治山間伐」という方法があって、これは間伐で伐った木の枝を払い、3m、4mの長さに玉切りして、斜面に対して「横向き」に並べ林内にきれいに寝かせておくとやり方です。そのため、重心に逆らってでも始めから横になるように伐ります。 このやり方を「伐り捨て」のやりかた(=伐った木がどちらの方向に倒れていても構わない。枝も適当に払っておくだけ)と比べると、とても手間がかかります。多分2倍から3倍の時間がかかると思います。 木を横に並べておかなくてはならない理由というのが、何でも雨が降った際などに横に並べた木のおかげで水がそこで止まり、治水効果=治山効果があるということらしいのですが、こんな馬鹿げた理論は現場の人間は誰も信じていないようです。この横並べの間伐方法を、例えて言えば、出荷しない畑の大根をきれいに洗って、葉っぱを落として畑にきれいに並べておくようなものです。 だいぶ前に国がこのやり方を奨励したらしいのですが、国の方では、とっくに効果のないことがわかったのか、国有林ではもう何年も前からこの横並べ式のやり方はしていないとのことです。 国は止めたものの、県の段階では、まだ多くの県がこのやり方を採用していると聞きます。ちゃんとした治山効果があるならまだ知らず、わけもなく、お金を余分に使って(治山間伐の場合、切った後の玉切り、枝払い、横並べ賃が余分に計算されるので、普通の間伐に比べると単価が高く見積もられています。)作業を非効率にさせるやり方がいつまでも続いていることが私には全く解せません。 県は単なる怠慢で今までの慣例をだらだら続けているように見えますし、組合が反対しないのは、単価がその分高いので、あえて反対する必要もないといったところで現状が維持されているように見えるのですが。 早い話し、このやり方を止めれば少なくとも物理的には倍の面積が伐れるということです。手を付けていない山がこれだけあるのだから、こんな無駄なやり方は止めて、もっと多くの面積に手をつけた方がいいと思うのですが。 福井県に鋸谷茂さんという県職員であると同時に山主でもある方が、もう数年も(あるいはもっと)前から、横並べ方式の間伐の無駄を唱えて、「鋸谷式間伐」を提唱されています。従って、福井県では、横並べ式の間伐というのはありません。 森林の手入れをどうするかについて、いろいろ議論されていますが、現場の作業員の立場から言えば、まずこの横並べ式の間伐を止めて、その分のお金を使ってもっと多くの面積に手を入れた方がいいというのが私の感想です。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 山の作業のようすが少しでもイメージしていただけるでしょうか? また専門家の方、何かご存じでしたら教えて下さいな。 木といえば紙にもつながりますね。私の名刺は、普段使っているのはカレンダーの裏紙を利用した「世界に1枚だけの名刺」(^^;)ですが、組織の名刺として印刷するものは、輸入ではなく、日本の木材を紙の原料に活用した「森を育てる名刺」にしています。 NPOレインボーが作ってくれているもので、国産材25%と古紙75%からできています。紙の色も感じも柔らかくて、とても気に入っています。しかも「環境によいからといって高い」わけではないのです。 1パック(100枚入)  厚さ 135g/m2 表面カラー    1,500円 表面モノクロ   1,200円 > この名刺はこれまでコストを理由にパルプ化を拒まれてきた国産材を紙造くんで > 無薬品パルプ化、古紙と混ぜ合わせることに成功し、コスト優先から環境優先、 > 環境保全から環境回復へと考え方をシフトする画期的な紙です。 とのこと。名刺の詳細や「なぜ国産材を活用することが森を育てることになるのか、なぜ私たちが国産材を積極的に活用することが地球温暖化防止の鍵を握っているのか」、こちらのページをどうぞ! ご注文はNPOレインボーまで、担当:岡本さんです。 E-mail: secretary@rainbow.gr.jp (お問い合わせはできるだけメールで) 「フェアな木材を使おう」というフェアウッドの活動があります。 内外のさまざまな情報が読めます。たとえば・・・。 > 森林生態系に配慮した紙製品の調達に関するアンケート結果発表 > > 2005年6月24日、グリーンピース・ジャパン、国際環境NGO FoE Japan、WWFジャ > パン、地球・人間環境フォーラム、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)の5団体は、 > 「森林生態系に配慮した紙製品の調達方針の策定・実施に関するアンケート」の > 結果を発表した。 > > アンケートに回答した組織のうち、71%が紙製品のサプライ・チェーンを「把握 > をしていない」と回答しており、製品原料の生産地(伐採地)からの供給ルート > や、原料の生産地の環境や社会への影響が、紙の調達側で把握されていないこと > が明らかになった。 (詳細は上記HPへ) メールマガジンに登録しておくと、情報を定期的にまとめて届けてくれます。ご興味のある方、ぜひどうぞ。(上記HPから登録できます)
 

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