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映画「不都合な真実2:放置された地球」公開!

2017年11月19日
映画「不都合な真実2:放置された地球」公開!

映画「不都合な真実2:放置された地球」オフィシャルサイト

http://futsugou2.jp/

映画「不都合な真実2:放置された地球」が公開されました! ぜひ多くの方に見ていただきたい!と願っています。私は字幕の監修を担当しました。映画のウェブやポスター向けに書いたコラムをご紹介します。

映画オフィシャルサイト

エダヒロのコラム

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国立環境研究所の温暖化科学者・江守さんが試写会を観てのコラムを書いていらっしゃいます。

映画「不都合な真実2」公開によせて 
アル・ゴアと世界の気候変動政策の20年の歩みと新たな希望
江守正多 | 国立環境研究所地球環境研究センター気候変動リスク評価研究室長

私は、映画の字幕の監修もさせていただいており、映画のウェブやポスターなどにコラムを掲載してもらっています。ご紹介します。

~~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~

COLUM
アル・ゴア氏が今この時代に訴えかけている「3つのメッセージ」
枝廣淳子(環境ジャーナリスト/原作翻訳)

「異常気象のオンパレード」――そんな言葉が浮かぶほど、これまでになかったような大雨や長雨、強烈な台風や高温のニュースが、あちらからもこちらからも届きます。

今年7月に九州北部で発生した集中豪雨では、多くの地域で1時間に100㎜を超える雨が降るなど、気象観測史上でも最大級の集中豪雨となりました。河川が氾濫し、土砂崩れが起こり、住宅を損傷し、30を超える人命が失われました。

九州北部だけではありません。秋田も以前には考えられない豪雨に見舞われ、大きな被害が出ました。各地から、「50年に1度の記録的大雨」の報告が相次いでいます。首都圏では、神奈川県で局地的な猛烈な雨が電車の中まで流れ込みました。東京でも、8月に入ってから連続21日間にわたって雨が降り続く中、局地的大雨も観測されています。

「異常気象」とは、30年に一度程度起こる事象を指すのですが、このところ「毎年、異常気象」と言っても過言ではない状況が続いています。

これらの事象について「この豪雨は100%温暖化のせいだ」と断言することは科学的には難しいのですが(科学では最大の確率でも100%とは言わないからです)、何年も前から科学者が「温暖化が進行すると、こういった極端気象の現象が増える」と予測していた現象が展開しつつあるのは間違いありません。

気温上昇も、温度計以外にもさまざまな形で顕在化しています。冬の降雪が減った、春の訪れが早くなり、桜などの開花時期が変わってきた等、みなさんも肌感覚で感じていらっしゃるのではないでしょうか。

世界に目を転じると、温暖化が影響を与えていると考えざるを得ない異常気象のオンパレードがさらに続きます。全米第4の都市テキサス州ヒューストンを襲った大型ハリケーン「ハービー」は、「前代未聞の勢力」とされ、非常に大きな被害をもたらしたことは記憶に新しいところです。

科学者は「気候変動がハービーを生んだわけではないが、それを悪化させた要因だ」と言っています。温暖化→気温が高くなる→水分が蒸発する→大気中の湿度が増える→降雨量が多くなる、というつながりがあるためです。つまり温暖化が進行すれば、それだけ熱中症死亡者が増えるだけではなく、強烈な台風やハリケーン、サイクロンが増えてしまう、ということなのです。

「温暖化→気温が高くなる」のあとの「→」の次に続くものは、豪雨や熱中症だけではありません。氷河の融解や海面上昇、南方にしかいなかった感染症を媒介する蚊などが北上し、感染域が拡大する、これまでの農作物の収穫量や品質が落ちる、などさまざまな影響が出てきます。

日本への影響を研究している科学者は、「2090年には、温暖化による海面上昇によって、日本の砂浜の85%は水没してしまう」と予測しています。「子どもたちの時代には、海水浴ができなくなる?!」と思うと、観光業のみならず、私たち一人ひとりにも温暖化が影響を及ぼしつつあることをひしひしと感じます。

「困った。そうはしたくない。じゃ、どうしたらいいの!?」という思いに対するひとつの明確な答えが、この映画です。元米国副大統領のアル・ゴア氏は、大学生の頃からのライフワークとして数十年にわたって地球温暖化問題に取り組んでおり、2007年にはIPCC(気候変動に関する政府間パネル)とともに、ノーベル平和賞を受賞しています。

近年温暖化への関心が低下している日本にとって、アル・ゴア氏がこの映画を通じて訴えかけている「3つのメッセージ」は、特に重要です。

1つは、「温暖化の影響は顕在化しており、状況は悪化の一途をたどっている」ということ。

もう1つは、「温暖化の解決策はすでにわかっており、私たちの手中にある。前作からの10年、企業や国の取り組みも大きく進み、かつての『温暖化対策か、経済成長か』ではなく、『温暖化対策が経済成長の原動力』という状況になってきた!」ということ。

そして最後は、「間に合うタイミングで社会全体を動かしていくためには、私たち一人ひとりが自分のライフスタイルを見直すだけではなく、政治家を動かしていかなくてはならない!」ということです。

「長期的に自社のCO2排出量をゼロにする!」と宣言する日本企業も出てきました。「再生可能エネルギー100%にシフトする」と宣言した世界の企業のグループに日本企業も参加しています。再エネ後進国と思われていた日本でも、条件の良いピーク時には、全国の電力需要の半分近くを再エネでまかなったという実績も出てきています。電力会社によっては、その1時間の電力需要の8割近くを再エネでまかなったところもあるのです!

世界的なベストセラーとなった『サピエンス全史』の大きなメッセージの1つが、「歴史は決定論では説明できない。あまりに多くの力が働いており、その相互作用はあまりに複雑なので、それらの力の強さや相互作用の仕方がほんのわずかに変化しても、結果に大きな違いが出る。キリスト教も、ローマ帝国も、金貨もない歴史を想像することが可能だ」だとしたら、私たち一人ひとりが今日、明日、何をどう考え、どう行動するかが複雑に入り組んだ相互作用の膨大な網の目に対する小さな一撃となって、最終的に歴史を形作っていくのです。

その意味で、この映画が未来の歴史に与える影響がどれほど大きなものになるのか、想像もつきません。

~~~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~~

ひとりでも多くの方々に届きますように!

書籍はこちらにあります。

「不都合な真実2 」  
アル・ゴア (著), 枝廣 淳子 (翻訳)

 

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