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SDGs(持続可能な開発目標)の指標は何を測ろうとしている? 日本のSDGs達成状況は?

2017年01月09日
SDGs(持続可能な開発目標)の指標は何を測ろうとしている? 日本のSDGs達成状況は?

The SDG Indicators: What are we Measuring?

http://atkisson.com/analysis-of-the-SDG-indicators/

「SDGsって、たくさんの目標とターゲットがあるけど、結局、何を測ろうとしているの?」ーーアラン・アトキソンのわかりやすい解説を実践翻訳チームが訳してくれました。加えて、ベルテルスマン財団と持続可能な開発ソリューションネットワークの「持続可能な開発目標(SDGs)インデックス&ダッシュボード」を。17の目標について149ケ国の達成状況を評価した結果、トップに輝いた国はどこでしょうか? 日本は何位でしょうか?

まずはこちらをどうぞ! アラン・アトキソン作詞・作曲のSDGsの歌、日本語の字幕付きですー。踊り出したくなっちゃいますよ~♪

We Love the SDGs (Sustainable Development Goals)

アランはバラトングループの古くからの仲間で、私が翻訳した『カサンドラのジレンマ』の著者でもあります。CDを何枚も出しているミュージシャンでもあり、システム思考や持続可能性をわかりやすく伝える曲をたくさん創っています。

アランはSDGsにも深く関わっていて、企業にはコンサルティングを通じて、市民には(上記のように)歌や講演、ウェブを通じて、さまざまな情報発信と行動を起こすための手助けを提供しています。まずはそのアランの解説をお届けします。

~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~

http://17goals.org/the-SDG-indicators-have-arrived/

ついに、私たちは「SDGs達成に向けた進捗状況をどのように測定するのか?」という質問に対する答えを見つけた。あるいは、少なくとも公式な草案はできあがった。

2016年1月28日、国連統計委員会は国連総会に報告書を提出した。報告書の正式名称が「持続可能な開発目標指標に関する機関間・専門家グループによる報告書(Report of the Inter-Agency and Expert Group on Sustainable DevelopmentGoal Indicators)」とあることからも分かる通り、その作成には専門家の作業部会、数々の国連機関の代表者、その他の関連諸団体がかかわってきた。 それは困難な作業だった。17の目標、より細かく言うと、目標を具体化する169のターゲットについて、その進捗状況を測定する方法を見つけ出す作業は、常に難航し、議論を呼んだ。それでも国連統計委員会は、整合性があり管理可能な229の指標を作り上げることができたのである。

しかし、指標の策定作業は、まだ完了していない。149の指標が合意されたにすぎないのだ。残る80の指標は「灰色」【訳注:IAEG-SDGsによる指標の策定作業の過程で、指標案には協議・合意の状況に応じて、緑、黄色、灰色のカラーコードが割り当てられた】に分類され、完全な合意に至っていない。

また、すべての指標がすぐに測定可能な状態にある訳ではなく、データ不足のものもあれば、測定方法が決まっていないものさえある。しかし、まだ測定可能でなくても、実際に必要な指標を特定してしまうことは科学界でもよくあり、持続可能な開発を議論する場合には往々にして起こり得ることである。 国連統計委員会のウェブページで、全指標のダウンロードができ、また、その策定作業過程についても知ることができる。
http://unstats.un.org/SDGs/iaeg-SDGs/ga-briefing-28-Jan-2016/  

さて、この指標から何が分かるのだろうか? 「17Goals」(SDGに関係して12か国を超える国々から集まった団体や専門家のグローバル・パートナーシップ)のパートナーであるアトキソン・グループは、また、SDG指標を「人」、「資金」、「計画と政策」、「生産と消費」、「地球」の5つのカテゴリーに分類した指標の分析結果[ブルーペーパー(Blue Paper)と呼ばれる]を公表した。
http://atkisson.com/analysis-of-the-sdg-indicators/

そこから分かるのは、SDG指標がSDGsの理念そのものを反映しているということだ。つまり、「人」がSDGアジェンダの中心に置かれており、「誰一人置き去りにしない」ために、90を超える指標が人数や人の割合などで表現されている。

その次の大きなカテゴリーは「資金」である。その中には60の指標が含まれ、いずれも最終的にはドル、ユーロ、人民元、およびその他の通貨(実際に使われているのは大部分がUSドルである)で表現されている。

これらの指標は、世界は本当に投資が必要なところに投資しているか、支払わなければいけない税金が支払われているか、SDGsの実現を可能にする計画に資金が投入されているか、という質問に答える手助けになるだろう。

次に「カバナンス」が来る。これに関係する指標は38あり、それらはある種の法律、プラン、政策の制定状況や現在の施行状況を評価する。

ほかに、産業分野におけるエネルギーや原材料の流れを見るための指標が20、森林、水、生物種などの自然そのものを測る指標が18ある(アトキソン・グループはこれを「地球」というカテゴリーに含めている)。

しかし、「計画と政策」に分類される38の指標のうち、22指標はさまざまなグリーン関連の事項を測定するものでもある(全体では、アトキソン・グループは、「グリーン・エコノミー」行動計画にも同時に関係する指標を62挙げている。このレポートは無料でダウンロードできる)
http://atkisson.com/analysis-of-the-SDG-indicators/ 

この指標のリストは最終的なものではなく、使用が強制されるものでもない。私たちが以前言及したように、SDGの実行プロセスの一環として、各国政府が国連に報告する際、求められているのは、あくまでも自発的にそれを使うということである。

そして各国政府は、自国の実情に合った独自の指標を付け加え、このリストを補完することが奨励されている。地方自治体、企業等も、最初はこれらの指標を使用し、その後は独自の指標システムを見直して改良することが期待されている。

1月28日に公表されたSDG指標のリストは、この件に関しての最終的な決定ではなく、最初の一歩であることは確かである。SDGsにより、私たちはより良い未来に向かう世界初の普遍的な一連の目標を持つようになった。そしてSDG指標により、私たちは今、世界で初めて、世界共通の計器盤を提案できる。それは私たちが「我々の求める未来」を実際に作り出せているのかどうかを示してくれるのである。

(翻訳:山口、チェッカー:酒井)

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日本のSDGsの達成状況は? 「SDGs インデックス&ダッシュボード」公開される

(ベルテルスマン財団より)

2016年7月、ベルテルスマン財団と持続可能な開発ソリューションネットワークは、「持続可能な開発目標(SDGs)インデックス&ダッシュボード」を公開しました。SDGsは2016年から2030年までの国連の開発計画で、「貧困をなくそう」「平等な教育」「働きがいも経済成長も」といった17の目標が設定されています。

「SDGs インデックス&ダッシュボード」はこの17の目標について、149ケ国の達成状況を、世界銀行やFAO、WHOなどのデータを元に評価したものです。サイトでは、報告書を読むことができるほか、各国の達成状況について総合スコアと、17のそれぞれの目標についてのスコアが、わかりやすく地図上に色分けされて示されています。

なお、総合スコアのトップはスウェーデンで、スコアは100点満点中84.5点でした。この数字は、スウェーデンが17の目標全体を通して、平均すると「最高の結果」の84.5%まで至っていることを示しています。2位はデンマーク(83.9点)、3位はノルウェー(82.3点)とトップ3は北欧諸国が占めました。日本は18位(75.0点)でした。

(参考リンク)「SDGs インデックス&ダッシュボード」のサイトはこちら(英語)

参考:国連持続可能な開発目標(SDGs)についてのキーワード解説

~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~~

2015年は、このSDGsが国連で採択され、パリ協定が締結された"持続可能性の歴史"上、とても大事な年になりました。

2016年は、パリ協定が早期に発効したほか、SDGsをめぐるさまざまな取り組みがあちこちで進み始めました。

今年2017年も、持続可能性をめぐるさまざまな動きが展開していくことでしょう。温暖化をはじめ、悪化する状況との時間との競争でもありますが、少しでも早く良い方向に向かっていきますように......!

 

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