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つながりを読む

いつまでも すべての人に やさしいまちを みんなで~兵庫県明石市の取り組み

2023年02月11日

幸せ研から世界に発信した記事の日本語版をご紹介したいと思います。子どもを核とした、好循環のまちづくりを進めている明石市の取り組み、多くの地域の参考になるのではないでしょうか。

~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~

いつまでも すべての人に やさしいまちを みんなで ~兵庫県明石市


兵庫県明石市は、日本標準時の子午線が通る「子午線のまち」と呼ばれ、瀬戸内海に面した人口およそ30万人の都市です。神戸市の中心部であるJR三ノ宮駅まで15分、JR大阪駅まで40分弱という立地から、ベッドタウンとしても知られています。

明石市は2019年11月1日に市政100周年を迎え、次の100年に向けて新たなスタートを切りました。「SDGs未来安心都市・明石~いつまでも すべての人に やさしいまちを みんなで~」を、2030年のあるべき姿として設定し、2020年7月に国からSDGs未来都市に選定されています。

あるべき姿には、こんな思いが込められています。

いつまでも:持続可能な発展をめざし、まちの好循環の拡大を図るとともに、安全・安心で快適な暮らしを支える都市基盤の整備に取り組みます。

すべての人に:こどもから高齢者まで、障がいの有無や性別に関わらず、誰一人取り残されることのないまちづくりに取り組みます。

やさしい:市民に寄り添う施策に先駆的・積極的に取り組み、やさしい社会を明石から広げていきます。

あるべき姿の実現に向けた、明石市の取り組みをご紹介します。

まちの好循環 ~こどもを核としたまちづくり
明石市では、「人口増」→「まちが賑わい活性化することで税収増」→「増えた税収を財源として行政サービスをより手厚くすることによりまちへの愛着増」→「更なる人口増」という、好循環のサイクルが回っています。

それを支えているのが、こどもを核としたまちづくりです。効果的な子育て支援施策を実施することで、子育て世代の移住件数や出生率が増加し、人口増につながっています。具体的には、どのような施策を行っているのでしょうか?

(1) 5つの無料化

「こどもを核としたまちづくり」の中心を担うのが、子育て支援の5つの無料化です。子育てにかかる経済的な負担を軽減することで、人口増加につながっています。すべての子どもたちにサービスを届けるために、親の所得水準による制限は設けられていません。 

1. 高校生までのこども医療費の無料化

高校3年生までのこどもが病気やけがにより医療機関等を受診した場合に、窓口で支払う保険診療分の医療費を助成する制度です。市外の病院で受診した場合も適用されます。

2. 第2子以降の保育料の完全無料化

明石市内に居住する第2子以降の児童を対象に、保育所や幼稚園を利用する場合の保育料が無料になります。対象施設は、明石市が保育料を決定する市内外の保育施設で、国が定めた基準を満たす施設である認可保育所・幼稚園などの認可施設です。経済的な理由から理想とする数の子どもを持たない夫婦が多いなか、第2子以降にかかる経済的負担の大幅な軽減は、出生数の増加につながっています。

3. 0歳児の見守り訪問「おむつ定期便」

見守り支援員が赤ちゃんと保護者に会い、紙おむつなどの赤ちゃん用品を毎月無料で届けます。期間は生後3か月から満1歳の誕生月までで、子育ての悩みや困りごとがあれば相談できます。

4. 中学校給食の無償化

教育費が膨らむ中学生のいる家庭の負担軽減を目的に、3年間でおよそ16万円かかる給食費を、親の所得水準による制限なしに無料にしています。

5. 公共施設の入場料無料化

「休みの日は、家族でいっぱい遊んでほしい!」との願いから、市内4施設でこどもの利用料を無料にしています。親子交流スペース「ハレハレ」と明石海浜プールは小学生以下、文化博物館は中学生以下、天文科学館は高校生以下が対象です。

(2) すべてのこどもたちをまちのみんなで応援

2019年4月に開設された「明石こどもセンター」では、身近な子育て相談から、支援が必要な子どもの発見・対応、家庭復帰後の地域支援まで、総合的で一貫したサポートを行っています。2019年度に受けた相談件数は1,887件で、そのうち3割が児童虐待に関する相談でした。センターでは、こどもの命を確実に守るために、迅速に対応して必ずこどもに会い、気持ちを聞いてから支援の方針を決めます。一人ひとりに寄り添い、自立までそれぞれの状況に応じた総合的な支援を行っています。

こども食堂を通じた居場所づくりの取り組みも行っています。市内全28小学校区にこども食堂を開設して、ごはんを食べたり、遊んだり、身近な場所でみんなが一緒に楽しい時間を過ごせるようにしています。新たにこども食堂を開設する際のサポートも行っています。

すべてのこどもたちが家庭での愛情やぬくもりを感じながら、健やかに育つことができるよう、里親家庭を身近に増やす取り組みにも力を入れています。里親家庭で暮らすようになったこどもが、それまで通り、住み慣れた地域で暮らし続けられるように、すべての小学校区で里親登録を進めています。2019年4月には「あかし里親センター」を開設し、里親や里親希望者が気軽に相談、交流できる拠点として、相談を受けたり、里親登録に必要な研修を実施したりしています。

これらの取り組みを始め、明石こどもセンターが中心となり、民生委員・児童委員、保育所・学校、乳児院・児童養護施設、児童家庭支援センターなど、地域の人や組織と連携して、まちのみんなでこどもと家庭を支える取り組みが行われています。

(3) ひとり親家庭をサポート

明石市では、すべてのこどもが心も体も健やかに成長できるよう、ひとり親家庭にも、それぞれの状況に合わせたサポートを行っています。離婚後のこどものことを話し合ってもらうために、こどもの養育に関する合意書やこども養育プランの参考書式を配布したり、こどもが離婚相手である片親との交流を希望する場合の面会交流のサポートをしたり、家計のやりくりをしやすいよう、児童扶養手当を毎月支給にしたりするなどです。また、こどもの成長に欠かせない養育費が、きちんとこどものもとに届けられるよう、支援も行っています。

誰もが住みやすいまちを目指して

明石市が誰もが住みやすいまちを目指して進める共生のまちづくりは、何歳であっても、どんな障がいがあっても「住みなれた地域で自分らしく生きていきたい」という思いに応えようというものです。「身体や心の状態によって、生活の中で不便さや難しいことがあるのは障がいのある人もない人も同じ。みんなが生き生きと暮らせるまちづくりには、多くの人の知恵や力、継続した取り組みが必要」と市民に伝えています。

共生のまちづくりに向け、明石市は下記の5つのステップを定め、ステップ3までが実現されています。

ステップ1:手話を言語として再認識する条例
手話が独自の語いや文法体系を持った言語であることを再認識した上で、いろいろな方法で手話と手話への理解を広めていきます。

ステップ2:情報やコミュニケーションを保障する条例
手話や要約筆記、点字、音訳など、障がいのある人に必要ないろいろなコミュニケーション手段を選べるようにしていきます。また、それぞれの支援者を育てて増やしていきます。

ステップ3:障がいのある人への差別をなくす条例
障がいのある人へ必要な配慮を提供し、障がいのある人への差別をなくしていくことで、誰もが安心して暮らせるまちづくりを推進していきます。

ステップ4:合理的配慮の提供にかかる公的助成
折りたたみ式スロープや筆談ボードの購入、点字メニューの作成など民間事業者や地域の団体が合理的配慮を提供していくために環境を整備する費用を市が助成します。

ステップ5:障がいのある人の自立と社会参加の実現
障がいのある人が必要としている配慮が当然のこととして提供され、障がいのある人もない人も誰もが安全に安心して暮らせる共生のまちづくりの実現を目指していきます。

明石市では、ここでご紹介したものの他にも、高齢者支援、犯罪被害者支援など、「人」に「やさしい」さまざまな取り組みを進めています。好循環のサイクルを回し続け、取り組みをどのように進化させていくのか、明石市の動きから目が離せません

(幸せ経済社会研究所)


〈参考資料〉
笑顔のタネあかし
https://www.city.akashi.lg.jp/shise/koho/citysales/kosodate/index.html

市民のわがままを政策に生かすには、「きれいごとと本音」の両立が必要だった──明石市長 泉房穂×サイボウズ 青野慶久
https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m005932.html

こどもを核としたまちづくり
https://www.city.akashi.lg.jp/seisaku/kouhou_ka/shise/koho/tokusyoku/kosodate.html

明石の現況「まちの好循環」
https://www.city.akashi.lg.jp/seisaku/seisaku_shitsu/shise/gyose/kekaku/sogokekaku/documents/tm0831shiryo.pdf


~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~


この明石市の取り組みもそうだと思いますが、「こうしたい」「こう変えたい」という思いだけで実際の変化を創り出すことは難しく、創り出したい変化を1つのプロジェクトや取り組みで実現することも難しいものです。

そこで必要なのが、創り出したい変化を「変化の連鎖」として設計する力です。何が何にどうつながっていくのか・・・とつながりを考えていくためには、システム思考が鍵となります。

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