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CROって?~ロックフェラー財団「100のレジリエンス都市」の最初の33都市を発表

2014年02月18日
CROって?~ロックフェラー財団「100のレジリエンス都市」の最初の33都市を発表

The Rockefeller Foundation 100 Resilient Cities Centennial Challenge

http://100resilientcities.rockefellerfoundation.org/

CEOは、chief executive officerの略で、「最高経営責任者」ですよね。

COOは、chief operating officerの略で、「最高(業務)執行責任者」

CFOは、chief financial officerの略で、「最高財務責任者」です。

パターンがわかってきましたね~?(^^;

CTOは? chief technology officerの略で、「最高技術責任者」です。

では、CROは? chief r・・・ officerの略ですが、Rで始まる単語は何でしょう?

CROとは、chief resilience officer(最高レジリエンス責任者)です!

世界の自治体の中には、市長直属のCROを置き始めているところがあります。CROの任務は、「自治体のレジリエンスのビジョンを描き、役所内の部門を超え、地元との協働をしながら、イノベーションを最大化し、予期せぬ出来事の衝撃を最小化すること」とされています。

レジリエンスって?という方へ、幸せ経済社会研究所の「キーワード解説」コーナーからご紹介しましょう。
http://ishes.org/keywords/2013/kwd_id000790.html

~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~

レジリエンス(resilience)

レジリエンスとは「何かあってもまた立ち直れる力」のことです。英和辞典では「回復力」「弾力」などと訳されています。例えば、強風に吹かれた竹は、しなやかに身を倒して風をしのぎ、強風が過ぎれば元の姿勢に戻ります。レジリエンスとはこうした「しなやかな強さ」を表します。

もともと生態学で使われていた用語ですが、今日では心理学や経済学などさまざまな分野で使われるようになっています。

社会にレジリエンスが備わっていれば、自然災害や経済危機に直面した際にも、被害を最小限におさえ、回復に向かうことができます。逆にレジリエンスが失われていると被害は拡大し、復旧が遅れてしまいます。

例えば、震災後に工場の操業や物流が長期間ストップして必需品が私たちに届かなくなるのは、ジャスト・イン・タイム方式を採用しているために、在庫がないことが一因と考えられます。こうした方法は平時には「効率がよい」方法ですが、緊急時には対応できないのです。

レジリエンスを失わないためには、多様性やバッファーなど、短期的には効率が悪く思えても、何かあったときの回復力を高めるものも大事にする姿勢が必要です。


~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~


昨年2013年6月4日のメールニュース [enviro-news 2207] で、「レジリエンスと都市~ロックフェラー財団「100のレジリエンス都市」チャレンジ募集中」という情報やレジリエンスの説明をお届けしました。
http://www.es-inc.jp/library/mailnews/2013/libnews_id004008.html


ロックフェラー財団が「世界の100都市のレジリエンスを高める取り組みを支援するプロジェクト」を始めた、という内容でした。
http://www.rockefellerfoundation.org/our-work/current-work/100-resilient-cities

3年間で100都市が選定される予定で、選ばれた各都市は、以下のサポートを得ます。

1)「100のレジリエンス都市ネットワーク」のメンバーとなり、サポートを受け、レジリエンスの取り組みの新しい知識や実践を共有することができます。

2)市のレジリエンス戦略構築のための「チーフ・レジリエンス・オフィサー(CRO)」を雇用するサポートを得ることができます。

3)レジリエンス計画を策定するためのサポート、実施のためのツールやリソースを得ることができます。


先日、1回目の発表があり、33都市が選ばれました。
http://100resilientcities.rockefellerfoundation.org/cities

●アフリカ
ダカール(セネガル)
ダーバン(南アフリカ)

●中央・南アメリカ
メデジン(コロンビア)
メキシコシティ(メキシコ)
ポルトアレグレ(ブラジル)
キト(エクアドル)
リオデジャネイロ(ブラジル)

●ヨーロッパ
ブリストル(英国)
グラスゴー(英国)
ローマ(イタリア)
ロッテルダム(オランダ)
バイレ(デンマーク)

●中東
アシュケロン(イスラエル)
ビブロス(レバノン)
ラマラ(パレスチナ自治区)

●北アメリカ
アラマダ(米国カリフォルニア州)
バークレー(米国カリフォルニア州)
ボールダー(米国コロラド州)
エルパソ(米国テキサス州)
ジャクソンビル(米国フロリダ州)
ロサンゼルス(米国カリフォルニア州)
ニューオーリンズ(米国ルイジアナ州)
ニューヨークシティ(米国ニューヨーク州)
ノーフォーク(米国バージニア州)
オークランド(米国カリフォルニア州)
サンフランシスコ(米国カリフォルニア州)

●オセアニア
クライストチャーチ(ニュージーランド)
メルボルン(オーストラリア)

●南アジア
スーラト(インド)

●東南アジア
バンコク(タイ)
ダナン(ベトナム)
マンダレー(ミャンマー)
スマラン(インドネシア)

これらの都市は、数ヶ月以内に、CROを指名し、発表することになっています。


残念ながら、日本の都市は入っていないですね......。

温暖化の影響だけではなく、地震・津波もつねに想定しなくてはならない日本にとってこそ、レジリエンスは重要ですよね。自治体にとっても、何かあっても立ち直れる「しなやかな強さ」を増強することは取り組むべき課題の上位にあるのではないでしょうか。

ロックフェラー財団からサポートが得られ、世界の都市と情報交換・切磋琢磨して、レジリエンスを強めていけるチャンスです。あと2回の応募・選定の結果に期待しています!


(ついでに、いま「レジリエンス」の入門書を執筆中です。刊行された暁には、ぜひ読んでいただけたらうれしいです。がんばって書いています~!)

 

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