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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2005年06月21日

富山の鱒寿司とわりばし (1999.11.30)

日本のありもの探し
 
今年の5月に、富山青年会議所にお招きいただき、環境問題のパネルディスカションに参加させていただきました。 「ビジネスに対するメッセージを」という主催者のリクエストに、私は『今日からできる! エコ企業への5ステップ』として、 (1)情報を収集する (2)自分のビジネスのインプット/アウトプットを見てみる
-つまり何が入ってきて、何が出ていっているのか? (3)(2)をもとに、新たな投資の必要のないところで、環境負荷を下げられることをやってみる
-往々にして、これはコスト削減につながる、このとき、できれるだけ成果を数値化しておく (4)(3)のコスト削減や生産性アップで蓄えた資金を、設備改善やビジネス変革、ISO14001認証取得などに投資して、エコ企業の体質をつくる
-ここで「投資」「見返り」を計算すると「環境会計」につながる (5)ネットワークを構築し、地域や業界内でより大きなシナジー効果をもたらす
-究極の目標は異業種クラスターによるゼロ・エミッション というお話をしました。 数ヶ月してまた富山にうかがったときに、そのときの話を聞いてくれた「富山の鱒寿司」の若旦那がこんな話をしてくれました。 「枝廣さんの話を聞いて、自分の鱒寿司屋のことを考えてみたんです。ウチも他の鱒寿司屋と同じように、割り箸をつけている。これはいらないんじゃないかな、と思いました。 それでウチで使っている割り箸がどこから来ているか、調べてみました。すると中国産だった。すると、国内の間伐材を使っているわけではないし、中国の森林を伐採して作っている割り箸なのかな、と思いました。 それで、ウチの奥さんと話し合って、割り箸をつけるのをやめることにしました。親父は最初少し不安に思っていたようだけど。 それ以来、何万個も鱒寿司を売っているけど、「割り箸がない」という苦情はひとつも来ていません。やってみると思ったより大したことないんですね。」 私はこの話をうかがって、とてもとても嬉しく、頭が下がる思いでした。 「20人に1人くらい『紙袋はいりません』と言うお客さんもいるんですよ」と若旦那がいうので、 「いらないなー、と思っても、タイミングがずれたり、(私のように!)気が弱くて自分からはいえない人もいるかもしれないから、「紙袋はいりますか?」って訊かれたらどうでしょう?」といったら「そうですね。来年からそうしてみようかな」と。 この鱒寿司屋さんは、高芳(0764-41-2724)です。高芳さんの鱒寿司は、塩味が控えめで鱒の脂がのっていて、とってもおいしいのです。地元の人も「ここが一押し!」と。 もし富山にいって、鱒寿司を買われるときには思い出してください。こんな「エコひいき」をどんどんふやしていきたいと思っています。
 

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